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コントラバスソロの新しいレパートリーを作りたい

普段はオーケストラで伴奏パートを担当するコントラバス。少しですが、メインとなれるソロの曲があります。音楽マニアであっても聴く機会は皆無だと思いますが、この楽器を専門的に勉強する音大生は、試験やオーディションで弾かなきゃいけないので、誰しも通る道であります。

コントラバス奏者が、ソロでメロディを弾くということに関して、ある種の『ゲテモノ』感があったのはもはや昔の話。以前に比べてある程度当たり前になってきたように思います。YouTubeなどのネット上の動画で誰でも簡単にアクセスできるようになり、若くして超絶プレーヤーという人も増えてきました。

しかしながらコントラバス奏者の演奏会のレパートリーは、世界的にみても、何十年も前から正直そんなに変わってないように思います。自分も勿論ベーシストなので、常に積極的にメロディを弾いていたいわけではないのですが、コントラバスという楽器に愛着があるので、コントラバスがフィーチャーされる良い曲が増えないもんかなあと、常日頃思っておりました。

クラシックの大学を出て、それ以外の畑で活動する私は、幸運にも素晴らしい作曲家と知り合える機会がありました。思い切って頼んでみたら、コントラバスに新曲を書いてもらえないだろうか…そんな所からこのプロジェクトが始まりました。クラシック奏者が作曲家に委嘱する場合、プログラムの中に一曲ぐらい入るのが普通だと思います。が、私はそんなに頻繁にクラシックのソロを企画するわけではないので、纏めて委嘱してしまいました。

私が大好きな作曲家の知り合いは沢山いるのですが、中でも私というベーシストに強い興味を持ってくれてそうな方々、あと卒業後は絡みがなかったけど、在学中コントラバスのソロ曲を沢山伴奏してくれて、内情をよく知ってる方、に依頼しました。

依頼した内容は「クラシックのコントラバスのソロコンサートで弾かれるような小品を」で、「ピアノ伴奏付きのコントラバスソロ」というフォーマットの他は指定せず、割とおまかせでしたが、結果めちゃくちゃいいラインナップになったと思っております。クラシカル、ポップネス、コンテンポラリー、このあたりのバランス感覚が、自分のぼやっとした注文とドンピシャなあたり、流石の皆様です。

コロナ渦直撃だった前作「ELECTRIC SIDE」は配信のみでしたが、今回はCDも作ります。そして最大の目的は自分以外の沢山のベーシストに弾いて貰うことなので、楽譜も作ります。音源は配信もしますし、楽譜のPDF販売も予定してますが、紙の楽譜も作るつもりです。

大学の試験で弾かれることはないと思いますが、ソロの演奏会の選択肢に入れてもらえたら大変嬉しいです。「木村の演奏を聞いてくれ!」というよりは「コントラバス界にめっちゃいい曲が誕生したからみんな弾いてくれ!」という感じです。現在鋭意制作中最後の追い込みで、年明け発売を予定しておりますので、お楽しみに!

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