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風邪かな!?と思ったときに薬剤師が最も使用する漢方!【セルフメディケーションオススメ】

【葛根湯】

葛根湯絵

今回、葛根湯について紹介します。落語で、「葛根湯医者」という話があるくらい風邪に対して最も使用されやすい漢方薬です。今回は、難しいことは除き、皆さんがセルフメディケーションとして、ドラックストアや薬局で買えるように分かりやすくまとめていきたいと思います!

風邪には西洋薬より漢方薬!!!・・・

皆さん、風邪をひかれた際は市販薬何を飲みますか?ルル、パブロン?風邪は局所あるいは全体の免疫能が低下し、ウイルスや細菌が体内に侵入した病態です。そのため、総合的に内部環境を整える作用を有する漢方薬は、対症療法に陥りがちな西洋医学的治療法より根治的な治療が可能なことが多いです。とくに発病初期(~3, 4日)、中期(4,5日)には漢方の有用性が勝ります。

急性期の症状、例えばインフルエンザで高熱がある場合、いたずらに解熱鎮痛剤を投与すると、インフルエンザ脳炎、脳症を引き起こすことリスクがあります。ウイルスは熱に弱く、そのために生体は防御反応として高熱を出す。したがって、一時的に解熱するとかえってウイルスを生き返らせてしまいます。また、抗生剤を投与しても、腸内細菌フローラを乱し肝心の抗病能力である免疫能そのものを低下させる危険があります。その結果、かえって症状が遷延化することが指摘されています。身体の発熱を助け発汗させる作用をもつ麻黄剤の1つ葛根湯を投与すると、速やかにウイルスが不活化することが多いです。

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「満量処方」と書かれているものは、処方箋でもらう医療用漢方と同量の生薬成分が含まれているため、医療用と同様の効果を期待できます。なので、医療用と同等の効果を得たい場合は、満量処方と記載されたものを選んでみましょう。

葛根湯構成生薬・・・

葛根4、大棗3、麻黄3、甘草2、桂皮2、芍薬2、生姜2

葛根(クズの根)、大棗(ナツメ)、桂皮(シナモン)、生姜(ひねしょうが)、甘草(甘味料)と、麻黄と芍薬以外は食品に近いのも特徴的です。
麻黄の交感神経刺激作用により発汗が促されます。

葛根湯のエビデンス・・・

皆さん、漢方って本当に効果あるの?って思う人もいるかもしれません。しかし、感冒はむしろ漢方の独壇場であり、研究結果のエビデンスもあります。以下記事抜粋。

加地らは、発病から平均2.3日の患者を対象として、葛根湯による各症状の推移を評価しているが、悪寒・熱感・くしゃみ・肩こり・筋肉痛などで高い改善度が認められている(図2)。かぜ症候群患者に対するの有効性の検討をした結果、全身症状のうち悪寒、熱感、下痢では軽度以上の改善が80%以上に認められ、呼吸器症状のうち、くしゃみ、鼻汁、鼻閉、痰の切れなどで軽度以上の改善が60%以上に認められてます。また、痛症状のうち、肩こり、関節痛、筋肉痛では軽度以上の改善が80%以上に認められた。

白木は、葛根湯の作用機序として、ウイルス感染から炎症・発熱に至る過程で、葛根湯がIL-1αの産生を抑制するとともにIL-12の産生を高めることで、無駄な炎症を抑制し抗ウイルス作用を賦活していることを報告している(図3)。これまで漢方処方は、各病期、あるいは症状に対して経験的に用いられてきたが、このように、最近の現代医学の評価でも十分通用する効果が認められています。


葛根湯エビデンス

葛根湯の適応・・・

自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こり等を伴う比較的体力のあるものの次の諸症:感冒、鼻かぜ、熱性疾患の初期、炎症性疾患(結膜炎、角膜炎、中耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ腺炎)、肩こり、上半身の神経痛、じんましん

ポイントとしては、「汗が出ていない状況」です。葛根湯の含有成分の麻黄が交感神経を高め、発汗させる作用の成分が含まれているため、仮に汗がでている状態で服用してしまった場合、汗が出すぎて、疲弊してしまう可能性があります。よって、絶対、汗がでていない!というのがポイントになり、体力消耗しないためにも「中程度以上の体力」があった方がいいでしょう。

ちなみに、私自身としては、風邪の初期症状治療以外で、頭痛、首痛、肩こり、奥さんの乳腺炎でもお世話になりました。

葛根湯の飲み方・・・

基本的には、1日3回、食前もしくは食間に1回1包

※しかし、症状に合わせて、1日2回でもいいですし、食前・食間に飲み忘れやすいのであれば、食後の服用でも問題ありません。

※体を温めるという点では、お湯に煎じてより奏功しやすいです。

※特にウイルスが直接的に障害をもたらす急性期(発病後3、4日後まで)のかぜ症候群に対して最も有効です。
※現在、インフルエンザAおよびB型ウイルスには抗ウイルス剤が使用されているが、これらの薬剤が発病後2日以内に服用できない場合や、インフルエンザ以外のかぜ症候群の場合にはを使用するとよいです。

※交換神経刺激による寝づらくなることもあるため、元々寝にくい方は寝る前の服用は避けた方がいいかもしれません。

食事でのワンポイントアドバイス・・・

体を冷やさないように、温かいうどん・おかゆなどを摂取するとで、より奏功率が高まります。

まとめ・・・

・体力中等度以上で、発熱、頭痛、頸部肩こり、鼻炎、咽頭炎などを伴う場合、葛根湯はファーストチョイスとして用いることができる。
・感冒1~5日で葛根湯を飲むようにしましょう
・最近の現代医学の評価でも十分通用する効果が認められています。

投与時の注意・・・

・甘草を含むので、偽アルドステロン症、ミオパシーの発現に注意する。
カンゾウ含有製剤、グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤との併用注意。
・肝機能障害、黄疸が現れることがあるので十分注意し、異常が認められた場合は投与を中止、適切な処置を行うこと。
・麻黄を含むため、胃腸虚弱者、高齢者、虚血性心疾患、排尿障害などの患者には慎重投与。

最後に・・・

かかりつけ医、かかりつけ薬剤師に相談の上、飲み合わせ等について必ず相談しましょう。この記事で、1人でも多くが、風邪に対するセルフメディケーションの助けになれば幸いです。

【参考・引用文献】




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