ネタバレが激しすぎるRPGについての感想考察その他

注 この本文はネタバレ大量、ゲームの内容は既知のものとして扱っています。まだなにも知らない人はブラウザバック推奨です。





 さて、わたしの感想で第一に言いたいことは、国王クロマーク、王妃フリーンの魔物姿がそれぞれ男性器、女性器を模してないか?ということだった(画像は載せない。各自確認してみてほしい)。クロマークについては、反りかえった顔の部分が茎の先端、足のようなものがごちゃごちゃついている部分が袋に見えてしまい、フリーンについては、本体の上の部分に女性の裸の上半身のようなものがついていて、本体についている口的な部分が大陰唇に見える、そういう(個人に捉えられた)視覚的特徴を根拠に、主張している。この話の裏ボスのフリーンが事件を起こす動機とも関わるので、あえて主張してみた。

フリーンは名前こそ不倫で、不倫していた形跡もあるけれど、根本にはより強いものの子をなしたいという願望があったように思う。魔王や国王というように職業的な名目を持つ男ではなく、“賢者の血”という、血、遺伝的なるものに起源を持つ強さ(「勇者」だけでは職業名にすぎない)を求め、それを本当にもっているかどうか確かめるためにハロルドに試練を与えた、と解釈できよう。すべての国民が彼女を愛し彼女もすべての国民を愛すという、配偶者探しのハーレムのような世界を空想し、そのような個人の欲望を愛と名付けるフリーンに対して、あくまで二人の主体が作っていくものを愛と名付けようとするマーシャが抗い、親殺しを成し遂げるというのがこの物語の一つの大テーマと言ってよいと思う。ただマーシャが体現しようとする愛も、人狼村で弱音を吐くハロルドとなした会話を見ると完璧ではないことに留意してよい。ハロルドが甘え、マーシャが与える、マーシャだけが能動的に振る舞っているからだ。その夜の明けた朝、子供の頃を思い出し花冠をつくっていたマーシャにハロルドがかけた言葉の一つが「よい母になりそう」だということも特筆に値する。よく言われる男がロリコンでありマザコンである問題である。しかしここを詳述するには筆者の思考が足りないので、読者に埋めてほしい。筆者は、ここは、ハロルドがマーシャに認められる場面でもあったことは書いておこうと思う。

さて、この物語の中心には女性がいるという話のついでに、ユ・ウーシャの母と勇者ハロルドの母について整理してみる。
ユ・ウーシャの母は人狼村の村長の娘であり、息子の幼少期に父が出ていき(後魔王となる)、最期はオオカミに殺されたとある。
ハロルドの母(ハ・ロルドノママ)は出自不明で、息子の幼少期に父が出ていくのは共通だが、父は最期は絶望からスライムになった。彼女の最期は冒頭から、「最近」病気になって死んだらしい。ハロルドの父は、強くなるつもりで家を出ていき、失敗して帰ってきたとき、家にハロルドもハロルドのハロルドの母もいないのを見て絶望した、すなわちスライムかは過去の最近の出来事との推測も立つが、あくまで筆者の推測にすぎない。
二人の母を比較すると、この物語は、隠れてはいるが、父なしで子を育てた女たちの物語でもあったことがわかる。さらに、捨て子だったマーシャを拾って、密かに育てたフリーンもそこに含めることができるのである。

最後に断片的になるが、私が気になったものを書く。それは伝説や噂の出所である。ひとつはもちろん賢者の血伝説であるが、もうひとつは「黒いマークが人を支配する」という噂を口にするものが、人狼村にあったことである。
賢者の血伝説はおそらくハロルドの母の実話から広がっていった噂であろう。そして、二歳のハロルドがオオカミに襲われた、という情報が、人狼村を示唆する。しかし、ハロルド本人が自分のことと知らぬままに知っていたことを考えると、かなり広がっている伝説だったのだろう。ハロルドの母はそれをハロルドに教えたかどうか、だれがどこからこの噂を聞き知ったのだろう。
もうひとつの黒いマークの噂の方が不明点が多い。おそらくキスをして発動する魔法と、その実例の噂になって広がっていたのだろうと思う。人狼村には異性に貢いでいると語る男女がいた。さらに、男性から貢がれて生活しているらしい女がいて、さらにその女はハロルドにキスをしようとしていた。黒マークの魔法は人狼村由来である可能性が想像できるが、想像にすぎない。もしかしかたら、黒マークの魔法は、人狼村出身の魔王がもともと知っていて、不倫の際にフリーンにそれを伝えたのかもしれない。

とりあえずはここまで。いろいろ考えさせる?本当によいゲームだと思った。

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