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Web Designing 今月号の特集の話

Web Designing 最新号が先週17日に発売になりました。今回私が担当したのは、制作者の方に向けたパート「Point of View - Web制作者の視点」(P97〜)パートです。中身はぜひお読みいただくとして、ここではちょっと企画の裏話を。

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Webディレクターと編集の仕事

パート前編はディレクターの仕事にスポットを当てた「Webディレクターのコミュニケーション力とは?」です。

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昨年から、ある媒体でWebディレクターのスキルやハウツーに関する読み物を執筆させていただいています。おかげで、Webディレクターという仕事についていろいろ知ることができました。

その中で感じたのは、Webディレクターの仕事は私が日頃やっている「編集」の仕事と似た部分がある、ということです。

例えば、
・媒体や特集の内容に合わせてコンテンツを企画する
・素材の手配、制作依頼、成果物のチェック、校正の出し入れをする
・スケジュールとクオリティに責任を持つ
といったところです。(もちろん違いもありますけど)(編集者はもっとプロジェクト管理しよう…)

というわけで、Webディレクターって仕事にちょっと関心が高まっていたんです。

そんな時に出会ったのが、Webディレクター 名村晋治さんが配信するPodcast『Webディレクションやってますラジオ』です。

名村さんは、インターネット黎明期の1996年からWebディレクターとして仕事を始め、現在は制作会社の代表取締役を務める方。元声優・俳優というキャリアをお持ちなだけあって、滑舌良く話も上手く、最初はラジオ局の配信かと思ったほどでした。頼れる先輩っぽい語り口に、豊富な経験や知見を惜しげなく乗せてシェアしてくれるので、安心感がすごいんです。

何度か番組を聞くうちに「なるほどなぁ」と思うことがどんどん増え、Webディレクターに関する特集をやる時にはぜひお話を伺いたいと思っていたのです。

そんなわけで、今回念願かなって取材をさせていただくことができました。ページ数が限られる中、必死でエッセンスを汲み取りました(汗だく)。

ただ、やはり取材時にお話を聞いた際のトークのテンポ感、話していて楽しいと思わせる雰囲気を誌面で表現するのは難しいですね。取材を通して感じられた、相手に対する配慮とか、ご自身や仕事に対する厳しさもそうです。ぜひ、誌面と併せて名村さんのブログやセミナーなどでお話を聞いてみていただきたいと思います。

フォロワーシップを学びたい

特集後半は、ディレクターとは逆にプロジェクトに参加するメンバーに向けた「参加者目線で考えるクリエイターのための良い会議のつくり方」です。

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今回、本誌のメイン特集が「ファシリテーション」だったのですが、ファシリテーターではなくチームメンバー側にもやるべきことがあるんじゃないかと考えて企画しました。

特集に向けてファシリテーションに関する本を何冊か読む中で、もっとも納得できて、企画の内容に非常に近いと感じたのが、産業能率大学総合研究所の講師の方々による共著「テクニックに走らないファシリテーション」でした。

自分の経験ですが、以前あるプロジェクトに参加した際、なんとなく会議がうまく回らないというか… 話し合いが空中戦、言い出しっぺにタスクが回るから言わない、みたいな雰囲気の生まれた時期がありまして。リーダーも困っていたと思いますが、メンバーとしてもなんとかフォローすべきだった、と後悔していました。

この本はそこにぶっ刺さってきました。

自分はファシリテーターじゃないけれど、これがわかっていたらメンバーとしてあの時何かできたんじゃないか。それをどうにか記事にしたいと考えたのです。

取材の依頼をしたところ、ありがたいことに共著者3名の方にご対応いただけることになりました。みなさま、企業向けの研修やセミナーでファシリテーションを教えるプロの方々ばかり。こんなに豪華な取材でいいのかと恐縮しきりでございました…。

そして、さすがプロだけあって取材前の準備・情報共有がぬかりありません。事前にお届けした想定質問に、回答概要を皆さんですり合わせてお戻しいただき、さらに質問の意図が曖昧なら論点を明確にし、再びすり合わせて… というところまで、取材前に準備してくださいました。

おかげで、取材中に聞くお話が本当に無駄なく的確で、深い話し合いができ、充実した時間になりました。インタビュイーが複数いる取材では話が散らかってしまうことも少なくないのですが、今回は最初から最後まで聞きどころばかり。加えて、取材の時間をとても明るく楽しい話し合いに演出していただいたと感じました。こちらの問いかけに前向きに、真摯にお答えいただき、一緒に記事をつくっていただいているのだと思えて、非常に心強かったです。


前編・後編で方向性は異なるものの、本質的に「ものをつくるためのコミュニケーション」という意味で近いものがあることを感じました。Web制作に携わる方々に、ぜひお読みいただければ幸いです。

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