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PERM 3.0 |pH移行とは!?

パーマ時代の幕開け

PERM 1.0|アルカリ時代

パーマの文化はアルカリから始まりました。アルカリの土壌を利用して木の枝に巻きつけるパーマから進化してネッスラーが開発したパーマネントウェーブは電髪パーマ、加温式パーマ、コールドパーマへと約150年で激しく進化してきました。

PERM 2.0|酸性時代

昭和電工のスピエラの発表は驚愕をもたらしました。弱酸性でシスよりもカール形成が可能でタンパク質の流出が一番少ないカーリング剤が誕生!現在ではGMTと合わせて酸性領域でもパーマが可能ということが理美容業界では当たり前の世の中になりました。

PERM 3.0|pH移行の時代

薬機法では使用用途以外の方法で薬剤の使用を禁止しています。例えば製造行為が禁止されているのも薬機法です。現場の髪に合わせたpHを使用したいが故に薬機法を犯す、そんなリスクを犯さないためにもpH移行がこれからのパーマです。パーマの原理を利用した髪質改善には必須の技術方法となります。

行政指導の対象となる薬機法とは

薬機法とは

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律は、日本における医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品に関する運用などを定めた法律である。

ウィキペディア

理美容業界ではお客様の安全を守るためにあるというところでしょうか。例えばカラー剤を混ぜるということは同じメーカーであれば使用方法の記載があり正しい用途として使えます。その結果何か不具合があった際はそのメーカーが責任を取るのですが、他メーカーの物を混合使用した場合どちらのメーカーも責任を取ることはしません。混ぜた人の責任です。使用用途以外での使用、特に混ぜて製造行為をした場合は製造許可を取得していないので薬機法違反になってしまいます。

製造行為とは

理美容室では化粧品または医薬部外品の製造許可を取る事ができません。だから自分で考えた配合で使用することは薬機法違反になります。メーカーの定めた薬剤の使用方法で施術しなければなりません。
メーカーの定めた使用方法以外での使用は薬剤の製造行為にあたり、薬機法違反となります。

薬機法を遵守した施術方法とは

薬剤の使用に関してはメーカーの定めた使用方法を遵守しなければなりません。
それ以外のオリジナル方法(製造行為など)は理美容師の業務の範囲外になるので業務の範囲内でpHをコントロールする方法を身につけることが必要です。
それを解決できる方法がpH移行を利用した施術方法【PERM 3.0】です。

PERM 3.0|pH移行施術とは

pH移行施術とは2段階に分けて薬剤を毛髪に塗布することによりpHを酸性からアルカリ性またはアルカリ性から酸性、もしくは中性に変えることで薬剤の反応を制御する施術方法です。

pHは液体の測定しかできない

毛髪のpHの話が話題に上がった時に毛髪内部のpHの話をする事がありますが、正確な話はまず不可能です。なぜならpHの測定は液体でしか出来ないからです。
毛髪は液体ではない、つまり毛髪の表面にあるpHの測定しかできません。
毛髪の表面にある液体のpHから毛髪の状態を考えて最善策を考える事が、サロンに従事する職人にしか出来ない唯一無二のスキルです。

アルカリ性から酸性へのpH移行

先にアルカリ性の薬剤を使用した場合

・アルカリ性の薬剤を塗布
 毛髪外部:アルカリ性
 毛髪内部:アルカリ性

・重ねて酸性の薬剤を塗布
 毛髪外部:アルカリ性→中性
 毛髪内部:アルカリ性

・酸性の薬剤塗布後、時間が経った場合
 毛髪外部:中性
 毛髪内部:アルカリ性→微アルカリ性

となるように考察できます。
ダメージはあるがキューティクルがしっかりしている状態の時に使用しやすい方法と考えられます。

酸性からアルカリ性へのpH移行

先に酸性の薬剤を使用した場合

・酸性の薬剤を塗布
 毛髪外部:酸性
 毛髪内部:酸性

・重ねてアルカリ性の薬剤を塗布
 毛髪外部:酸性→中性
 毛髪内部:酸性

・アルカリ性の薬剤塗布後、時間が経った場合
 毛髪外部:中性
 毛髪内部:酸性→弱酸性

となるように考察できます。
ダメージが激しくキューティクルが損傷している状態の時に使用しやすい方法と考えれます。

このようにpH移行を利用した施術方法は混ぜてから毛髪に塗布する製造行為とは違い、お客様の髪に重ねて付けることで混ぜる方法なので薬機法違反になりません。

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