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月組千秋楽を観劇したら、愛が深まった話

2021年1月3日

WELCOME TO TAKARAZUKA/ピガール狂騒曲

千秋楽、観劇してきました。

初日ぶりの2階、いつぶりかわからない立ち見での観劇。
今は立ち見の手すりに触れることが禁止なので、正直3時間きちんと立っていられるか不安でした…
位置についてみると、身長が低い(145cm)こともありなかなかに見えない!!
しかし、2階16列の方の頭の間から覗いて(銀橋をみるときは背伸びをしましたが)、意外と快適にみることができました。

2階席から観るレビューの美しさ

今回、数回を除き全て1階席で観劇をしていました。

そのため、プロローグなどの全員が揃っている華やかさや雪の巻の立体感、月の巻の一糸乱れぬ緊張感を感じながらも、"全体をみる"ということはどうしてもできず…

最後列で観劇した千秋楽は、本当の意味で"全体を"みられたように思います。

特に印象深かった2つの場面だけ、長々と綴ってみます。

雪の巻

2階席から観ると、背景の鳥居と写されている雪がより立体的にみえるなあと感じました。

2日のBS放送で真琴さんが仰っていたように、みえこ先生は本当に重さを一切感じさせない動き。羽のように軽いのではないかと思わされました。3人の男役たちは、全く同じお衣裳で"すれ違うだけ"にもかかわらず、あの纏っている独特の空気感は何なのでしょう。大変奥が深い場面だなと感じました。

千海さん、他の場面でみると本当に柔らかくてまろやかで優しい印象を受けるのに、雪の巻では別人?と思うほど体温のなさを感じます。

月の巻

個が究極まで滅していて、全体で一つの生き物のような揃い具合と緊張感。扇子の音やすり足の音まで揃っていて、ぞわりとするほどです。珠城さんがセリ上がってきた時の、「絶対者」ぶりと言ったら…!!誰よりも静かなのに、誰よりも圧倒的という雰囲気を感じました。

テーマ曲がやっぱりいい

今回のレビュー、場面構成もわかりやすく、誰もが知っているクラシックを使用していていつもの日本物と比べても、かなり親しみやすく一見でもわかりやすかったのではないかと思います。

しかし、やはり特筆すべきは、「Welcome! Welcome!」と歌われるテーマ曲ではないでしょうか。

劇場に迎え入れられる感じ、宝塚に来たことを歓迎される感じ、

そして、新年の幕開けにもふさわしい公演だなと三が日の観劇で感じました。

自由で、ハッピーなお芝居

お芝居は、本当に毎回毎回とにかく楽しかったですね…!!

千秋楽に近づくにつれて自由度がより増していき、個の魅力が際立ったように思います。

先日のCafeふぉるだで凪七さんが「その人になりきる。そうすればどう演技すればいいかは考えなくても自然と演じられる。」とお話しされていました。

それを正しくこの舞台で感じたというか、

すごく自由で、アドリブもめちゃくちゃするのに、絶対にその役からはみ出ることはないんです。

ああ、この言葉、きっと自然に出てきたんだろうなと思わされる。事前にプランしていなくて、本当にその場で演じてたらぱっと出てきた言葉なのかもしれない、そう思うことがたくさんありました。

どんなに一瞬の役でも、骨の髄まで役が染み渡っている。

珠城さんは、公演を重ねるたびに、自由にのびのびと舞台に立たれるようになったなと思います(誰目線…って感じですが 笑)

今回演じられたジャンヌヴィクトール

どちらのお役も力が抜けて本当に楽しそうに演じられているなと思っていました。

ジャックでいよう、としているジャンヌはとっても可愛らしくもありカッコよくもあり……。でも途中から、すごく乙女で、「女子じゃん!可愛いじゃん!!そりゃシャルルおじさんも好きになっちゃうよ!!!」と思っていました。

さくらちゃんのこんな役がみたかった!!!

強くて賢くて、チャーミングな役を演じたら右に出るものはいないのではないかというくらい、さくらちゃんの演じるガブリエルが大好きでした。お衣裳から、言葉遣い、立ち居振る舞いまで、私の思う「こんな美園さくらがみたい」が詰まっていました。

I AM FROM AUSTRIAのエマ・カーターに続き、

とても楽しそうに演じられていて、ハマり役だったのでは?と思います。

自ら道を切り拓いていく女性像」がぴったりでした。

れいこさん、年末番組であまりにも「おじさん」と仰るので、この画像の名前「おじさん」で保存してました(なぜ)

お芝居がすごく上手な方だなとはずっと思っていましたが、こんなにも役にっよって変わるのかと毎度驚かされます。

確かにちゃんとおじさんで、踊り子やダンサー、仲間思いの支配人で、あの日夢見た少年なんですよね……

夢見たあの日を語る姿や、「♪夢のかけら」を歌い上げる姿の向こうには、

幼き頃の目を輝かせるシャルルがみえるようでした。

勝手に、ビラ配りの蘭尚樹くんを重ねているので、

夢を見て、目をキラキラさせながら、必死で働いている姿が目に浮かびました。

ラストの場面で、マルセルがジャンヌを追って来た時に、ジャンヌの腰に手を添えてるのがたまらんですね。あそこのジャンヌの寄り添い力もたまらんし、たまれいこにこんなに萌える日が来るとは…!って感じですよもう!!!

一生書けるので、この辺で自重しますが、

全力懇願 with上級生、92期 in墓地(勝手に命名)は毎回爆笑必至でしたし、ピガールの街並みをつくる全員に物語があって、改めて月組のお芝居が大好きだなと思わされました。

「私たちと一緒に夢を見ませんか?」

昨日、何よりも幸せを感じたのは、全てが終了した後のご挨拶でした。

何度も「幸せ」と、「組のみんなが大好き」と仰る珠城さんのお姿が本当に幸せいっぱいで。

私が宝塚を観劇し始めたのは、ちょうど珠城さんがトップに就任された頃からでした。

珠城さんのご挨拶は、いつも安定感があって、ミスをしない安心感と、「トップとしてちゃんと振る舞おう」という緊張感が少し感じられて、自分個人の感情よりも、トップという立場として振る舞っているような印象も受けていました。

そんな印象がここ数作でどんどん変わっていって、

全身から満ち溢れる幸せさと、今、心から出てきた言葉が聞けるようになったなと感じています。

「私たちと一緒に夢を見ませんか?」と仰る姿に、

自らの夢を叶えて、夢を届けながら、ずっと夢を見続けているタカラジェンヌの美しさと愛を深く感じ、"ああ、これだから宝塚が大好きなんだ"と強く思わされました。

宝塚の世界って、すごく厳しい場面もたくさんあるんでしょうけど、それ以上に本当に愛に満ちていて、綺麗事が綺麗事ではなく、どこまでも真実の世界ですよね。

そんな世界が私は大好きだと、昨日の千秋楽で改めて思い出させてもらいました。

そして、久々の立ち見観劇は、昔の感覚を思い出したというか。高校生の頃、どうしても観劇がしたくて始発で電車に乗って行って、劇場に入った時のあのキラキラした気持ちを思い出すことができました。

日々の忙しさや不安に「なんでこんなに通ってるんだっけ?」と思ってしまったこともありましたが、あのキラキラした新鮮な気持ちを思い出して、「だから何度でも夢を見たくなってしまうのか」と思い出し、帰宅後ちょっと泣きました(笑)

現在の体制も集大成に入り、とっても寂しいですが、

変わらず月組を見守り続けたいなと思った1日でした。

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