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グレート・リセット クラウス・シュワブ/ティエリ・マルレ|経営ノート

スッキリするが好きでも嫌いでもない


希望のない恐怖はないし、恐怖のない希望もない(スピノザ)

今回のパンデミックは技術革新を今まで以上に加速し、すでに進行しているテクノロジーの変化を促し(国内外の問題にテクノロジーが悪影響を与えてきたのと同じことだ)、すべてのデジタル事業、あるいはあらゆる事業のデジタル分野を「ターボで加速する」

「グレート・リセット」クラウス・シュワブ/ティエリ・マルレ

2020年に読んだ本の中で、最も影響を受けた一冊である。初版(英語版)が発行されたのが、2020年7月。翻訳版の第1版1刷が、2020年10月。そして私が読んだのが、2020年12月。

この本を読んで2020年の私の心に残ったことは、次の3つ。

  1. このパンデミック(COVID-19の世界的流行)の影響は2022年まで続く

  2. 元には戻らず、「新しい日常(ニューノーマル)」が形作られる

  3. デジタル分野が「ターボで加速する」

さて、実際のところどうなっているのか?5年後の2025年に振り返ってみると、面白いかもしれない。たぶん、大きくズレていないであろう。

個人的には、変化は突然起こりづらいと考えている。徐々に徐々に変わっていく「兆候」があって、振り返ってみると大きく変わっていた。それが変化だと考える。ティッピング・ポイント的な「点」はもちろん存在するが、それにも必ず「兆候」があって臨界点がくる。

2022年3月時点の今日、上記の心に残った3つのことは「本当にそうなっているのか?」の実感が正直ない。むしろ生き延びることに精一杯なので、変わっているかどうかを肌で感じるのは難しい。でも、確実に変わっていっているに違いない。

自宅隔離の最大の影響は、デジタル世界がまっしぐらに拡大、進歩し、元には戻らないことだろう。

「グレート・リセット」クラウス・シュワブ/ティエリ・マルレ


個人的な心境の変化

そんな生き延びることに必死な中で、私の中で心境の変化があった。今までのように経済成長に「固執」することが果たして社会にとって、そして何より自分にとって有益なのか?という問いに対する答えが変わった。

今まではどちらかというと「Yes(経済成長に固執することは有益)」であったが、今はどちらかというと「No」だ。メガトレンドを考慮して、自分なりの未来を描いてみると、 "経済の低成長時代はほぼ確実にやってくる" と思う。早ければ30年後、遅くとも100年後には "経済の低成長時代" に入るであろう。

そのような未来予想を悲観はしていない。むしろ、であればどのように機敏かつ柔軟に対応するのかを考えることは前向きだ。そのような "経済の低成長時代" において、経済成長に「固執」することは有益ではない。無意味ではないが、大きな意味はもたない。

経済成長に代わる「何か」が有益になるのだろうが、今はその「何か」が何かはわからない。わからないけど、徐々に変わっていくことはわかる。そして、自分の時間を生きることが今よりももっと重要になってくる。これは、とてもグレートなリセットだと考える。

個人が自分の時間を生きることを重視するのは、大げさに言えば「労働者の復権」である。労働者から搾取する社会から、労働者に分配する社会へ。そして、労働者も受け身ではなく尊厳を取り戻すためにアクティブに動くことで、自分の時間を生きる。人材の流動性の高まりは、まさにこうした変化のあらわれだと思う。

そんな時代がくると考えて、私の心境が変化し、行動が変わった。2022年、転職決定!

あまりに長い間、経済の上に乗った株式市場は、他のステークホルダー、とくに労働者を犠牲にして成長してきた。全体として富は増えたとはいえ、富を生み出した立役者である労働者の大部分に対しては不公平な歪んだやり方だった。(レオ・ストラインのエッセイより)

「グレート・リセット」クラウス・シュワブ/ティエリ・マルレ


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