Xデザイン学校大阪分校2019ベーシックコース #02 オブザベーション

Xデザイン学校第2回目のレポートです。
今回はオブザベーション(観察)がテーマで、チームに分かれユーザー調査を実施します。調査といっても、スーパーやコンビニなどによくある某メーカーのフルーツミックスゼリーを食べる様子をメンバー同士で観察するというものでした。その後、新しいゼリーのパッケージや食べ方を検討します。

観察の中での「問い」

このゼリー、実際自分もよく食べていて、記事を書いている今も、冷蔵庫にいくつか入っています。そのためか、ゼリーを食べる光景は自分にとっても当たり前すぎて、なかなか特徴やポイントに気づくことができず結構焦りました。

なぜそうするのだろう?という「問い」が大切とのこと。
「問い」を立てることで気づきの焦点が狭まります。
当たり前にとらわれずに、ユーザーの行動を批判的に見る事。(クリティカル・シンキング)新鮮な視点を持つ事の難しさを感じました。

今回はゼリーを食べる部分だけ観察しましたが、ユーザーの生活シーンで調査をすると、また違う気づきや難しさがありそうです。

チームで気付いた点を共有した際、一人ひとりの見ているポイントが違い、そういう見方もあるんだと、少し新鮮な発見がありました。

課題と魅力

観察の後は、気付いた点や課題を整理していきました。

・開けたフタで机が汚れたり、ゴミとして邪魔になる。
・スプーンが小さくて使いづらい。
・果物とゼリーを一緒に上手く食べられない。

しかし浅野先生から指摘を受けて、ポイントを変更します。

僕らは一生懸命ゼリーの課題を探し回っていましたが、そもそもゼリーを食べるのはうれしいことです。ユーザーも特に問題を意識しているわけではなく、何か困りごとを求め、課題を作り出そうとしていたのは僕らでした。

課題も重要ですが、その商品やサービスの魅力は何か?
なぜゼリーを食べるのか?ゼリーを食べると何がうれしいの?
そういうことが大切でした。

そうした要素を切り出して上手く概念化できると、新しいサービスの仮説につながるそうです。そこに広いインサイトや本質的な価値があるとのこと。

その解決は行動を変えるか?

結果的に僕らのチームでは、一口サイズのパッケージを提案しました。ユーザーの感じていた、果実を選んで食べる満足感や、ゼリーののどごしの良さに焦点を当て、純粋に食べる事を楽しめるゼリーが良いのではと考えました。

最後の講評の中では、例えばシリアルと組み合わせた食べ方を上げていただき、自分が商品だけにとらわれ、サービスとしての視点が欠けていた事に気づきました。

商品の改良に留まらず、別の要素と組み合わせたり、新しい食べ方や利用シーンを作れたほうが可能性が広がります。技術革新によって全く新しい商品が出る事もありますが、既存サービスの組み替えによって生まれる新たな価値やサービスもあります。

解決方法はユーザーの行動を変えるか?新しいサービスとして成り立つか?
そうした視点が大切という指摘がありました。

より広い企業の話として、キッコーマンの事例が紹介され、現在は醤油ではなく、海外の日本食レストランやスーパーなどへの米や味噌など日本食材の卸売りで利益を出しているという話がありました。海外への卸売りは、50年前、醤油を外国に普及させる為に始まったそうですが、こうした事例からも、既存の商品にとらわれず、リソースや強みを生かした様々な可能性について、柔軟に探っていく事が大切だと学びました。

今回も非常にボリュームのある内容で、観察から分析、問題発見までなかなか難しい授業でした。ついて行くのがやっとでしたが、まず現状を知らないとはじまらないという事は実感しました。また次回頑張って学んでいきたいと思います。

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