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「夜に駆ける」

YOASOBIの「夜に駆ける」にハマっています。

THE FIRST TAKEのミドルテンポの方を繰り返し聴いていたのですが、オリジナルも聴かないとな、ということでミュージック・ビデオをチェック。独特の世界観に、今更ながら、かなりの衝撃です。

原作の小説「タナトスの誘惑」を題材にした音楽・映像ということで、原作の解釈を含めて、このミュージック・ビデオをどう解釈するか?という記事やコメントがたくさんあるんですね。知恵袋に「解釈がわからないので教えてください」という質問もありました。

・・うーん、なんだか、最初のボタンから掛け違えているような印象です。

以下、私なりの解釈というか妄想を書きます。


同じクリエイターが多角的な媒体で展開するメディア・ミックスとは異なり、短編小説の著者と、音楽・映像を創り出したYOASOBIは、別の人達です。

小説を題材にしつつ、音楽・映像にする上で、創り手の解釈が加わります。ASOBI心があるなら、大幅な解釈が加わっている可能性も。

つまり、小説の解釈と、映像の解釈は切り分けて捉えるものなのかな?・・・と思いました。


ミュージック・ビデオを何度も見て思ったのは、これは小説とは異なり、恋愛ドラマでも死に向かうドラマでもないよな、ということ。

目元を隠している、高いところから落ちていく、数字がたくさん流れる。なんだか、映画のマトリックスのよう。

見えなかった彼女の視界が、彼女と同じ言葉を発した時に、さーっと広がり、それまでの前提が覆る。
「夜に駆ける」2人がダイブするのは、終わりではなく、始まり。マトリックスでも序盤のシーンですよね。

ここから始まる。デビューに相応しい曲ですね。



何日か前にコメントした「絵本」ではありませんが、長く愛される作品は、一意の解釈を固定するものではなく、様々な解釈を持たせられる、違和感や含みのあるもの、だと思います。

映像だけでなく楽曲としても、王道パターンのコード進行から生まれるメロディラインなのに、半音下がる1回目のトリッキーな転調が違和感を生み、2回目の転調でそれを解消する。面白いです。

長く愛されるアーティストになると良いですね。


(追記)
クラスターのリスクが下がっても、この曲はカラオケで歌えないですね。ワクチン打っても歌は上手くならないので(笑)


[2021.03.27投稿]いいね:45


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