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露伴先生Ⅱ

昨日の続きです。

ネットでは言葉は拡散し、増殖し、変質していく。第2話「くしゃがら」は、その言葉の意味を巡るストーリーとなっていますが、ドラマ版は原作とは少し異なり、ネットに溢れる情報に対し、ぐさっと風刺するセリフや場面が印象的でした。

岸辺露伴はネットの情報に対し「デマと真実が大量に、しかも無表情に並んでいる」と批判的に表現。それに比べ、本は「情報がリアルな五感で感じられる」と、情報源としての本を高く評価しています。

岸辺露伴の能力"ヘブンズ・ドアー"は、相手の記憶を本にする能力。この本の中身は、その人の生い立ちから現在までの"できごと"を時系列でまとめたもの。つまり、その人の"歴史"です。

今起きたことだけに目を向けるのではなく、時系列に過去から現在までの"できごと"を眺めることから、今起きていることの理由や根拠、背景を理解する。そして、露伴が一言付け加えることで、その後の人生に"変化"が起こる。なんだか、システム思考のティッピング・ポイント(てこの支点)のよう。

もちろん、本に書かれた"できごと"をただ読むのではなく、そのできごとに至る行動や、行動の前提となる価値観や思考の癖を本から読み取っているから"リアルな五感で感じられる"という評価に繋がるんですよね。

日々溢れ返る情報をどのように眺め、現実(リアル)を捉えていくか。ネットは便利だか、万能ではない。ネットに依存しすぎる社会が、様々な弊害を生み出し、火種から火事へと発展させるリスクがあることを、認識しておかないといけませんね。


[2021.08.18投稿]いいね:44


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