【ライブレポート】クラポライブ、新宿編(上)

1.はじめに


 4月23日、クラポのライブ「TIARA POP PARTY Season1」に参戦しました。2月5日の「最初で最初の東名阪ツアー2023」東京公演に続き、2度目の参戦になります。クラポを知ったきっかけとライブに参戦したいきさつについては、前回の記事をご覧ください。

 「TIARA POP PARTY Season1」はクラポTPP(どこかで聞いたような……)とも呼ばれています。メンバーのビジュアル一新、女性限定無料チケットの販売(配布?)、そしてMIXの禁止という、大々的なリニューアルが施されたライブになります。1月、クラポは横浜アリーナでのワンマンライブ開催を目標としたことをユーチューブに投稿した動画で表明しています。目標達成への意気込みが感じられるライブ、というのが参戦前の印象です。

 この記事ではそんなクラポTPPについて書きます。

 長いので、前後編に分けます。

2.螺旋階段


 当日の夕方、開場まであと数分しか残されていないタイミングで会場、新宿ReNYの入口にたどり着きました。時間には余裕があったはずでしたが、新宿の街路を迷走していたら開場が迫っていました。幸い、会場は近づいたら分かりました。ポッパーが集まっていたからです。ようやく一息つくことができました。当日は10日間連続勤務の最終日であり、当直明けでした。頭も体も疲れきっていました。コンビニのドリップコーヒーが欲しいところでしたが、諦めました。
 しばらくすると、ざわめきにまぎれて係員の声が聞こえてきました。どうやら、入場が始まっていたようです。しかし、よく聞こえなかったので、人垣の間をぬって入口に近づきました。係員はチケット番号94番を呼び出していました。私は90番でした。早足で係員に近づき、申告しました。危ないところでした。

 入口からは螺旋階段がのびていました。その一番下が入場待ちの列の最後尾です。入場が進むたびに階段を昇りました。前回と違って受付が見えないためか、列の進みは遅く感じられました。しばらく昇ってから上下を見ると、螺旋階段にそって列が続いている様子がよく分かりました。興味を引かれる光景でした。時おり、呼び出しに遅れた観客が階段を急いで昇っていきました。チケット番号を尋ねて並ぶ位置を探すのは大変そうでした。
 階段を昇りきった先は渡り廊下でした。その時まで気がつかなかったのですが、入口と階段がある建物と会場がある建物は別でした。
――ユニークなのは発注した建主なのか、設計した建築家なのか
 渡り廊下の窓ガラス越しに街並みを眺めながら、そんなことを考えました。

 受付が近づきました。係員にスマートフォンの画面を示し、ジャンプを禁止する旨が書かれたカード(会場から)と特典券とドリンクチケット(600円。買わないと入場できない)を受け取りました。受付の近くには先行物販(開場前に行われるグッズ販売)が行なわれていたらしいテーブルが置いてありました。
 本来、特典券を手に入れるためには物販で生写真を買う必要があります。クラポTPPではその特典券を参戦者全員に無料で配布していました。しかも、通常のものとはデザインが異なり、特典会で使用した際は希望のメンバーがサインした上で返却されます。なかなかの大盤振る舞いです。
――参戦者全員に特典券を配布?
 前回目の当たりにした、特典会の列を思い出しました。終演後何が起こるか、想像できました。

 ドリンクチケットをいろはすと交換し、会場に入りました。

3.開演まで


 会場は前側と後ろ側に、柵と段差で分けられていました。前側の奥に女性専用エリアが設けられ、柵で区画されていました。
 前側は既に大半が埋まっていました。最前列から段差まで水平だったので、前側にいてはかえって見えにくいと思われました。そこで、後ろ側に行きました。後ろ側の中央は、記録に使うと思われる機械が置かれていたため、狭くなっていました。正面から見ることは諦め、左側(入口側)に荷物を下ろしました。段差からは2列目なので、ステージがよく見えました。

 ペンライトに電池を入れると、することがなくなりました。その上、機材トラブルのために開演は遅れていました。
 何となく周囲を観察していると、右方(中央よりは左)に本格的な見た目のカメラを持った観客を見つけました。明らかにカメラより大きいレンズが装着されていました。
――あれは、野鳥を離れた場所から撮る時に使うレンズでは
 見るからに重そうでした。どこかにあるという撮影可能タイムのために持参したのです。この日をどれだけ楽しみにしていたのでしょうか。良い写真が撮れることを祈りました。

 暇を潰している間に、問題は解決したようでした。
 開演に先立ち、注意事項がアナウンスされました。大部分は一般的なものでしたが、その中にMIXの禁止がありました。妨げになる、という理由からです。
 MIX。定義は難しいですが、長いコールの一種です。声に出すことを『打つ』と言います。ももクロやエビ中ではほぼ廃れています。ただし、ももクロでは『怪盗少女』(あぁぁ、よっしゃももクロォォ……)等で、エビ中では『ちちんぷい』(ダンソン、フィーザキー……)等で残っており、完全には廃れていません。
 感染症が拡がる前、クラポの現場では大々的にMIXが打たれていたようです。ユーチューブの公式チャンネルが上げた『夏キラリ☆』のコールを説明する動画で、MIXについても説明されていましたが、いつの間にか視聴できなくなっていました。おそらく、MIX禁止を見越した措置です。
 私はクラポのコールをよく知らないため、MIXを打つつもりは元々ありませんでした。しかしながら、MIX禁止を快く思わないポッパーは存在したらしく、運営もそのことを把握していたようです。私にとっては他所の現場での出来事なので、特に思うところはありません(ラディカルだな、とは思った)。もっとも、でんぱ組やAKBの現場(どちらも長い歴史の中でMIXが根付いている)で同様のアナウンスがされた、と耳にしたら「運営……無茶しやがって……」などと呟きながら空を仰ぐ可能性が高いです。

 入場曲が鳴り響きました。クラポTPPのために新調されたものでした。当然、聴いたことがありませんでした。
――やはり、何かが違う
 期待が高まりました。


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