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DEEP IN MODULAR #モジュラーシンセ 備忘録① 自作ユーロラックケースについて

今年の9月頃からモジュラーシンセに手を染め始めました。以前から気になってはいたものの、何となく見て見ぬふりをし続けていたんですが、メルカリでお安い(?)3点セットみたいなのを発見しちゃったのがきっかけで盛大にのめり込むハメになってしまいました。

私はそもそも20数年前からアナログ/デジタルシンセやらリズムマシン等々触っていたし、最近もAbleton LIVEを使ってエレクトロニックミュージックなんかを製作しておりまして、大した知識があるわけじゃないですが、所謂ズブの素人ってわけじゃないです。アナログシンセをそれなりに触ったことのある人なら、各モジュールのパネルに書いてある表示とか販売店の機能説明とかを見ればなんとなくこういう働きだろうってくらいは分かると思います。自分もそう思ってたんですが、これがなかなか一筋縄ではいかない、いかなかったわけです。しかたない、あれこれググって情報収集だー!ってやってみたんですが、これまた情報が少ないのなんのって。特に日本語情報はほんと少ない。

なので分からないなりにあちこちで収集した情報をここに備忘録として整理して残しておこうって感じです。あやふやな英語力で適当に集めた情報で「ちゃんと付けばOK」「音鳴ればOK」くらいの雑な判断でやってきたので、間違いも多いかもしれません。その辺はご指摘頂けたりしたらありがたい限りです。

まずは入れ物~ユーロラック規格~

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とりあえずユーロラックモジュラーシンセっていうと、そう、この感じ。思い返してみれば、たしかに90年代後半ころにFive Gさんなんかに行くとカタログとか渡されちゃって、「またそそる新製品出てきたナー…」とか思ってました。ドイツのDoepfer(ドイプファー)というメーカー。現在世の中で「モジュラーシンセ」って言われてるもののほとんど(いにしえの違う規格もあるんです)は、このDoepfer社が提唱したユーロラックっていう規格で、パネルサイズと電源、コネクタの仕様を共通化したものです。具体的には、パネルサイズは縦方向が19インチラック規格でいうところの「3U」サイズで128.5mm。横方向は「HP(Horizontal Pitch)」という単位で、1HP=1/5インチなので約5.08mm。電源は±12Vおよび+5Vで、入出力は3.5mmのミニプラグ/ジャックでやりましょうというのがこのユーロラックという規格です。

買えばちょー楽

というわけで、ケースの話です。冒頭で書いた通り、まずノリで買ってしまったお得3点セット(今となっては本当にお得だったのか微妙…)っていうのが、電源ミキサーVCAの3つ。たった3つとはいえ同じ規格のモジュールがあると並べて設置したいというのが親心ってもんじゃないですか。ひとまず「ユーロラック モジュラー ケース」とかで検索。これは簡単にいろいろ出てきます。有名どころだと「ARTURIA RackBrute 6U」とか「Tiptop Audio Happy Ending Kit」あたりでしょうか。でもね、これがなかなかお高いのですよ。アマゾンなんかで見るとARTURIAが¥33,000、Tiptop Audioが¥23,000くらい。「そのくらい大した金額じゃないぜ!」という人は素直にこの辺買うのが吉です。電源ユニットも付いてるし。見た目もよろしい(これ大事)。

DIY楽しいですよ

しかし私の場合、2~3万出すなら中身に使いたいとか思っちゃうし、そもそもノリで電源ユニットを先に手に入れちゃってるってこともあって、ケースぐらい安く自作できちゃうんじゃない?って頭によぎってしまったわけです。あれこれ調べてみると日本のメーカーで入手しやすそうな物発見。タカチ電機工業の「フロントレール FFR-43W」と「バーナット BN43-M3」って商品。マルツさんでレールとナット各1本ずつ合わせて¥2,600弱。

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これを上下分、合わせて2セット買いまして、ひとまずモジュールを並べて設置しました(下写真)。一番右端のアルミ板はなんとなく一緒に買った同じくタカチ電機工業の「導通フロントパネル DFP133-10」っていう、2HPサイズのブランクパネルです。お気持ち程度の補強です。というわけで4HPのモジュール×3とブランクパネル2HPで合計14HP。これが私の組んだ記念すべき最初のユーロラックシステム(まだ音はならない)です。

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サイドパネル作っちゃう

さて、お気持ち程度の補強はしてあるとはいえ、ほぼモジュール自体で上下のレールを保持してる状態っていうのもあんまりなので、次はレールを固定する為のサイドパネルを作ることにしました。しかし、ここでぶち当たった問題が、モジュールのパネルサイズは「128.5mm×○○HP」ってのは分かったけど、取付け穴のピッチが分からんのです。取付穴ピッチが分からないとレールを設置する位置が分からないんですよ。手元にモジュール有るんだから実測すればいい話なんですが、適当な定規だとなんだか信用ならなかったのでまた検索。ありました。元祖Doepfer様のサイトに一覧表が。穴ピッチ=122.5mm。これさえ分かればレール取付用の穴のピッチも決められます。

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上の画像はタカチのレールの断面図。この中の2-Φ3.5にM4のタップを切りまして、サイドパネルに取り付けようって算段です。通常M4並目ねじの下穴径はΦ3.3ですが、そこそこ固定できれば良いので大した問題じゃありません。気にせず進めます。

そして乱暴に図面をこしらえまして(下画像)適当なアルミ板にΦ5の穴あけをしてタカチのレールを取り付ければ(バーナットは先に入れましょうね)完成です。とりあえず下図中、赤丸のレール取付穴の位置関係さえ間違えなければ板の素材や寸法は適当で良いんじゃないでしょうか※。ちなみに下図の側板寸法はレールとツライチになる寸法です。

※この図面の寸法はあくまでタカチ製のレール取付寸法です。ユーロラック用レールは、海外DIYサイトなどで何種類か見かけますが、それらはタカチ製のレールと取付寸法が異なると思います(ちゃんと調べてない)ので注意してください。

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というわけで長々書きましたが、これで84HP×2、168HPの手作りケース完成です。今回はアルミで側板だけ作りましたが、今度は木材で洒落た箱でも作ってケース作ろうかなと考えております。次回は中身(モジュール)の話ができればいいなぁと思っております。


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