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みんなが幸せなクラブとは?【地域クラブの幸せ経営01】

▼暴言暴力の元凶とは何か?

「全国大会出場経験もある静岡市の常葉大付属橘中学・高校の高校男子サッカー部で、部員らに体罰や暴言を加えたとして20歳代男性コーチが無期限の指導停止処分を受けていた」

先日こんなニュースが流れてきました。サッカーをはじめ、スポーツ全体で選手に対する暴言暴力がなくなりません。スポーツ界では、どうしてコーチの暴言暴力がなくならないのでしょうか?

「なぜ言ってることがわからない」
「言うとおりにすればうまくなる」
「練習は参加するのが当たり前」…etc

こういう考えを選手に押しつけた結果、不満が爆発し、暴言暴力に至ります。この背景には、コーチが経験則による指導に依存しすぎていることが挙げられます。言葉を聞けば、一目瞭然です。

練習の中で、選手がうまくプレーできないのは「成長過程に起こるポジティブな変化」です。つまり、トライしている証拠です。ただ、うまくできないことを「ずっと続けろ」というのは無理な話です。

見方を変えると「選手側」に立ったコミュニケーション能力の低さの表れでもあります。伝え方一つで選手の受け取り方はもちろん、コーチのマインドも大きく変わります。具体的には、心持ちであり、心の余裕です。

「わかないところはない?」
「失敗してもいいからやってみよう」
「休憩して心をリフレッシュしよう」

伝え方で大切なことは、相手が心の余裕を持てるかどうかです。

コーチは選手の気持ちに寄り添い、「やりがい」や「つながり」などを感じさせることができれば、自主的に行動を起こしてチャレンジするようになります。

そもそも選手は一人ひとりが個性の異なる人間です。過去のどの選手と比べてもまったく違う人間です。そして、ジュニアの間はすべての選手が初めての体験を行っています。

話がわからなくて当たり前。
プレーできなくて当たり前。
チームとして負けて当たり前。

ここからスタートしていること、何度も同じ失敗を繰り返す土台の上に、子どもの成長が成り立っていることを把握しておくことが前提です。さらにコーチの不平不満の元凶がさまざま「比較」にあることを理解しておくことが大事です。

・選手を比べない
・チームを比べない
・クラブを比べない
・保護者を比べない
・サッカーを比べない

コーチの選手に対する暴言暴力の元凶には、勝手な比較があることを頭の片隅においておきましょう。

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