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ぼったくりトゥクトゥク(スリランカ)

  初めてのスリランカへの道中、経済危機の影響で物価が上がっていてガソリンは日本と同じかそれ以上の価格だということを飛行機で同じになったスリランカ人から聞いた。

 彼はとても親切で、タクシーはガソリン代の影響で今はかなり高いはずなので「空港からホテルまではバスで行った方がいいよ」とアドレスをくれ、迎えに来てくれていたお父さんの手配した車で、空港から車で10分ほどのバスターミナルまで乗せてくれた。バスの車掌さんに私の下りる場所を伝えてくれた。

 車掌さんは「ホテルは通り道だから安心しろ」と言って席に案内してくれた。50分ほど乗ると「終点だから降りろ」と言われた。「途中ホテルで降ろしてくれるんじゃないのかよ」と思ったが、「こんなこともあるか」と気を取り直し、道をGoogle mapで検索した。1時間半ゆっくり歩くことに。

 歩いていると何やら「Hi friend, how are you?」と聞こえてくる。きれいなシャツを着たおじさんが話しかけてきた。彼の弟は名古屋で働いているらしい。観光業の資格を持っておりカードまで見せてきた。怪しい上に日差しも強く、暑くて話すのがめんどくさい。そして、「近くの寺でスペシャルセレモニーをやっているから案内してあげる」と語る。事前にYoutubeで予習していたのでおそらく詐欺だろうなと分かった。“スペシャルセレモニー”は詐欺を見抜くためのキーワードだ。

 彼を振り切るために、「急いでいるからトゥクトゥクに乗るよ」と告げ、近くのトゥクトゥクに乗り込んだ。しっかりメーターがあることも確認した。そうすると、おじさんは「道が同じだから途中まで乗せていってくれ」と乗り込んできた。トゥクトゥクも発進した。「なんでだよ」と思いながらも、「もうあなたは降りてくれ」ときっぱりと言って何とか降りてもらった。

 危機を脱したと思って、のんびり座席に座っていると、メーターの金額の上がるスピードが速い。まだ1キロほどしか乗っていないのに2800ルピー(1400円)になっている。すぐさま、「なんでこんな値段になっているんだ。とりあえず一回止まってくれ」と言うと、「経済危機でガソリン代が高いんだ」と返された。何とか停車してもらい降りることに、納得はできなかったが、ガソリン代の影響かもしれないと思い2800ルピーを払った。後日、配車アプリでトゥクトゥクを利用したら1キロ200ルピーほどだった。全然安いじゃないか。

 初日はスリランカの洗礼を存分に浴びてしまった。悔しかったが、トゥクトゥクに乗るのは配車アプリからということを徹底したおかげで、それ以来ぼったくられたことはないので、良しと思い込むことにしている。


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