見出し画像

何を求めて打牌を選ぶのか?

雀荘勤務時代の話です。立番でオーラスの卓を後ろから見ていた時のことでした。

ラス半をかけていたお客さんが4巡目に上の牌姿でテンパイした。2着目の東家とは11000点、3着目の南家とは6000点差、トップは望めないという点数状況だった。

リーチツモで裏ドラが1枚のったとしても、1000-2000では着順が変わらず4着のままである。とはいえこの牌姿では打点上昇する変化の種も乏しすぎる。 どうしようか・・・ やや悩んだ末にお客さんはテンパイに取ってダマテンを選択した。まだ4巡目、このまま曲げてしまうくらいなら期待薄とはいえ、変化に期待した方がマシだろう―― と

ところが次巡のツモは望外の赤5pだった。たらればの話だが、即リーチをかけて一発ツモだったら・・・ 結果論とはいえ 4着→2着 の逆転逃しをしたことになる。苦悶の表情を浮かべながら、結局そのお客さんはアガリを拒否して白のトイツ落としを選択することにした。

客「木原さん、あそこはどうしたらよかったんですかね?」

ゲーム終了後、一部始終を見ていた僕にそう話しかけてきた。赤牌を含めたアガリには5ポイントのボーナスが付与される。あのままツモアガリならば、3人から5ポイントずつもらえるので+15ポイント、2000点の加点で更に+2ポイント、合わせると+17ポイントの確定収入となるはずだった。

再度手牌を組みなおしても、着順アップ条件を満たすテンパイになるかどうかもわからないし、空振りすると更にマイナスを負うかもしれない。4割程度成功するダブルアップチャンスならギリギリプラスだろうか、3割成功くらいだと確実にマイナスになりそう。正直な話、長い目で見て単純に損得だけを考えれば、ラス確定だけれど17ポイントの収入を得ておいたほうがマシな気がする。

木原「二五八待ちでフリテンリーチをしてみてはどうでしょう?」

それでも僕はこう答えた。お客さんは長い目で見た損得の話を僕に求めていたわけではない。今日1日の麻雀の締めとして、何か満足できるような選択は他になかったか? という質問だったように思えたからだ。

仕事の一環として麻雀を打つ人は少ないでしょう。多くの人は趣味、娯楽のとして麻雀を楽しんでいるはず。趣味で麻雀を嗜むのであれば、自分が思うがままに、好きなように打つのが一番いいと思う。その結果、たとえ負けたとしたって納得がいくだろう。自分の意にそぐわない打牌選択をして、結果的に負けてしまったとしたら「なんで遊びに来てまでストレスを溜めなきゃアカンねん!」ということになりかねない。

何を求めて麻雀をするのですか?

勝ち負け抜きで麻雀を楽しみたい。むしろそちらのほうが自然な考え方でしょう。楽しむことだけを目的に考えるのであれば、己の美意識に基づいて打牌を選択したっていいし、欲望にまみれた打牌を選択したっていいじゃないか。

あなたは何を求めて麻雀をしていますか? 

このコラム、note等が、あなたの麻雀ライフに少しでも役立つような事があれば幸いです。


このコラムは、10年前以上に近代麻雀オリジナル(現在廃刊)で連載したものを書き直したものです。今でもたいしたことはないけれども、当時はもっともっと下手くそな文章でしたねw

雀荘勤務時代は同僚に麻雀を教えたり、一時はネットを使って麻雀の家庭教師もやってました。いまブログマガジンでは、中級者向けの牌譜添削もやっています。

麻雀のスキルアップは本人の資質、やる気によるところが大きい

多くの人に麻雀を教えてきましたが、上達の手助けは難しいことだと体感しています。教わる本人が 今までのままじゃダメだ!変わりたい! というモチベーションを継続して持って、真剣にスキルアップに取り組まなければ、結局は今まで通りの打ち方をなかなか変えられないものです。

そのモチベーションを継続させるためには、楽しみながら打つ ということも大事だと思います。

2月26日に 麻雀スクールOneGame にて、講師として勉強会をさせていただきますが、正直言いますと、たった3時間弱の講義を受けただけで、いきなり麻雀が上達することは難しいと思います。

ただ、個別にカウンセリングをして、自分が求める結果に対するアプローチの考え方や、今よりもっと麻雀が楽しめるような考え方をレクチャーするだけならば、十分伝えられるのではないかと思っています。

何を求めて麻雀をするのですか?

申し込みメールフォームは こちら まで。興味のある方はこの機会に是非参加してみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?