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EX風林火山オーディションの話

初めてタイトル戦決勝の舞台に立ったのは9年前、2012年の第10期雀竜位決定戦だった。同年、第11期雀王決定戦にも初進出を果たすと、翌年2013年には第11期雀竜位決定戦、第12期雀王決定戦と、共に連続で進出した。

その間、第8期最高位戦classicにてタイトル戦の初戴冠。翌年の2014年には3期連続で雀竜位決定戦に進出し、天鳳でも初めて十段に到達した。その翌年、2015年には念願だった第14期の雀王を獲得。プロ連盟主催の麻雀マスターズには2014年にベスト8、2015年に決勝進出、2016年にも決勝まで進出した。

今改めて振り返ると2012年~2016年にかけて、麻雀の成績は非常に長い期間の上振れだったのだと思う。たとえば雀竜位戦は、3/16の抽選(当時)をくぐり抜けなければ決定戦に進出できない。3/16を3年連続となると相当レアな当選確率だっただろう。 

上振れ? いや、違う――

麻雀の調子が良い時ほど、本来の確率以上に実力で当選するのではないか? と、勘違いしてしまうのが麻雀打ちの性というもの。3年目の雀竜決定戦で負けた時も「どうせチャンスはすぐに来るだろう」と、間違いなく錯覚していた。しかし次のチャンスは訪れるどころか、ノンストップで降級を繰り返し、今年は遂に何級かもよくわからないような一番下の予選から出る羽目になってしまう。

雀王を失冠した後も「どうせチャンスはすぐに来るだろう」と、間違いなく錯覚していた。なにせプロ協会に入会してから15年以上、リーグ戦で降級の危機にすら遭遇したこともなかったのだ。しかしそれはただの偶然で、2年連続降級となり現実を知った今となっては、次のチャンスどころかA1リーグに復帰することも難しく感じている。

天凰十段は1年くらい継続した。九段に降段した後も「どうせチャンスはすぐに来るだろう」と、間違いなく錯覚していた。案の定早々に十段に返り咲いたものの今度は速攻で降段し、それから5年以上が経った今、次の天凰位チャンスは訪れるどころか、未だに十段への復帰すら果たせていない。

当たり前だけどチャンスはそう何度も来るものではない

「どうせチャンスはすぐに来るだろう」と勘違いしてはいけない。目の前にぶら下がるチャンスはもう2度と来ないものかもしれないし、仮に次回があったとしても、それは果てしなく遠い未来の話かもしれないのだ。

憧れのモンド杯に出場資格を得た時だって、爪痕を残すこともできず2期で降板となってしまった。当時注目を浴びた1大イベント、麻雀プロ団体日本一決定戦に日本プロ麻雀協会の主将とした出場した時だって、全く良いところが無く惨敗してしまった。両方とも自分にとって、これ以上にない大チャンスだったのにもかかわらずだ。

チャンスを逃したら、次は来ないかもしれないよ――

だからこそ我々は決して驕ることなく、目の前に訪れたチャンスに対して全力を尽くさなければならないし、いつやって来るかわからないチャンスに備えて、少しでもつかむ確率を上げるために全力で技術を磨き続けていかなければならない。それを逃したら、次はもうないかもしれないよ―― と、僥倖続きで少しだけ慢心していた4~5年前の自分に教えてやりたいです。

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EX風林火山のオーディションに申し込みました。

人より多くチャンスが巡ってきた競技麻雀人生だったと思います。チャンスを逃し続けてきた報いというべきか、自分には全く縁がないものだと完全に諦めていたMリーガーへの道でした。

こんな自分でもMリーガーになれる可能性があるとしたら、ドラフトで選ばれるような正規ルートではなく、今回のようなイレギュラーのイベントをクリアできた時くらいのものでしょう。

たぶん、自分とってこれが最後のチャンスになると思います。最後まで悔いの無いよう全力を尽くしますので、応援してやってください。

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