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FUJIFILM X-H1  長期使用レビュー

皆さん、こんにちは。
さて今回は僕が愛用しているカメラであるFUJIFILM X-H1の長期間使用レビューをしてみたいと思います。

FUJIFILM X-H1は2018年3月に発売された富士フイルムのフラグシップミラーレス一眼です。

前置き

2018年はSONYの独壇場であったフルサイズミラーレス一眼市場に各社がこぞって参加してきた年で、カメラの歴史の中でも一つの区切りとなる年でした。その後は各社ミラーレス機に本格的に移行し始めており、今ではレフ機の新型はなかなか出なくなりましたね。

コンシューマー向けに販売されていたカメラが、フイルムカメラからデジタル一眼に変わった時のように、今は一眼レフ機からミラーレス機へと時代が変わっていきます。

そんな中、私もその波に乗っかった一人でした。

2018年時点で、Canon EOS6D、Canon EOS70Dを所有していた私は2018年末に、「そうだ、フルサイズミラーレスを買おう」と思いたち、全ての機材を売リまして2019年1月末に

FUJIFILM X-H1を購入しました。

…フルサイズミラーレスを買うはずだったのでは??

外観

X-H1は、これまでのFUJIFILMのカメラの流れとは異なったシリーズのカメラです。
これまではどちらかというとスナップ向け、ラフに撮れるようなカメラの形状をしていたラインナップ上に突然現れた、ガタイのいいカメラ。

購入理由はただそれだけ。形がかっこよかったから。

購入を検討しているときは、SONYのα7ⅲを買おうとしていて、カートの中に入れてました。
私が住んでいる高知県ではなかなか展示しているところが少なく、年末に実家に帰省するときに実際に触ろうと思ってました。

2018年年末、岡山駅前のビックカメラ。
α7ⅲを手に取り、その後他のカメラもついでに見ていたところに目に留まる一台のカメラ。

気づいたらそれが手元にありました。

かっこいい。今でもメンテナンスするときに惚れ惚れします。

X-H1は2018年の3月に発売されたカメラなので、購入当時ではすでに半年以上が経過していてちょっと流行遅れではありました。

いや、ほんとかっこいい(うるさい

性能

みなさんご存知のように、FUJIFILMはフルサイズセンサー搭載機種は作ってません。APS-Cセンサー搭載機種がメインラインナップです。
カメラの性能は、センサーサイズに起因します。
性能重視ならそりゃフルサイズ買っとけばいいんですけど、フルサイズにすると、カメラは重たくなるわ、レンズは大きく重たくなるわのデメリットが出てきます。まあでもそれらのデメリットを超える描写性能が引き出されるので、そこがフルサイズのメリットではあるんですが…自分の中では性能の高さと、それらのデメリットが天秤に釣り合わなかったんですよね。

そこでFUJIFILMが選択肢に入ります。FUJIFILMのセンサーは、独自開発のX-trans CMOSというセンサーで、ベイヤーセンサー(大概のセンサーはこっち)とはカラーフィルター配列が異なります。

カラーフィルター配列を変えることで、ローパスフィルターを除去でき、解像度の向上がなされています。
そんなこんなでX-trans CMOSはAPS-Cセンサー界では最高性能と謳われています。
カメラ、レンズシステムの小型軽量化で、さらに最高性能なので買わない理由はありませんでした。

あと、FUJIFILMといえばフイルムシミュレーションですよね。
これがあるからFUJIFILMを選んだと言う人も多い項目です。(僕もそのうちの一人)
かつて、フイルムを作っていた過去があるからこその色技術、これはもう手放せない。

classic chromeの空の色、ASTIAの緑、PROVIAの夕日の色、どれも好きでたまらんです。

風景撮影で便利な設定

私は主に風景をメインに撮ってますが、ここが便利だなと言うポイントを紹介します。

まずシャッタースピードが、30秒以上の設定がレリーズなしで出来ることです。これ、風景写真界隈ではかなり必要な設定項目の一つでして、大概の機種は30秒以内までのシャッタースピードまでしか設定できず、それ以上は、バルブ撮影で外部レリーズを使って設定しなきゃいけませんでした。
よく他社製品のレビューなどで、30秒以上の設定ができなくて辛いとか、この機種は30秒以上の設定ができてすごい!とか耳にするのですが、X-H1は15分まで設定ができます。

シャッタースピードダイヤルをTにしてコントロールダイヤルを回していくと設定ができます。
正直これに関しては地味なところではあるんですが、他社は実現できていないところなので結構大きいメリットです。この便利さを知ってしまうともう他社には移れない要因の一つです。

次はモニター。X-H1のモニターは3方向チルト式モニターで、これが縦構図の撮影のときにめちゃくちゃ便利です。


風景写真を撮る人は、縦構図で三脚に据えることが多いので、L字型ブラケットをつける人が多いです。
これをつけると雲台を90°真横に向ける必要がなくなるので、構図の自由度が上がるのと、重心が三脚の中心に位置するので安定するというメリットがあります。
最近増えてきたバリアングルモニターだと、このL字型ブラケットと干渉してしまい装着できないので、チルトモニターの方が向いています。
また低い位置で縦構図にしたとき、ファインダーは覗き込みづらいのでモニターを見ますが、このモニターを上方に向けることができます。
これも撮影がしやすくなるので結構大きいメリットです。

改善してほしい点

X-H1を使っていて、ここがもう少しという点をまとめます。

まずはフイルムシミュレーションの拡充です。
X-H1が発売されてから3年が経とうとしている現在、フイルムシミュレーションはクラシックネガという新しいものが作られています。
FUJIFILMのラインナップ上、最高級に位置している中判センサー搭載機種のGFXシリーズでは、アップデートされクラシックネガが搭載されたのに対し、X-H1では特に無かったので、XシリーズのフラグシップであるX-H1にもここは追加して欲しいところです。

二点目として、ピクセルシフトマルチショットの実装です。ピクセルシフトマルチショットとは、手ぶれ補正機構を応用し、センサーを1画素分程度動かして撮影し合成することで、搭載センサーの数倍に匹敵する超高解像度画像を出力する機能です。これもGFXシリーズではアップデートにより追加されましたが、X-H1には特に追加はありませんでした。この辺りの機能は、次に出ると言われているX-H2に搭載されてくるのではないかと思ってます。X-H2に搭載されるセンサーは4000万画素級の高解像度センサーと言う噂が流れたこともありましたが、果たして・・

三つ目としては、フォーカスレバーをもう少し大きくして欲しいところです。

なぜか他社と比べてかなり細く、指に刺さるほどの細さです。扱いにくさは慣れてしまったのでわかりませんが、ちょっと大きくして欲しいところではありますね。

デメリットの中でも一番改善して欲しい点はバッテリーです。X-H1に搭載するバッテリーのNP-W126Sはノーマルで300枚ちょっとと、少し心許ない容量です。そのために予備のバッテリーが必要になってしまう(ちなみに僕はバッテリー4つで運用してます)ので、ここが一番の改善点ですね。


このバッテリー問題は、最新機種のX-T4では大幅に改善されたので、X-H2では改善されると思います。

ここまで長々と語ってきましたが、総合的には僕は非常に満足しているカメラです。今まで70D、6Dと使ってきて納得していなかったのが、H1に変えてから他の機種などに気が行くことは格段に少なくなりました。
確かにフルサイズセンサーの性能には負けるかもしれませんが、それは限定的な撮影条件だけで、あまり差はないかなと感じています。


FUJIFILMの培ってきた色、とても手に馴染むカメラ、最高画質を実現するレンズ、どれも非常に良い製品です。

FUJIFILMのカメラの魅力が多くの人に伝わればいいなと思います。

最後に作例を載せておきます。それではまた。

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