禁煙日記2

決意というのは固いのが通例であるが、僕の場合はその限りではないらしい。9月5日、まだみんながみんな半袖を着ていた頃。僕はこんな文章を書いた。

あ、いい。別に読まなくて良い。クリックしなくて良い。どうしようもないから。全文お読みいただくのも忍びないので引用しましょう。

今日は何とも清々しい気分だ。山頂の空気は美味い。いや、僕はまともな登山なんて生まれてこのかたしたことが無いのだが、知識としては知っている。山頂の空気は美味しいのだ。であれば、いま僕は極上美味の空気を吸っていることになる。登頂しているわけではないが、これはまさしく「頂き」の味だ。

禁煙するのだ。

はい。

いや本当に読まなくてよいから。今すっげー喫煙してるから。ものすごい勢いで喫煙してるから。禁煙のきの字もないよ。自分はもう2度と喫煙しない、と文字媒体にて表明して2か月が経った。しかしながら現状は情けないもので―――というかその表明のわずか5時間後くらいに普通に吸ってるからね。いや5時間て。せめて時計の短針が180度反対に行くまでくらいは待てないもんかね。どうしようもないですもう。これがいましがた「読まなくて良い」と制した理由。だって意味ないでしょ。全部意味ないもん。

いや~そんな簡単には辞められない。都合3年しか吸ってないわけですから、全然iPhone とかの方が長く付き合っているはず。iPhone か煙草、どっちか辞める、くらいの背水の陣をじゃないと駄目なのかな。それか米。禁米。いやさすがにそれは現実的じゃない。お呼ばれしたときどうすんのよ。じゃああれだ、ハヤシだ。ハヤシライス。禁煙するか、はたまた今後一切ハヤシライスとの関わりを絶つか。これは結構良いセンだ。現実的かつかなりハードだ。ハヤシライスと引き換えなら流石に辞められそうだな。でも煙草もさあ、秋に吸うと美味しいじゃない?

――なあんてそうこうしている間に煙草はしっかり値上がりするし、いうてるまに消費税だって上がるし。なんせイマドキの若者なので楽観視しがちなんですが、自らを奮い立たせ得て客観視してみるとかなりヤバイ。現状バチバチの低所得者だし、非正規どころか無雇用なんですね。そうだ、婿養子になれないかな。こんな風に音韻に任せて適当なことを書いてしまうような人間を婿養子にしてくれる家ってあるのかな。あるといいな。――とまたしても楽観視の方角に顔を向けてしまった。楽だけどこっちは全然恵方じゃない。こんな状況で煙草なんて吸ってる場合じゃないんですよ明らかに。

いや~どうしたもんかね。ここで社会情勢に切り込んだり、別の話題に広げていくのが一流ってもんだけど、それが一流ってんなら仕方ない。僕は三流の席からそれを見守ることにします。え?なに?三流の席は禁煙?困ったな、そういう世の中らしい。4流席でお願いします。あ、立ち見でもいいです。いや立ち見はキツイな。できれば座りたい。

辞めるの辞める――なんてのは辞めてあしたから辞めようと思います。宜しくお願いします。

2018.10.16 最後のラッキーストライクを傍らに

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かわい (ライター)

カタいことばっか言わないでさ……

禁煙日記

やめられません
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