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2023/10/31の日記

 そういえば芸祭終わった。楽しかったです。今年は全日参加したよ。


 クソ暇だったんで昨日今日合わせてクレしん映画3本観た。ABEMAの無料期間中に全部観たいので。今日は「嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」を観た。 クレしん映画史上最高傑作とも言われる作品。

ある日、春日部で突然「20世紀博」というテーマパークが開催された。

昔のテレビ番組や映画、暮らしなどを再現し、懐かしい世界にひたれる遊園地に大人たちは大喜び。でも、しんのすけをはじめとする子供たちには、ちっとも面白くない。毎日のように夢中になって遊びに行く大人たち…。

そのうちにひろしは会社に行かなくなり、みさえは家事をやめ、しんのすけがひまわりの面倒をみる始末。実はこれは、“ケンちゃんチャコちゃん”をリーダーとするグループの、大人だけの楽しい世界を作って時間を止めてしまう、恐るべき“オトナ”帝国化計画だった!

やがて大人たちは、「20世紀博」に行ったきり、帰ってこなくなってしまう。このままでは未来がなくなってしまう!そこで、しんのすけら“かすかべ防衛隊”のメンバーはオトナたちを取り戻すために、「20世紀博」へ乗り込んでいくことにする。しかし、そこにはもうすっかり子供に戻ってしまった親たちが楽しそうに遊んでいた。

果たして“かすかべ防衛隊”は “ケンちゃんチャコちゃん”に勝てるのか!?

そして、しんのすけはオトナたちを今の世界に取り戻し、未来を守ることができるのか!?

Amazonより引用

 「クレしん映画は大人も泣ける」という評価の始まり。実は観るのは初めてじゃなくって、5~6歳の頃友達の車の中で観た記憶がある。でもサトーココノカドーで寝泊まりするシーンと追手の「まだ温かい……近くにいるぞ!」ってセリフしか覚えてなかったのでほぼ初見。

 で。確かにこれは名作だわ。「面白いけどこれはもうクレヨンしんちゃんじゃないよね」のラインを超えないギリギリまで攻めてる。ちゃんとクレしんの世界観じゃないと展開できないストーリーだもん。泣けるだけじゃなく、要所に挟まれるギャグもちゃんと面白い。

 個人的にクレしん映画の強みってあらゆる敵の存在を許容できる世界観だと思っている。どんな映画も極度に単純化すれば「課題の提示→解決」の流れだけど、クレしんはこの「課題=敵」のバリエーションを広げやすい。もとから奇人や妖精がいっぱい出てくる漫画だからだ。春日部を舞台とした日常系でありながら、超科学的なアイテムも出てくる。そして下ネタ・メタネタがOKなのも大きい。

 今作のヴィランであるイエスタデイ・ワンスモアのボス、ケンは汚い金と燃えないゴミで溢れた21世紀に絶望し、未来への希望で溢れていた20世紀に日本を戻そうと企てる。「昔を懐かしむばかりでいいのか?」という作品のテーマに真っ向からぶつかれるのは振り返る過去がない5歳児のしんのすけだからこそ。ケンの思想は「クレヨンしんちゃん」という作品のヴィランとしてこれ以上なくピッタリハマる。これが最終回でも良いと思うくらいに。

 好きなシーン
・両親に代わってひまわりに離乳食を与えるしんのすけ
・なぜかオトナたちに混じって洗脳されてる埼玉紅さそり隊。2001年公開の映画だから彼女らは当時まだ昭和生まれなのか。
・サトーココノカドーで1泊したあと歯を磨いているしんのすけ
・しんのすけと二人でテレビを見て笑うボーちゃん、珍しい
・バスをぶつけて追手を攻撃できることに「気づいた」ときのマサオの顔、マジで面白い
・しんのすけにバスの運転を任されて焦るシロ
・結局閉まりかけたゲートにバスを滑り込ませる活躍を見せたシロ
・ひろしの幼児退行が解けたとき、周りの万博の景色がハリボテだったことがわかる演出、作中では特に触れられないけどゾッとした


 2本目は「爆睡!ユメミーワールド大突撃」を。2016年の映画。俺中1かあ。クレしんを一旦卒業した頃かな。

ある夜、それぞれに楽しい夢をみていた野原一家は、いきなり大きな魚に飲み込まれるという不思議な夢を見た。

その日をきっかけに、街じゅうの人たちが、眠ると見たい夢が見られる世界“ユメミーワールド"に行けるようになる。

楽しい夢に夢中になるしんのすけたち。しかし、ユメミーワールドは次第に悪夢しか見られない恐怖の世界へと変わっていく。



そんな時、しんのすけの幼稚園にサキという女の子がやって来る。

みんなが友だちになろうとする中、誰とも打ち解けようとしないサキ。

カスカベ防衛隊はサキに仲間になろうと声をかけるが、サキにはある秘密があるのだった……。



しんのすけたちはみんなの夢を守ることができるのか! ?

Amazonより引用

 ちょっと予想以上に面白かったぞ。夢の世界ってあらすじで子供向けかな? なんて思うけど、ちゃんと大人目線でも楽しめる仕掛けがある。まあ俺が大人かと言ったら微妙だけど。

 ヒロインのサキが可愛い。クレしん映画のヒロインはみんな可愛いけど、サキが1位じゃないですか? 多分。今作のしんのすけが群を抜いてかっこいいせいか、助けられるヒロインであるサキが輝くのかも。
 なんかかっこいいんですよ、今作のしんのすけ。女心を分かってると言うか、心の壁を的確に壊してくると言うか。しんのすけにしてはめずらしく「友達を助ける」っていう純粋な動機で立ち向かうんですよね。

 さすがは異世界描写に定評のあるクレしん映画、悪夢の描写が怖い。怖いと言うか、精神的に来るものがある感じのエグさ。野原家の父親が川口になったり、ミッチーとヨシリンが寝取られたり、石になったボーちゃんが小便かけられたり。ラスボスの造形も恐ろしくて、子供が見たらトラウマになるんじゃないか。
 なーんて心配するけど子供って意外とこういうの平気なんですよね。

 クレしん映画はしんのすけ・かすかべ防衛隊という子供目線のキャラがいて、ひろし・みさえという親目線のキャラがいるので子供向けと大人向けで二重のテーマがあったりする。今作の子供目線のテーマは「(将来の)夢・寝る子は育つ」、大人目線のテーマは「嫌われ役としての母」といったところか。

 本作のヴィラン、貫庭玉夢彦はサキの父。サキを悪夢から守るために人々に悪夢を見せ夢エネルギーを集め続けている。それは彼女の母サユリがサキを爆発事故から庇い死亡、以後サキは自責の念から悪夢しか見られなくなってしまったため……というなかなか重めのバックグラウンドがある。サユリは実験室に入ってきちゃったサキを厳しく叱ったりするんだけど、それはやっぱり子を想う気持ちからで、しんのすけをいつも叱っているみさえと重なります。

 それを踏まえた終盤のみさえのセリフは世の親の気持ちを代弁した痛烈なメッセージ。子供と一緒に観に行った親はギクリとくるんじゃないか。これは書かないのでちゃんと観てほしい。正直ここが一番涙腺にきた。俺も大人になったのかもしれないな。「みさえって普段そんなこと思ってるんだ……」という静かな驚きがあります。

 もちろんギャグもある。大和田獏が出てきたり、とにかく明るい安村が例のBGM付きで出てきたり。「心配してくださ〜い」「履いてませんよ!」って大量の安村が追いかけてくるの、まさに悪夢。

 昨日見た「嵐を呼ぶジャングル」も面白かった。クレしん映画のお約束、尻歩きが思う存分見られる。あとパラダイスキングがいい悪役なんだ。ステゴロで戦えるボスってかっこいいよね。

 好きなシーン
・しんのすけを見つけて安心したのか泣き出すひまわり
・ワニを惹きつける囮になるマサオ
・確実に死ぬ高さを滑り落ちる防衛隊
・ひまわりの「だーーーめーーーー!」

 

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