洗脳と組織運営の話。

「偉そうに」という言葉が口癖の上司、部下はかわいそうです。
部下はその言葉に触れるたびに自分に自信をなくして、自分の意見を言うたびに、「私なんかがこんな事言ってすみません。」という意識になってしまう。これは一種の洗脳で、お前は意見を言う立場にないという刷り込みです。
「偉そうに」と言ってるお前が偉そうなんだよ。と言ってやりたくなりますね。めんどくさいので言いませんが。

なんでこんなことを書きたくなったかというと、こういう人が近くにいるからなのですが、いろいろ観察していると、彼なりに部下へのコミュニケーションとして使っていて、無意識的に口癖になったようで、なるほど部下をコントロールするひとつの手段なのだなと感じたからなのです。(こんな口癖を良しとするつもりは全くございません。)

政治にしろ、企業経営にしろ、情報統制や繰り返しの演説で価値観や志向性の刷り込みは昔から行われている手段の一つです。というよりも組織に欠かせない本質的な要素であるとすら考えられます。
思想教育はその最たるもので、それによる問題も歴史上の実例に事欠きません。
いわゆるプロパガンダ(大衆洗脳)ってやつですね。

そして、良くも悪くも、人は何もないところから意思決定は行えないのですから、周囲からの様々な価値観や情報を活用し行動しています。
企業においては「教育」や「評価」、「理念の浸透」の名の下に、ある種の洗脳を活用する形で組織の秩序を保ち社会への価値提供を行なっているのです。

そして、最初に挙げた例のように、この一種の洗脳を無意識的に悪い方向へ活用してしまっている企業や人も多く、改めて洗脳と組織運営に関して整理していく必要があると感じています。

とはいえ、価値観の多様性と、思想の自由を否定し悪しき歴史を繰り返したいわけではありません。
全ての宗教、価値観、思想を前提として、組織の価値観と思想に社内外の人々に共感して頂くためにも、どのように社内外に我々の考え方、価値観を伝えるのかを体系立てて良い方向に活用して行くことが全ての組織に求められているのです。

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