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リストラーズ野村さん 過去からの一枚

顔じゃない本じゃない(現、Meta)で上がっていた一枚の画像がずっと印象に残っている。
昭和92年(2017年)4月30日の単独リサイタル直前の画像だ。
 
この日のリサイタルは事前資料の充実度も高く、12時~14時半まで開催されたという。
もし駆けつけることができたら、今できファンの筆者にとっては夢のような一日になるだろう。
当日の別画像には「ザ・アカペラ歌謡ショー S92.冬」と書かれた手書きの看板も撮影されていた。
 
取りあげた画像は、その時のもの。
ほかにカッコよくポーズを決めた画像もある中、この一枚に目が貼りついてしまったのだ。

https://t.co/CWilQOw6XU

 
一見、何のことはない楽屋の慌ただしい風景と共に、彼らの横顔が撮られている。
正面奥には、壁かけ時計があり、それをチラリと見上げてネクタイを手に
取る、澤田さん。
その手前には、結んだネクタイをチェックしているのだろうか、大西さん。
 
お二人の前には会議室用に見える長いテーブルが置かれている。
 
卓上には、ファンから?贈られた幾本かの花が花瓶に挿されており、当日の配布資料なのかプログラムの残りなのか紙類の束、ペットボトル入りの水、
メンバーのスマホがいくつか。
まだ結んでいないネクタイや白手袋の束など、雑多ながらも直前の楽屋とは思えないほど几帳面に並べて置かれている。

仕事のできる人は整理整頓も上手いというのは本当なのだろう。
 
卓を挟んで向かい側奥には、切れてはいるが上村さんの横顔。
そして、手前に野村さんの横顔が見える。
となると撮影は貴公子、加藤さんなのだろうか?
 
野村さんはまだネクタイをしておられず、ジャケットボタンに左手指先を
添えながら、今にも右手で何かを取ろうとされているのか、卓の上に
視線が向いているように見える。
 
数ある手持ちのものから選ばれ、限られたスペースにわざわざ掲載されている画像なのだ。
いったいどんな意味や魅力が、この一枚にあるのか。
 
筆者の視線が少し変わっているだけかもしれないが、ここには本番直前の
緊張感と、このショーを必ず成功させるぞという気持ちのいい張り詰めた
空気が一緒に写っている。
その緊張感が心地よく感じられ、画像を眺めているだけで期待させる何かが自分の中に流れ込んでくる。
 
納得いくまで練習を積んだ自信、仲間への信頼、成功を信じる静かで熱い
思い。
マウンドに上がる前の投手のような、飛び立つ前の機長のような。
 
彼らの横顔にある、プロフェッショナルレベルの人が発する特有の緊張感。慌ただしく時間に追われながらも、すでに整然と心の中でカウントを刻んで
いるかのようだ。
 
ジャケットボタンに指先を差し添える仕草の野村さんの横顔を見ていると、オーケストラ指揮者が本番前の準備をしているさまに重なる。
あるいは、オペラ歌手の出番前にオーバーラップする。
 
写真からは「音楽」は聞こえない。
あの「美声」も聴こえてはこない。
ニコニコの全力笑顔もないし
ピン!と張った背筋や綺麗なポーズもない。
 
しかし、この心地良い緊張感に満ちた野村さんの横顔は、筆者が「野村さん」を考えるときに最初に浮かぶ「野村さん」なのだ。

一枚の画像からでも彼らは何かを語ってくる。
そう思うのは、
いや、そう思いこんでしまうのがファンなのかもしれないが。

 
( ご本人や野村さん推しのかたにはマニアックな視線で申し訳ない。
が、もっとこういう画像を見てみたいのは個人的本音ではあります)
 
 
<   見ても聴いてもやっぱり最高  リストラーズ大好き    >


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