見出し画像

OLポテサラ日記⑦

とある打ち合わせ中、取引先さんが「うちの旦那は料理がストレス発散になるらしいんですよね。普段、結果がすぐには見えづらい仕事をしているからか、比較的結果のすぐ見える料理はクリエイティブでもあり楽しいみたいで」と言っていて、そんな見方があるのかと驚いた。料理をする背景がかっこよすぎて、一瞬、料理の話だったか分からなくなりそうになった。

だからといって料理がしたくなるかというと別問題だが。でも、何かをする理由は絶対に1つではなく、これが好きってことはきっとこうなんだろうと誰かの行動背景を決めつけることはできないよなぁと考えさせられる瞬間だった。私も、自分がこの日記を続けている理由を勝手に決めつけないぞ。

先日、出張で博多に行きました。先輩とはお昼過ぎに博多集合だったので、せっかくだから早めに行って気になるお店でお昼ご飯を食べようと思い新幹線に乗る。その「せっかく」というのも、やっぱり会社のお金で博多まで行かせてもらっているのだから、何かしらたくさん吸収して帰りたいなぁといつも欲張ってしまうのでした。

この日は、博多駅直結の地下街にある喫茶店「カフェ・ミエル」に行きました。「シャポー博多駅前店」という40年以上続いた純喫茶を、オーナーさん引退時にハニー珈琲さんが引き継いだと聞いて、ずっと行ってみたかったんです。

私はホットサンドを頼むことにしました。と、さも迷いなく注文できたように書いたけれど、迷った末のホットサンドです。オリジナルキーマカレーにしようか…、いや待って厚切りバタートーストも美味しそう。でもやっぱりホットサンドで!と思ったら、具材を6種類の中から2つ選べるらしい。選択肢が豊富で、この悩ましさも贅沢に思いました。具材はマスタードエッグとのりチーズに決め、「珈琲のさえずり」と名付けられた季節のブレンドコーヒーと一緒に注文することにしました。珈琲のさえずりって(!)。

そして、「お待たせしました」と私の前に運ばれてきたホットサンドの横には、そうなんです、やっぱりこういう運命なんかな。あ〜ピーナッツバターサンドも気になったなぁと具材のことで頭がいっぱいだった私の興味は、ホットサンドからすぐに添えられたポテトサラダへと移り変わるのでした。

その日はカメラを持っていたので、すかさずシャッターを切る。すると店員さんが、「カメラかっこいいですね」と話しかけてくださり、店員さんも最近カメラを買ったそうで、「いや〜やっぱりカメラっていいですよね」と盛り上がりながら「どうぞ好きなだけ撮ってください^^」と言ってくれて…。店員さん、まさか私がポテトサラダを撮ってるなんて思ってなかっただろうな。

当の本人も、こんなアップで撮られるなんて思ってなかっただろな

ホットサンドも、珈琲も本当に美味しくて、また来よう〜と思いお店を後にする。そうだった、私これから仕事なんだった。急いで先輩との待ち合わせ場所に向かいながら、早くこのことを日記に書きたい思いでメモをする。「メインについてくるミニサラダにポテトサラダよくあるけど、あれなんでやろ。」

そういえば、前回の日記でポテトサラダについて調べた続きがあるのでした。ポテトサラダの発祥は、モスクワのレストランでシェフをしていたフランス人のオリヴィエさんが考案した「オリヴィエ・サラダ」という説が有力だそうです。フランス人というのがややこしいですが、国でいうとロシアということになりそうです。そのあと、各国独自のレシピで発展していき、日本でも一般家庭に普及されるまでになりました。

Googleはドイツ推しですが、文献の数からロシアが有力そうです

そんなポテトサラダ、サラダ界ではどんな存在なのか見方はそれぞれだと思うけれど、何かと目にする気がします。ミニサラダとして、お通しとして。「頼んでないのに出てくる」代表というとちょっと語弊があるかもしれないけれど(だいぶ失礼)、それは多くの人が喜んでくれるだろうと選ばれているということを考えると、とても誇らしい実績だと思います。知らんけど。

あぁ、また全然作ってないやんって、最近は後ろめたく思うことすら忘れている私だけど、きっとこの調子じゃ作る気配はなさそうで。そして「こんなこと書いたら」と考えてしまう時、自分は1人で生きているわけではなんだなと思う。ここまで読んでくれている人へ、本当にありがとうの気持ちでいっぱいです。

今日も、スーパーでじゃがいもコーナーを通り過ぎました。いや、ちょっとくらい立ち止まれよって心の中で思いながら、別の食材をカゴに入れているころにはそのツッコミさえも忘れているのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?