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OLポテサラ日記⑭

みんな生まれた瞬間は何も知らなくて、あらゆる知識と初めて出会うタイミングには個人差がある。にしても、私は人より「え、なんでみんな知っとるん」が多い。このあいだ、仕事で有精卵と無精卵について教えてもらったのだけど、私はスーパーで売られている卵とひよこが生まれる卵は、それぞれのための鶏がいるのだと思っていた。ということは、スーパーの卵は全部失敗作ってことですか?と聞くと、先輩に「だまれ」と言わせてしまった。情弱は辛い。

その日の夜、会食で「これは絶対食べて帰ってほしい」と
出てきたのがまさかのポテトサラダだった。
軟骨とあおさ。これは絶対食べて帰って正解だった^^

そういえば、1ヶ月ほど前に友だちと突如の好奇心に身をまかせ占いのお店に行ってみたことを急に思い出した。そのときクイーンのカードを引いた私に、占い師さんは「頭を使うのです、あなたはキング(力を行使できる者)ではなく、クイーンとしてしなやかに戦うのです」と言われたが、はたしてあれから頭を使えているのだろうか。はぁ、頭を使うほどの知識が人より足りていないことを自覚した今、クイーンのカードなんて引くんじゃなかったよ。

みんなが義務教育と並行していろんな知識を習得していた傍ら、きっと私はぼ〜っと他のことでも考えていたんだろう。世界のことを知らなすぎる。でも誕生してからそれなりに時間は経っているわけで、逆にみんなが知らないことを知っているのではないか。それぞれの分野に専門家がいて役割分担しているように、みんなが知っていることはみんなに任せて、私はみんなが知らないことを頭につめこんでいるのでは。どちらにしても(いや、どちらというかそんなことはおそらくないだろうけど)偏った情報でよくぞここまで人間生活を送ってきたものだ。

最近、90分と180分の映画を観た。時間でいうと倍である。だいたいの映画は120分のものが多いので、平均より短いものと、長いものそれぞれを観たことになる。そしてそのどちらも、体感としてはあっという間だった。正確には、自分の思っている90分・180分と比較してあっという間に感じた。特に180分のほうは、ふぅ…ここで終わってもまとまりそうだな…というところから、さらに先を描き続けて結果として180分が必要だった、というようなぎっしり具合だった。

今、坂本龍一さんの『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』をちまちまと読んでいるのですが、そこで坂本さんは時間について「ニュートンが唱えた『絶対時間』の概念は間違っている(中略)時間は言ってみれば脳が作り出すイリュージョンだというのが、ぼくの今のところの結論です」と書いている。これは物理か心理か別の領域の問題と捉えてもよさそうだけれど、私が2本の映画で感じた体感時間は、まさにイリュージョンみたいなものだった。

かっこいい人

2023年も、半分が終わったみたいです。半分終わった、とは絶対時間のことなので、イリュージョンでなんとでも引き伸ばすことはできそうです。なので焦ることはしませぬ。変わらず、過ごす。今朝、起きたらセミが鳴いていました。夏の存在感に気が滅入りそうだけど、気づいたらいなくなるのも夏。楽しいことだけを考えたい。

昨日、予定までの時間が微妙にあいて、ふらふらと歩いていたら見つけた雑貨屋さんでかわいいタイルに出会いました。なんでもかんでもかわいいって言っちゃうけど、ほんとにかわいかったんです。さっそく、キッチンに貼りつけました。

さぁこいキッチンに立つモチベーション

日本ではあまり目にしないタイルのエスニック柄を見ていると、どこか遠くに行きたくなってくる。どこへでも行けるはずなのに、あれから3年も日本から出てないなんてパスポートが泣いている。泣いてるを通り越して、ついに寿命は耐えてしまい、このあいだ新しく赤色を迎えました。暇を見つけては旅を計画するのが最近のひそかな楽しみ。だいたい固まってきたのでもう航空券とっちゃおうかな、です。

知らないばしょで知らないことを知っていく、それは怖いことでもあるけど、知らないことが知っていることを上回ることはないのだから、いつまでも無知な自分に新しい知識を与えていきたい。話は冒頭に戻るが、卵っていつになったら1パック200円くらいに戻るのか、有識者いましたら教えてください。納得の値段でカゴに入れ、1人暮らしで10個もどやって食べようか、の生活に戻りたいです。

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