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OLポテサラ日記⑲

昨日、父と山を登りました。父が仕事で島根に住んでて、友だちと旅行に行った帰り、そこに1泊だけさせてもらったのですが、帰る直前の数時間を父に任せたところ、用意してくれたプランが登山でした。7月、猛暑日です。

父は、島根に来てからよく山を登っているそうです。なんでそんな山登るん?と聞いたら、「まぁせっかくやしなぁ」と要約すれば「そこに山があるから」的なことを言っていました。私の実家は海が近く、小さい頃は父とみんなでよく海で遊んでいましたが、あのときの思い出も、すべてはそこに海があったから_____自然は偉大です。

まぁとりあえず登ろ

1019mから始まり、そのあとは100mずつ看板が励ましてくれます。1kmなんかすぐや〜と始めは余裕の顔してたけど、山頂まで900m、800mときたあたりで気づき始めます。100mの間隔がおかしいぞ。

私は小学校も中学校もそれぞれ片道2kmを歩いて通学し、高校は片道10kmを自転車で通い、大学も山の上にあったので20分かけて登っていました。なので1000mなんて余裕なはずなんです。でも、ときに道なき道があり、いい感じに勾配のある坂道は私の知っている1000mとは違うようでした。てかめっちゃ蚊に噛まれた。15ヵ所くらい噛まれました。そんな私に父は「需要があるのはええことや」とかなんとか言ってました。いやこんな供給やだし。

励ましの看板を前に
往復で考えたら4分の1なんよな〜とは言えんかった

父が言うには、本当は他にも連れて行きたい山があったらしく、私のいかにも登山に向かない服装を見て今回の山を選んでくれたようでした。登山ってこんな蚊に噛まれるの知らんかった。半袖で登るもんじゃない。でも途中、竹が風に揺られてこすれる音や、木漏れ日、ひぐらしの鳴き声、普段は感じられない山の偉大さには心が洗われるようでした。

登頂し、この景色を見て父はこれを私に見せたかったんだなぁとなんだかうれしくなりました。寡黙でちょっと変わり者な父と登山、この景色とセットで最高の思い出になりました。

パノラマ思ったより範囲広くて父うつりこむ

翌日、仕事にて朝からチームで打ち合わせがあり、島根からおかえりなさい〜と声をかけてくださったので父と登山した話をすると、「山頂でお父さんとどんな話したの?」と聞かれました。たしかに、こういうとき普段はできない話を親子でするものなのかもしれません。

思い返せば父との会話は「あれが大根島で、あっちが家の方向ね」と島根の地理を説明してくれたことしか思い出せません。私も、「大根島の大根ってあの大根?」とか「あっちが鳥取?」とかそんなことしか聞かなかったと思います。それだけ景色が綺麗で夢中になってしまったということで、まぁ父と私はずっとこんな感じだと思います^^

もうしばらく島根に行くことはなさそうだし、山もしばらく登ることはないだろうけど、帰りのバスの出発時刻ギリギリを攻めてまで連れてってくれた岬の景色も忘れられません。疲れて車の中で寝ちゃってたけど。遠くで桑田佳祐が歌っていました。寝ちゃってごめんなさい。

ふとしたときに、思い出す。それは噛まれたところがかゆいからで、しばらく定期的に父のことを思い出すと思います。

最高プランをありがとう。まだかゆいです。

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