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もっと遠くへ

昨日は寝落ちすることなく、ベッドでしっかり寝ることができたので、早起きも出来たし、朝から爽快でした。気持ちよく起きられると、それだけで嬉しい。

以前ベラに、目が見えないじゃないって注意されたので、時間に余裕もあったし、朝前髪を切りました。たしかに、ちょっと伸びていました。切りすぎてないはず。(笑)

Mar. 12

朝学校に着いたとき、以前スカンセンへ子どもたちと行った時の写真が6歳児のクラスの近くに貼ってあることに気が付きました。

って、過去を視覚的に思い出せるものが残されているのをみると、その時にしか写せない瞬間を残す写真って、迷わずどんどん撮っておくべきだな、と思いました。

火曜日の朝はFritidsの時間から始まります。そのまえに一度みんなで集まって、ちょっとした議論みたいなのが行われていました。

お題は「就寝」だったと思います。何時に寝るのか、寝る前に何をするのか、自分のことを話しつつ、こうしたらいいというのをみんなで話していました。

日本の小学生はどうなのか聞かれたので、私が小学生だったころの話をしたけれど、調べてみると最近はだんだんと小学生も遅くまで起きていることが問題になっていることが分かりました。習い事で帰りが遅くなっていたり、ゲームを夜遅くまでしていたり、日本の子どもたちの放課後は「良い」とは言えないと思います。

今日は、先週の金曜日にジーンと話し合って決めた紙飛行機をつくる美術の時間がありました。紙飛行機が飛ぶ動画を見せたり、実際にこれからつくる紙飛行機のモデルを飛ばしてみたりして、子どもたちの興味をひくことができたと思います。

プロジェクターで投影しつつ、見本を見せつつ教えましたが、思っていたよりなかなかスムーズに進みませんでした。一緒になって教えてくれていたジーンでさえ少し間違っていて、折り紙は大人でも難しいのかもしれない、ということに気が付きました。

折り目にそって綺麗に折れなかったり、見本を見るものの頭の中で思い描いている折り方を実際に折ることができなくて、なんで!?ってなってたり、折り紙は三次元の感覚をつかむ必要があって、脳の発達にいいのでは、と思いました。

そういえば去年の秋、私がフランス人の子のインターンシップのマネージャーをしたとき、その子が子どもが折り紙をすることの良さみたいなのを話していたことを思い出しました。そのときは、日本の文化を知ってくれて嬉しいと浅はかなことしか思っていなかったけど、そのときの言葉が今すごくわかる気がしました。

今日の美術の時間では折って完成させるのに精一杯でした。来週オリジナルの飛行機になるようデコレーションする予定です。でも自分たちですでに色を付け始めている子もいて、かわいかったです。

外で遊ぶ時間になると、自分がつくった紙飛行機をもって外にいき、みんなそれを飛ばしていました。遠くに飛ばせるよう何度も飛ばしていて、Kyoko!Look!って言ってくれる光景がすごくほほえましかったです。紙飛行機にしてよかった。

そういえば、これは後から気づいたのですが、私の参加しているEducation for Dreamというプログラムでよく使われている写真にも、紙飛行機が写っています。これはニューヨークの放課後かな。紙飛行機はギネスで滞空時間が競われるなど、全世界で愛される遊びなのかもしれません。

マリヤもこの学校に溶け込んできて、みんな彼女のことが大好きです。ディワはまたおんぶをせがんでいました。私がもう疲れてしなくなったからって、新しい人を見つけてお願いしてるんだな。

マリヤはこの学校の卒業生なので、自分が小学生だった頃と学校が少しずつ変わっていることに気づいていました。校庭に芝生ができていたり、ご飯が格段に美味しくなっていたり。この変な顔のオブジェはずっとあるみたいだけど。

今日は天気がいいのに風が冷たくて、本当に寒かったです。みんな、私のジャケットの中に入ろうとしてきます。この借りてるジャケット、本当にあったかい。

また授業に戻って、今度は算数。バッセム校長が来ていて、先生たちと一緒に子どもたちの様子を見て回り、自身も優しく教えていました。私が小学生だったとき、校長先生がこうやって生徒と密接に関わる光景はみたことないな。

食堂に移動する前はみんなで綺麗に並んでから行きます。先生が目を離すとすぐにこの列は解体するけれど。

今日のお昼!このズッキーニとパプリカがすごく好きでした。パスタは、子どもたちが食べやすいように短くなっています。

一方、子どもたちのお皿はというと、本当にいつも寂しいです。子どもたちが好きなものをとったとしても、なんとかバランスがよくなっているのはシェフのおかげです。この場合、ミートソースがタンパク質、パスタが炭水化物、コーンがビタミンです。

でもシェフが用意してくれている料理はもっとたくさんあります。どれも美味しいんです。本当にもったいない。子どもたちに美味しいよ、と言っても嫌いだから食べない、とお皿にとろうとしません。

先週の金曜日に食堂リニューアルを祝った際に使われていた看板がまだ残っていて、私はこれを上手くつかえないかなと考えました。先生に聞くと自由に使っていいよと言ってもらえました。

急にマリヤがこのトイレへの廊下を見て、何か思い出したようにあたふたし始めました。聞くと、マリヤは小学生の頃、ある男の子のことが好きで、そのことを友達が彼に伝えたと知ったとき、このトイレに駆け込んだそうです。

その彼もマリヤを追いかけてトイレの前まで来ていたそうで、そのこともあいまってずっとマリヤは泣いていたそう。マリヤが好きだった彼はそのとき、トイレにずっといても何も始まらない、君の顔が見えない、と言ったそうです。彼はなんなんだ。(笑)とにかくマリヤの初恋?の話に私も盛り上がってしまってすごく楽しかったです。

次は体育の授業でした。マリヤ曰く、体育の更衣室も一新していたみたいでした。たしかに、本当にこの施設は綺麗です。

マリヤが小学生だったころはシャワーも1つしかなかったそう。今は6つあります。でもマリヤがこの学校を卒業したのは2年前だから、そんなに時間がたっているわけではありません。学校中が改革され、そのすすんだ状態をタイミングよく見ることができてラッキーだなと思いました。

お昼休憩の時間はマリヤと話していました。マリヤはコーヒーより紅茶派らしいです。話を聞いていると、マリヤはすごく優秀な学生だということがわかりました。学校で1番の成績をとり賞をもらった経験があるほか、すでに4か国語が話せて、あと何か国語かは聞いて理解できると言っていました。

マリヤはセルビア出身なので、私も世界史で学習したことを思い出しながら、ユーゴスラヴィアだったころの話、現在のセルビアのことを話してくれました。

第一次世界大戦は、セルビアの青年がオーストラリアの皇太子を撃ったことがきっかけでした。サラエボ事件です。マリヤのおじいちゃんは、小さいころに戦争を生きた人であり、それもあってマリヤは歴史を学ぶことにとても興味があるそうです。

その他の興味といえば、KPOPの大ファンだそう。ラブライブなど、日本のアニメも好きみたいで、日本語を少し知っていました。マリヤはフレンドリーで、優しくて、だからすごく話しやすいです。

教室に戻ると子どもたちはスウェーデン語の本を先生と一緒に読んでいました。夜の森という、少し怖いお話でした。

私もGoogle翻訳をつかいながら英語に訳して、物語を読み進めていきました。カメラで撮影したところをスキャンして翻訳するなんて、最近は本当にすごいなと思いました。

最近は翻訳機が発達し、語学の重要性が以前より薄れているように思います。でも、翻訳をしながらスウェーデン語に文字として触れると、語学が好きで、昔、マルチリンガルになって世界中を飛び回るんだと外国語大学を志望していたときのことを思い出しました。

でも今は自分のなかにちょっとした変化があって、何(手段)で伝えるか、というより、何(目的)を伝えるかというほうが重要だということを気づきました。もちろん、語学は奥深くて、マルチリンガルへの憧れもなくなったわけではないけど。

今日のおやつです。マーガリンとチーズはおやつによく登場します。

今日は子どもたちはなぜかいつもより早く帰っていて、先生たちは、15時から月に1度のミーティングがありました。日本でいう職員会議のようなものだと思います。

私はマリアと話しながら、残っている少しの子どもたちと一緒に絵を描いていました。これ、明日食堂の前にある看板に貼ってみようかな。

途中、男の先生がマリアと私にサンドウィッチを持ってきてくれました。先生たちは、このサンドウィッチを食べながらミーティングをしていたそうです。ツナがたくさん入っていて、美味しかったです。

マリヤは熱心に日本語を勉強したいと言っていたので、少し日本語も教えていました。日本にはひらがな、カタカナ、漢字の3つの文字があり、いつもこのことを紹介すると、どう使い分けるのかを聞かれます。たしかにこう考えてみると、3種類の文字を使いこなして分をつくるって、すごく大変なはずなのに、特に何かを意識することもなく使ってる日本人って面白いなと思いました。

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帰りのバスに、犬が乗っていました。スウェーデンでは、後方ならバスでも犬と一緒に乗ることができます。電車も、動物を乗せていい車両とそうでない車両に分かれていて、配慮がなされています。

獣医学部の友達が、ヨーロッパは動物や環境に対する教育が進んでいると言っていました。街でも犬はよく見かけますが、その、人間が動物と共存している感じがすごく好きです。そういえば、よく駅で見かける鳩もすごく人に懐いています。

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今日は子どもたちと紙飛行機をつくったけれど、紙飛行機って、ほんの少しのずれや、折り方1つで飛ぶ距離や飛び方がすごく変わります。

日々のことも同じで、私も、自分の紙飛行機がうまく飛ぶように、細かいところもこだわりながら工夫して、できるだけ遠くに、美しく飛ばせるようにしたいなと思います。

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