読書レポート:稼げるコンサルタント 稼げないコンサルタント

■書籍紹介

著書:稼げるコンサルタント 稼げないコンサルタント
著者:柳生 雄寛
出版社:すばる舎

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■年収1億円にあこがれているだけの人と、年収1億円の時給が言える人

稼げないコンサルタントは年収1億円に憧れているだけで、稼げるコンサルタントは年収1億円の時給がいくらか言えます。

1億円の収入を得ているコンサルタントは、1時間当たりいくら稼げばいいのかを知っています。
そう、知っているか知らないかの違いなのです。

企業に属している人は給料という形のため、少し考え方は変わりますが、市場に出た時にどれだけの利益を生み出せる人間なのか、を考える基準になると考えています。

ちなみに、1億円を年間で稼ぐ人の時給は約5万円です。(12か月、月稼働日20日、8時間勤務とした場合)


■年収を上げようとする人と、時給を上げる方法を考える人

ビジネス書では「自分の理想の年収をイメージする人だけが、その収入を達成する」とよく書かれています。

しかし、そうした人は達成が難しいと著者は言います。
理由は「数をこなそうとするから」だそうです。

では、時間単価で考えられる人はなぜ稼げるようになるのか。
それは、時間単価を上げるためにどうしたらいいかを考えるからです。


ここまで稼げるコンサルになるための考え方について書きましたが、ここからは稼げるコンサルのコンサルワークについて書きます。


■真剣な眼差しでジーっと話を聞く人と、うなずきながら話を聞く人

「クライアントの話をうなずきながら聞く」ということは、稼げるコンサルタントになるために非常に重要な事と著者は言います。

なぜなら、うなずきとは、相手に「聞いています」というサインを伝えることになるからです。相手に心を開いてもらうためのはじめに踏むべきステップなのです。

クライアントである経営者が抱いている悩みは、正直なところ第三者には言いにくいものです。
だからこそ、コンサルタントはクライアントである経営者が心を開きやすいように話しやすい環境を作ってあげなければいけません。

稼げるコンサルタントは、うなずきの効果を上手く使って、相手から話を引き出せるのです。そして信頼関係を一気に築くことができると著者は言います。

普段の3倍くらい、うなずくことを意識して、少し大げさなくらい頭を振ってみましょう。私は電話でも頭を振ることをやってみます。


■自分の考えを押し付ける人と、相手の価値観を認める人

このタイトルでは、どう考えても「相手の価値観を認める人」の方が良いように感じると思います。

結論その通りなのですが、なぜそうなのか、理由がこの本には書かれています。

経営者というのは、極端な話をすれば、自分のやりたいことをやるために独立した人とも言えます。つまり、他人からあれこれ言われて動くよりも、自発的に動くことを良しとする人がほとんどです。

そうした経営者に対し、稼げるコンサルタントは自分の手法を上手く相手に伝え、自発的に実行してもらう働きかけがうまいのです。

ポイントはコンサルタントが素直になることです。

素直といっても、言われたことに対して「はい!」と答える素直さではなく、否定も肯定もせず、相手の価値観をまず認めてあげることだと著者は言います。

この素直さが経営者がコンサルの意見を聞き入れて、自発的に動いてくれる布石になるのです。


■レスポンスがワンパターンな人と、レスポンスに緩急がある人

ビジネス書では、メールのレスポンスのスピードによって一流か、二流かが分かれると良く述べれられています。しかし、著者の考えとしては半分正解で半分不正解だと言います。

大前提として、レスポンスが遅いコンサルタントは失格です。
クライアントに不安を抱かせてしまうためです。
「メール見てくれたかな?」「私の優先度は低いのかな?」とモヤモヤした気分にさせないことが前提となります。

稼げるコンサルタントになるためには、「あなたのことを大切にしていますよ」というメッセージを送る習慣を持ち、相手を安心させてあげることが大事なのです。
そうすることで、お互いの信頼関係も出来上がってくるからです。

しかし、ただ「すぐに返信」すればいいわけではありません。

質問してすぐに返ってきたら、相手は「この人は本当に真剣に考えて答えを用意してくれているのかな。」と不安になる場合があります。

高級なフレンチレストランで注文してから30秒で料理が出てきたらどう思うでしょうか?
「あれ、作り置きかな、、?」

コンサルでも同じです。
テンプレの回答をもらっただけなのかな?と思ってしまいます。

全てにおいて返答が早ければよいというものではありません。
質問が来た際の対応として、すぐに回答ができる簡単な質問ではない場合は、「メール見ました!」の一次返信をした後、しっかり考えてたうえで返答メールを送ることが信頼を得るメール対応なのです。


■言葉の定義が曖昧な人と、言葉の定義が明確な人

言葉の定義と書いていますが、私は事象に対する認識も同じだと思っています。
現場では、「コンバージョンを伸ばしてほしい」というクライアントに対し、「承知しました!伸ばします!」というコンサルタントの返答では、何も明確になっていないことが多々あります。

正直、「クライアントにこれ以上質問すると嫌がられるんじゃないか」という考えのもと、「承知しました!伸ばします!」と言ってしまっているケースが多いんじゃないかと思います。私はそうでした。

しかし、どれくらいまで伸ばしたらクライアントが満足してくれるのか、そこが分からないと、成果が出せないということです。

クライアントと認識を合わせなければ的確なアドバイスができないし、踏み込んだ提案もできないのがコンサルという仕事です。


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