台本『心の溶かし方β』

すべてにケリをつけて終わらせよう


※これは、VOCALOID曲『炉心融解』の二次創作台本です

※ショッキングな内容を含みます。閲覧にはご注意ください

※『心の溶かし方α』の続編です



□□

政府から支給されたエーテル麻酔は、そこにいた全員を眠らせるのに十分すぎる量であった

「病気を治す薬だ」といって、淡々と、自分とは違う肌の色の兵士達にそれを投与していく

命を救う側である医師が、まさか命を奪う側になるとは……

眠りについた兵士たちを、山のようにして積み上げると、
俺たちのうちの誰かがそこへライターを投げ込んだ……


□□

もう俺は耐えきれない

ベランダに灯油を撒《ま》き、座りこむ
右腕にはエーテル麻酔を注射し、
たばこを咥えて、目をつむった

間もないうちに、意識は底へ落ち、眠りにつくだろう……
そうすると、口から離れたたばこが灯油に落ちて、すべてを終わらせてくれるだろうなァ

あの日見た山と同じように、俺もあかあかと燃えていけるのだ


□□
──夢をみた、素晴らしい夢だ

俺は、核融合炉に真っ逆さまに落ちていく

身体はパラパラと壊れ、その欠片は流れ星のように眩《まばゆ》い光を発しながら消滅していくのだ

あぁ、こんな安らかな気持ちは何年ぶりだろう──……

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