見出し画像

RIZIN 38 RIZIN版ヤングライオン杯決勝戦!!THE SMOKING DIAMOND

萩原京平VS鈴木千裕

このカードが発表された時、とても複雑だった。なぜなら、どちらの選手も好きで負ける姿を見たくないからだ。格闘技は立ち位置やタイミングによって一つの負けで大きく人生が変わる。今回の二人の対戦はそういう意味でも慈悲深く残酷な戦いだと思う。若き両雄は死に物狂いで勝ちに来るだろう。強豪に連敗して来た萩原京平。同階級のライバルに競り勝って来た鈴木千裕。ある意味二人の今の本当の実力が見れる貴重な試合なのかもしれない。正に丁度良い二人なのだ。どちらかが負ける姿は見たくないが、二人がバチバチに噛み合って、甲乙付け難い引き分けで終わってくれたら何より嬉しいか。しかし、両雄はそんな甘っちょろい考えなど微塵も無く、お互いが全局面で圧倒して勝つもりで挑んで来るだろう。萩原京平はドミネーター選手、クレベル選手と寝技師に一本取られ負けてはいるものの、1R序盤のスタンドの攻防では見せ場をしっかり作り、もしかしたらのシーンを見せてくれた。朝倉未来戦からコロナ禍のRIZINを一番身体を張って盛り上げて来た選手は萩原京平と言っても過言ではなく、試合でしか得られない経験値も相当積んで来たと思う。クレベル戦を最後に一旦酷使した体を休め、自分を見つめ直し、練習方法などを改善して来たようだ。松山誠と岩崎正寛の師匠を軸に持ち前の行動力と彼の持つ魅力に惚れたスポンサーのサポート力を最大限に活用し、タイ、ブラジルへの修行を敢行。平本蓮戦以降、急激に上がった株で人気先行型になっていた自分を見つめ直せたと自身のYouTubeでも語っていたように、格闘技術の他にメンタルの部分でもハングリーだったあの頃の気持ちを取り戻せたようだ。萩原京平の魅力は自分を誰よりも信じ、周りも彼に全ベットしたくなってしまう、持って生まれたスター性だ。そういう選手は中々いない。戦績だけを見れば、6勝6敗とトップ戦線で活躍出来る成績では無いが、歯を食い縛りながら這い上がって行く彼の姿と外見のダークなイメージとは真逆な好青年な一面がファンを惹きつけているのではないだろうか。一方鈴木千裕は、landmark大会での平本蓮戦以降の試合。その戦いでは、平本蓮の距離で戦い、フラッシュダウンを奪い、拳を負傷しながらも終始試合を有利に進め判定勝利。怪我の回復もあって今回が復帰戦。元々、ネオブラなど登竜門的な大会で優勝し、その後キックに転向しチャンピオンになり、現在は二刀流を売りにRIZINでスターを目指すヤングライオン。彼の生まれ持ったフィジカルの強さは、ここぞという時に存分に発揮される。東京を拠点に出稽古も積極的に行い、パラエストラでの組みの強化、沖縄へ単身修行、萩原京平と対戦し勝利した朝倉未来との練習など、強くなる為、貪欲に練習を重ねトータルでレベルアップを目指している。平本蓮との戦いで痛めた拳も完治し、問題無く100%の力でブン殴れると自信のYouTubeでアピールしていた。多くの選手がこの二人の戦いに興味を示し、展開予想を上げている。勝利予想はほぼ五角だが、フィジカルと組みの強さから鈴木千裕が一歩リード。しかし、萩原京平の戦って来た相手、RIZINでの経験値を考えるとかなりの上積みがあるような気がしてならない。お互い1Rから倒しにいくとは思うが、意外と慎重になり過ぎて平本蓮と怪物君みたいな凡戦になりかね無い…いや流石にそれは無いか…。あってはならない。その事を二人とも分かっていての一戦だ。連敗してはいるが、海外修行や言動、チームの作戦力から萩原京平に幻想を抱きシャープな打ち分けでカウンターを顎にぶち込むのか。鈴木千裕が近距離のガチャガチャの打ち合いで沈めるシーンも想像出来たりと。考えれば考える程、名シーンが飛び交ってしまう。二人のファンとしてはどちらが勝っても負けても、辛い酷な戦いだ……



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?