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【オリジナルシナリオ1】タウン編

お断り

・これはデスオアグローリー用の自作シナリオのテストプレイを物語風にアレンジしたものです。

・茶番劇が嫌いな方は早めのブラウザバックをお願いいたします。

・登場するミニチュアは塗装してないものもありますが、間に合わなかったと言う事で、白い目で生暖かく見逃して頂けると幸いに思います。

・登場するミニチュアで実際のモジュールに指定されている職業と違うのがありますが、手持ちのミニチュアの在庫上、ストーリーを少し変更してありますので、ご了承のほど、よろしくお願いいたします。

・ハーミットイン関係の方も、こういうのは辞めてくれ等の事がございましたら、ツイッターなり何かしらの方法でご連絡いただけたらと思います。

DEATH or GLORY死か栄光か

この世界には沢山の宝石ジェムがある。
でも最初に君が持てるのはごく僅か。

それが君の運命の道しるべとなる。
君が進む先にあるのは死か栄光か。

さぁ、未知なる冒険の世界へ旅立とう。


依頼

君たちは近隣の村から依頼を達成し、数日ぶりにダミオの町へ帰ってきたのだ。

重たい足を引きずりながらも、リヴェーヌの翼亭へと戻り、扉に手をかけると怒声が響いている。
何事だと思いながらも、早く暖かい食事と暖かいベッドで眠りたいと中に入ると、町長のイッチャと酒場の主人リョクが何やら口論しているところだった。

そして君たちに気が付いたリョクが君たちを暖かく迎える。
同じくして君たちに気づいたイッチャが物凄い勢いで近づいてきた。

「お前ら、やっと帰ってきたか。
 村での依頼はどうだったんだ?ちゃんとこなしてきたのか?
 迷惑はかけなかっただろな」

などと、君たちをまくしたてる。
だいぶ気が立っているように見えるが、これは彼の平常運転なのだ。
怒鳴りつける癖は抜けないながらも、相手の事をちゃんと気遣う辺り、憎めない。

「帰ってきて早速だが、きさまらには別の仕事をしてもらうぞ。
 町の一大事だから拒否権なんぞ無いからな!」

町の一大事と言われては君たちは断れない。
とにかく話しを聞いてみることにした。

町では、数日前から現れた巨大ネズミに、ネズミ捕りが数名襲われ、下水道で働く人たちがこぞって仕事をしたくないと言い出してしまった。
このままでは町の衛生に問題が生じる。

そんな状況に、イッチャはまだ冒険者どもは戻ってこないのかと、怒鳴りつけにきたのだ。

君たちは1つの依頼を終え帰ってきたばかりだ。
何をするにも休息と準備する時間は欲しい。

準備必要なので明日明後日の2日間を貰い、明々後日の朝一に対応を開始することを約束した。

イッチャは渋々ながらも、君たちが依頼を受けてくれた事にご満悦の様子で帰って行った。

リョクは、君たちに 突然な事で本当にすまんな と申し訳なさそうに言ってきた。

翌日はゆっくり休んだ君たちは、翌々日、準備のための買い出しと、情報収集に分かれて動き出したのだ。
ルシエズ、ルファーク、シーズの3名は情報収集に、
サーランとカインは買い出しに、

クリュウフは夕方まで起きることはなかった・・・。

噂話

カインとサーランは元気よく買い出しに出ていった。

残ったルシエズ達はまず、何の情報を集めるか談義していた所、行商人のドマイから不思議な話しを聞いた。

「さて、何の情報を集めるかだな」
「そうですね、可能なら被害者の方々の話しを聞くのが良いかもしれませんね」
「それならば某が施療院の人間に話しをつけましょうぞ」

相談していると、不意にルファーク達の後ろに居たヒューマンが話しかけてきた。

「これはこれは皆さん、おそろいで」

同じ宿に泊まっている行商人のドマイさんが話しかけてきた。

・・・すぐさまルファークとシーズが俺の後ろに隠れる。
どう考えたってお前らが俺の後ろに行った所で隠れられるわけねえだろう。


「先ほど情報を・・・と申されてましたな」
「あぁ、今回町長に下水道にかかわる依頼を受けたからな」
「そうでしたか。
 もしかすると何かかかわる事がありませんので、こういうお話を提供しましょう」

それは、ロム伯爵の所から王家に献上する予定だった秘宝が盗まれたらしい。
そして、その犯人がこの町の方に逃亡してきたらしい。

その秘宝が巨大ネズミの発生につながる?

「もしかしたら、犯人が下水道に逃げているかもしれない・・・と?」
「さぁ、私にはそこまではわかりません。
 でも、最悪の事を考える場合の判断材料にはなるのではないかと・・・」
「そうだな、ありがとう。
 情報料はいくらだ?」

そう聞くとドマイは笑いながら答えた。
「ほっほっほ、まだまだお若い。
 報酬の事を話すのであれば、それは先に済ませておかねばなりませぬぞ。
 そうでなければ、支払えぬような莫大な請求をされかねます。」

そういえばそうか。
もしここで情報量は俺たちの装備とか言われたらシャレにならねえな。

「いいですなあ、若い子の悩む姿。
 今回はお代はその表情で結構ですぞ」
「・・・すまない?
 ありがとう。
 勉強になったよ」
「いえいえ」

なんか笑みに不気味さがあるが、気にするのはやめておこう。

それより二人が尻を隠していたのは、どういう事だろう。
その事にルシエズが気づくことはなかった。

容疑者?

サーランとカインが各種装備を補充しているとドワーフの衛兵、ウォルバートに呼び止められた。

「最近、怪しい人物がこの町に居るらしいんだが、キサマの事じゃないだろうな」
「そんなオイラの顔を見ていきなり、猥褻物陳列罪の疑い掛けるとはひどいっすよ!」
「疑いじゃないんじゃない」
「さらに追い打ちっすか!!」 orz

ウォルバートが豪快に笑いながら、
「わかってるわかってる。
 お前らがこの町や周辺の村々の為に頑張ってるのは知ってる。
 だが、これも職務なんでな、一応確認しただけだ」
「オイラが猥褻物だってことを・・・っすか?」

ウォルバートは笑いながらそれを否定してくれた。
どうやらここ数日、墓場で人が居ないはずの時間に焚火らしき明かりが見えたり、記憶が曖昧になっている人種ひとしゅが居るとのこと。

何か怪しい事がダミオの町で発生しているようだ。

施療院

俺たちは相談した通り、町の施療院へやってきた。

ルファークが、施療院の人間と交渉してくれ、何とか軽度のケガ人なら大丈夫と、面会を許された。
もちろん、ちゃんと俺も一緒に寄付したよ?
俺もこの施療院でお世話になったこともあるからな。

話しによると、最初に被害にあった男性(重傷者)は今まで見た事のない巨大なネズミに突然襲われたらしく、足を失ってしまった。
それから数日、巨大なネズミを見る奴が増え、中には巨大な蛇を見たとか、不思議な何かに突然斬られたと言う者もいたそうだ。

それともし、下水道に行くならマディシンって薬師の所へ行って薬を売ってもらえと言われた。
どうやらネズミにかまれた時、万が一下水に落ちた時に、彼の薬なら変な病気にならずに済むとのことだった。

「カインの変な事を言う病気も直せねえかな」
「それは神でも作れぬ薬でしょうな」
「お二人とも(^^;」

そして一番大事な、彼らネズミ捕り、汚水汲みに従事する人種ひとしゅが持つ、下水道の地図を借りることができた。

俺たちは施療院を後にし、薬師の元へ赴くこととした。

「ネズミだけならまだしも、蛇や斬りつけてきた何かって、どういう事でしょうか?」
シーズが不思議に思うのも無理はないよな。
俺だって想像がつかねえ。
でもあるとしたら、さっき聞いた逃亡者ってやつだ。

「これは何にしても、最低最悪の状況も視野に入れねばなりませぬな」
「あぁ、そうだな。
 カイン達の補充品も、俺たちでちゃんと見直ししねえとな。
 備えあればうれしいなって言うしな」
「ルシエズさん、、、それは、備えあれば憂いなし・・・ですよ。」
「そ・・・そうとも言うな」
「そうしか言わないですぞ」
「・・・おし、次だ次!」

薬師

露天通りで彼の店を見つけることができた。

 マディシン薬品

早速、事情を話し薬を売ってもらう事とした。

「お前たちは、ネズミ捕りや汚水汲みに従事する人種ひとしゅではない。
 だから、彼らに卸す値段で卸す事はできない」
「はい、それは重々承知です。
 それでおいくらになりますでしょうか?」

おいおいシーズ、俺らは町長の依頼で動いてるんだぞ?
そう顔に出ていたんだろうな、ルファークがそれに気づいて俺に小声で
「ルシエズ殿、彼はきっと安い値段だと我らが買い占めてしまう事を恐れているのであろう。
 もしそうなったら、復職したネズミ捕りや汚水汲みに回せなくなりますからな」

あぁ、そうか。
俺たちが依頼だからって買って、事件解決した後、あいつらが買えなかったら意味ねえもんな。
なるほどなと思った。
シーズが頑張って交渉してくれて12個を金貨4枚だったところ、金貨3枚にまけてもらった。

ルファークの奇跡を頼りにするだけではいけないので買っておこう。
備えあれば・・・うれいなし! だ

抗争に巻き込まれる

サーランとカインが買い物を続けていると、露天通りの中央付近でドワーフ、ノームの一団とヒューマンの一団が何やら怒鳴りあってる所に出くわしてしまった。
彼らの怒鳴り声を聞いていると、どうやらヒューマンのネズミ捕りの方がケガした人が多く、ドワーフやノーム共のせいだと怒鳴っている。

町の北側にヒューマンと南側にドワーフやノームが暮らしている。
先に住んでいたのはヒューマンだと主張する一部のヒューマン族。
共同でこの町を育ててきたんだと、昔から住んでいるドワーフ族、ノーム族。

昔から彼らはこうしたいがみ合いを続けている。

そんなところに出くわしてしまったのだ。

「とりあえずこんな時はこれっすよ」
「どうするのよ」

「えーーいへーーーいさーーーーん、喧嘩っすよーーー!!!」

その声を聞きつけ、ヒューマンとドワーフの衛兵が集まってきた。

どさくさに紛れてカインとサーランはすたこらサッサしていた。

「ねえ、あまりにも無責任じゃない?」
「だったらサーランは何かできるっすか?」
「そう言われても・・・無理かな」
「この町に住む人の問題はこの町に住む人が解決しなくちゃいけないっすよ」
「確かにそうかもしれないけど」
「けどって言われても困るっすよ?」
「・・・もう」
「豚?」
「せめて牛って言ってよね」
「んとこちょ」

道具屋

「すんませーん、リヴェーヌの翼亭の方から来たっすー」
「ねえ、突っ込むのも疲れてきたんだけど、とりあえず言うね」
「なんすか?」
「その、どこどこの方からっての、必要?」
「お前ら、毎回店に来るたびに夫婦漫才しないと気が済まないのか?」
夫婦めおとじゃない!」
「んで、いつも通りの品物でいいのか?」

道具屋のご主人は毎度のやり取りに呆れつつ、手際よくいつもの荷物をまとめてくれた。

「そういやお前らさ、ちょっと見てほしい所があるんだけどよ」

そういってご主人の手招きに従い、地下の倉庫へ行った。

「つい数日前なんだがな、寝ていたら何やらゴリゴリ聞こえるんで、カミさんと見に来たらこの穴が開いていたんだよ。
 どうやら商品が何個か盗まれてるっぽいんだ」

ご主人の話しでは、板で塞いでもこじ開けられたらしい。
ネズミなら道具を盗むとは考えられないし、何より塞いだ穴をこじ開けるなんてもってのほかだ。

「お前ら、町長から下水道の調査頼まれたんだろ?」
「何で知ってるっすか?」
「カミさんが昨日、聞いていたからな」
「そうなんだ」
「それでな、すまんが一緒に盗まれたモノを取り戻してもらえねえか?」
「まあ約束は出来ないっすけど」

ご主人の依頼も受ける事とした。
盗まれたらしい商品一覧を受け取ると更にご主人が、松明3本とランタンの油3つをくれた。

「ちょっと古いが使ってくれ。
 これは俺の依頼を受けてくれたお礼だ」

ありがたいことなので、頂戴することとした。

出発

俺たちは仕入れた情報や物資の精査を行いながら飯を食った。


うん? なんかちょっと豪勢だな。
この煮つけ、頼んだかな?

リョクの方を振り返るとニカっと笑いながら、
「俺からのおごりだ、食え」

ありがたい、この食事をまた食えるように、ちゃんと帰ってこねえとな。

◆◆◆◆

次の日の朝、町長がわざわざ君たちを迎えに来た。
下水道の入口は町の外れにあるらしく、案内してくれるそうだ。

歩きながら町長は俺たちに話しかけてきた。

「下水道の地図は持っているのか?」

と君たちに質問をしてきた。もちろん持っていると答えると、少し不満そうに

「ふん、準備だけはしっかり出来てるのか。
 せっかく持ってきたのに無駄になったわい」

と愚痴をこぼす。
とりあえず聞かなかった事にしておこう。

「もし地図と違う箇所、気づいた箇所には必ず印を付け、後で報告するんだぞ。
 冒険者の分際で地図すら読めないようなアホじゃないだろうな?」

俺たちは大丈夫だと答え、印の事も了解したと答える。

町はずれの小さな納屋。
ここに入口があると言う。

普段は鍵をかけていない小屋だが、今回は事が事なので鍵をかけていたらしい。
そのカギを開けながら町長は俺たちに
「いいか、絶対に戻ってくるんだぞ。
 お前の死体捜索に出せる人間なんていないんだからな!」
と、釘と刺されてした。


まったく、口は悪いが優しい人だな。

君たちは、静かに口を開け、犠牲者が入ってくるのを待っている下水道入口を覗き込んだ。

そこは静かに水音だけが響いてくるのだった。


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