見出し画像

カンボジアで支払いを拒否された話

カンボジア旅行1日目


ベトナムを去ることへの名残惜しさはあったが、タンソンニャット空港に着いた際には、次なる旅行地への期待感で高揚していた。出国時にもストレスはなく、最後までベトナムは印象が良かった。

ATR 72号機という種類らしい

シェムリアップの空港(旧空港)に向かう飛行機は、カンボジア・アンコール航空であった。出発時刻直前に搭乗ゲートが変更になったことを知らされたため、危うく飛行機において行かれそうになった。

なんとか乗りこんだ飛行機はプロペラ機でこじんまりとしており、おまけに内装が少々ぼろかったため、不安を感じたが、飛行機は無事に出発した。


入国カードを記入した僕は、窓からカンボジアの国土を見下ろした。

伝わってほしい

カンボジアの事前情報として、外務省の例の渡航危険度が1であること、
地雷がいまだ眠っていることの二点しか知らなかったが、
窓から見たカンボジアの大地は、僕が今まで見てきた国々とは異なり、整備の行き届いてない、発展途上国のものであるような印象を受けた。


シェムリアップ空港には、夕方に到着した。旧シェムリアップ空港は小規模であり、平屋のような建物が連なっていた。そのため飛行機から降りた後は、ターミナルまで徒歩で移動しなければならなかったが、かえって高揚した。

このターミナルは現在使われておらず
今は中国出資の新ターミナルが使用されているらしい


空港では初めに観光用のビザを購入し、入国後にはシムカードも手に入れ、難なく態勢を整えたように見えたが、ビザ購入時に、おつりでもらったアメリカドルが、のちに災いをもたらすことは、このとき想像できなかった。



そうこうしているうちに日が沈んだため、タクシーで宿まで移動することにしたが、グラブのアプリでタクシーが呼べなかったため、不本意ではあったが、空港にいたトゥクトゥクと交渉することとなった。

ベトナムで体調を崩していた僕に代わり、同行していた友人が様々な交渉をしてくれて、非常に助かった。元巨人メルセデスにそっくりなトゥクトゥク運転手との交渉が終了し、宿まで行く運びとなった。

道中では巨大な観覧車(日本から運び込まれたものらしい)などの見どころはあったが、スマホのひったくりを恐れていた僕は写真を撮ることはなく宿に向かった。
シェムリアップの中心街は、人通りの多い箇所と少ない箇所がはっきり分かれており、治安への懸念はますます強まった。


トゥクトゥクはこんな感じ
ベトナムのバイクタクシーほどではないが、ちょっと怖い

到着した宿の入り口には、鉄格子がきちんと存在していた。治安の悪い地域では、鉄格子が利用されていることを、今まで読んできた旅行記たちからの情報で知っていたため、不安に駆られた。


トゥクトゥクの運転手とラインを交換し、後日のアンコール遺跡観光案内の交渉を済ませた後、宿のチェックインを済ませようとした際に、大きな問題が生じた。僕のアメリカドルの使用が拒否されたのである。




ここで、簡単にカンボジアの通貨について説明しておくと、カンボジアでは現地通貨のリエルと、米ドル札の二種類が流通している。レートは1ドルおよそ4000リエルである。

ここからが問題点、
まず現地通貨リエルは国際的信用価値が低く、他の通貨に両替することが困難なのだ。自分には、このような経験は初めてであったのでショックを受けた。
外国人観光客はカンボジア(特に観光地であろうか)において、基本的にはより信用の高い米ドルを使用し、1ドル未満ののおつりが生じた場合などにリエルを使用するようである。

よってシェムリアップの観光街では、1ドル飯、3ドル飯などの、安く、切りのいい値段の飯がたくさん食べられる。


そのため、コンビニなどで少額の買い物をした際にもらうリエルを、いかに消費するかが勝負どころである。しかし、これだけならば、どんな国でも両替できない小銭は存在するため、少々面倒くらいで済む些細な問題である。


3泊4日毎日お腹が痛くて、コンビニでヨーグルトを買っていた



真の問題はここからである。


カンボジアでは米ドル札の状態に対するチェックがとても厳しいのである。つまり、わずかな切れ込みが紙幣に生じている時点で、その米ドル札の受け取りは拒否されてしまう。僕の20ドル紙幣にもほんの少しの切れ込みがはいっていたために、宿での支払いが拒否されてしまったのだ。


クレカも使えなかったため、仕方なく、きれいな少額紙幣を大量に消費した。前述のとおり、カンボジアではおつりにリエルを渡される場合があるため、1ドル札等の小額の米ドル紙幣が重要で、額面以上に貴重になる場合も多い。



僕は緊急事態に焦り、自分の50ドル札を確認した。






その50ドル札は切れ込みはなかった。が、しかし、紙幣には、筆記体でサインのようなものが殴り書きされていた。俺は、激怒した。

これは怒っていいですよね


ここから先の旅行では、お金があるのに常にお金の心配をしなくてはならないという状況に陥った。(ちなみに、リエルはどんなにボロボロでもなにも問題はないようだ、なんやねん)




僕にこの紙幣を渡した犯人は、空港で観光ビザを購入した際の職員であった。空港のATMから出た紙幣はピン札であったように記憶しており、空港から宿のチェックインまで、大きな金額の紙幣の出番はその一回しか考えられないため、ほぼ断定できるだろう。

カンボジアに旅行に行く際は、ビザ購入時や観光地(ここではアンコール遺跡群入場券)における支払いで、現金の使用はできるだけ避けるべきなのかもしれない。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?