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衝撃、、予防接種の個別通知を送っていても接種率1%未満

実は、今もHPVワクチンについての個別通知を送付している自治体があるのですが、調べてみると、個別通知を送っている自治体でも接種率は1%未満という衝撃の結果でした。

これからHPVワクチンについて情報提供をしていこうという自治体がでてきた時にすごく大事な情報だと思うので、ここでシェアします。

■ 接種率低迷の背景

子宮頸がん予防のためのHPVワクチンの接種率が1%未満となってかれこれ丸6年になろうとしています。

接種率1%未満の状況が続いている原因は、

① 不安:HPVワクチンの副反応が疑われた時の報道の印象が残っていて、なんとなく不安

② 情報不行き届き:厚労省が積極的勧奨を中止しているため、自治体から個別通知が届かないがゆえに、定期予防接種であることすら知らない

大きく分けるとおそらくこの2つで、

年月が経つにつれて、HPVワクチンの話題自体が風化してきて、どちらかというと『情報不行き届き』の方が問題なのではないか、
うつかうたないかは個人の自由ですが、情報はしっかり届ける責任が国と自治体にはある、せめて情報はちゃんと届けてほしい、と思っていました。

■ 予防接種の通知を送っていても接種率1%未満

ところが、よくよく調べると、
全国1741自治体のうち、
少なくとも6自治体(2019/6/7 時点)では、
HPVワクチン定期予防接種対象者へ個別通知を送っていました。

6ヶ所だけ!?と思われる方が多いかもしれませんが、

HPVワクチンについていろいろ活動していても、どこも通知を送っている気配を感じることのなかった私は、
“6ヶ所も!?”
と驚きました。

通知を送っている自治体での接種率がどの程度なのか、
自治体ホームページには掲載されていないので、
各自治体に問い合わせてみました。

その結果は、接種率0.20-0.49%という、衝撃的かつ残念な結果でした。

個別通知を送っていても、
つまり、個々へ情報を届けていても、
その分の予算を割いていても、
接種率は、個別通知を送っていない他の自治体と差がないのです。

これがどの程度衝撃的な事実かというと、
同じく定期予防接種の他の予防接種の接種率を見れば一目瞭然。

※国立感染症研究所 H28年度累積予防接種率調査結果より
※複数回接種推奨の予防接種については、1回目の接種率

さらに、定期予防接種でなくて任意接種のロタで約45%、おたふくでも約30%の接種率。

(note初心者なもので、表の解像度が低くてすみません。。)

■ なぜ個別通知を送付しても接種率が低いか

ここからは推測、考察になりますが、
理由として考えられるのは2つ。

① 過去の副反応疑いの報道が記憶にあって、なんとなく不安
② 過去の報道が記憶にあってもなくても、『厚労省は積極的には勧奨していません』の文言と、そういうスタンスのリーフレットが足止めさせている

① 過去の報道が記憶にあって、なんとなく不安

その後の調査で因果関係が証明できていないということが大々的に報道されていないので、なんとなくの不安が払しょくされないまま何年も経過しています。

あれだけインパクトのある映像で国民に植えつけられた不安は、
過去の報道の10倍くらいの質量であたらないと、それくらい大々的に訂正報道をしてもらわないと、払拭できないでしょう。

もしくは、あの6年前の報道がもう記憶にない世代にまでなるのを待つか。
でもその間に、年間1万人が子宮頸がんになり、年間3000人が子宮頸がんでなくなっていくんです。
防げたかもしれない子宮頸がんが、日本でだけ、相も変わらず発症し続けるのを、黙ってみているわけにはいきません。

② 『厚労省は積極的には勧奨していません』の文言と、そういうスタンスのリーフレットがネック

医療関係者でもない限り、『厚労省は積極的には勧奨していません』と言われて、果敢に接種しに行く人はほとんどいないと思います。
せめて、産婦人科医へ相談にきてくれれば詳しく説明してあげられますが、こういうリーフレットが入っていたら、

『なんかリスクありそうだし、やめとこ』
ってなるのが普通だと思います。

厚労省は、『勧奨』はしているけど、『積極的』ではないだけ、というスタンスです。
現に、勧奨しているからこそ、定期予防接種のままではあるのです。

言葉の持つ力っていうのは偉大で、
本当に国民のためを思うなら、予防接種で子宮頸がんになる人を減らしたいと思うなら、
ひいては、HPV感染率を下げてHPV関連疾患を撲滅していきたいと思うなら、

もっと、受け手の気持ちを考えて説明文書を作成しないと、と思います。

■ なにが言いたいかというと

個別にちゃんと情報提供することは大事なのですが、
情報提供がゴールではなくて、
目指すゴールは接種率向上。

であれば、限られた予算を有効に使うためには、
ただ通知を送るだけではなく、
厚労省作成のリーフレットではなく、
受け手の不安を煽らないような内容の説明書にしたり、
問い合わせ窓口を設けたり、
自治体が説明会を開催しても来られる人は限られてしまうから、たとえば学校ごとに説明会開くとか、

しばらくはそういった工夫が必要なのではないかと。

そうはいっても、やはり厚労省のスタンスと多少なりとも異なることをするのは自治体としては勇気がいることです。
そんな気概のある自治体さんがでてくると期待するとともに、
世論で後押しできるように
引き続きオンライン署名継続中です↓
https://www.change.org/knowHPVvaccine
ご賛同頂けますと幸いです。

*お忙しい中、個人的な唐突な問い合わせにも関わらずお答え下さった各自治体の担当者の方々、ありがとうございました。感謝申し上げます。

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