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自分の声が嫌いだった話

どうも。
Kabaddiです。

現在、CAROLAN'Sというバンドでギターボーカルをしています。
結成から5年。歌とギターをずっとやってきました。

その前からやっていたバンドでも全部ギターボーカルでした。

マイクに向かって歌うことを続けてきましたが、実は14歳から20歳くらいまでずっと自分の声が嫌いでした。

今日はその話をします。
内容的に過去の自分の話なので、堅苦しい表現はやめて、口語体で書いていきます。

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今となっては身長も伸びて、声も低くなってちゃんと成長を終えたけれど、中学に上がった時は身長が140センチ台で、声変わりもしてなかった。

だんだんと第二次性徴期をむかえ、声変わりが始まったのが14歳ごろ。

しかしなぜかはわからないけど声変わりがなかなか終わらないというか、どうにも声が出にくい時期が続いて、今までの声とも違うし、こもっていて聞き取りにくくて、どんどん自分の声が嫌いになっていった。

今でもちょっとそうだけど電話とか本当に苦手で、聞き取ってもらえないということに強い恐怖を覚えていて、自分の存在が否定されたような、そんな気持ちだった。
思春期特有の考えすぎも絶対にあるんだけど。

嫌いになった声は立派なコンプレックスになって、声を出すのを避けるために「あまり喋らないやつ」みたいなキャラクターになろうと思って無口に過ごすようになっていった。

高校生当時はTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのコピーバンドを組んでいて、そこでもギターボーカルをしていた。自分の声は嫌いだけれど、ギターを持てばなぜか自信がでて歌えていたのは不思議。
憧れの対象を自分に投影してたから平気だったのかもしれない。

ただ、憧れていたチバユウスケみたいに声は歪まないし、普段の話し声はどんだけやっても好きになれなかった。

コンビニでバイトをしてみたけど、自分の声で「いらっしゃいませ」と言うのが嫌すぎて半年ももたずに辞めた。

そこから受験期に入って勉強だけをすればよくなった。声を出さなくても良くなって、必死に勉強して勉強して勉強して、希望の大学に入学した。

そこで全てを変えてくれた人と出会う。

入学式当日、やっぱり人と話すのは苦手だし、初対面の人に「えっ?」と聞き返されるのが嫌で、友達を作るのもそこそこに帰ろうとしていた時に、新入生の勧誘らしき学生に話しかけられた。

彼はなぜか一人で、周りにたくさん人がいるのに自分だけに話しかけてきた。

いわく、「新歓コンパをやるので、楽しいから来て欲しい、どんなサークルに入りたいの?」とのこと。

バンドが好きだったので、バンドがやりたい、と告げると、「うちは歌を歌える部活だから、バンドサークルに入るよりうちでボイトレしてボーカルをしたほうがいい」と快活な声で言われた。

ボイトレができる?
ボーカルをしたほうがいい?

声をメインにして何かをすることを考えたことはなかったけど、なぜか確信をもって「これは絶対にチャンスだ」と思ったのでその人についていった。

ちなみに今名乗っている「Kabaddi」という名前はその人がつけてくれたニックネーム。
名字を言ったら、速攻で「じゃあ、カバディだ!な!」と言われて、その勝手さに驚いたけど、今までつけられたことのないニックネームで、自分が新しくなった気がして嬉しかったのを覚えてる。
だから今この名前を名乗っている。

さて。

そこから一ヶ月間はボイトレもなく、ただひたすらに飲み会をしてゲラゲラ笑って、なぜか初対面の同級生とも打ち解けて、自分の居場所を見つけた気がした。
自分はこんなにハイテンションになって人と話せるんだ!とも思ったし、自分がこんなにおしゃべりだとは思わなかったとかいろんな発見があった。

その後、ようやく入部することになり(どうやら最初の一ヶ月は仮入部期間なので何もせず楽しんで、同じ学部の同級生から距離を取らせ、居場所を奪うことで入部へ誘導するという作戦だったらしい。まんまとしてやられた。)、合唱部らしき活動がスタートした。

合唱部とはいえ、みんな、そこにいる仲間がただ好きで集まって、一緒にやることがたまたま合唱だったから合唱をしてる、くらいのスタンスなのでストイックではなかったものの、声の音域の適性を見てパート分けをすることになった。

声が高い順に

トップ
セカンド
バリトン
ベース

だったのだけれど、軽い発声練習の手ほどきを受けて自分の音域を確かめていると、バリトンというパートが自分にあまりにもぴったりくるものであることがわかった。

今まで自分の中にこもる、とだけ思っていた声は、頭蓋骨を震わせて響きを作り出すことができたし、低く歪んでいない声は太くどこまでも伸ばすことができた。

自分ってこんな声だったのか、こんな大きい声が出るのか、口が大きくてよかった、体が大きくなってよかったと少し泣きそうになった。

その日から少しずつ、ボイトレを受けていくなかで普段から出す声も変わっていき、いつの日にか自分の声が嫌いではなくなっていたし、周りの人から

「いい声だね」

と言われることが増えた。
こんなに嬉しいことはなかった。

今でもライブハウスなんかで言ってもらうことがあって、丁寧にお礼を伝えているけど、心の中は飛び上がるくらい嬉しい。

声に自信を持つようになってからは、論文発表も好きになったし、司会みたいなこともやりたいと思うようになった。
(昨年イベントの司会もさせてもらったのは楽しくて仕方がなかった)

声が好きになって歌うこともどんどん好きになって、音楽がもっと好きになって、音楽で踊ることも、ライブハウスで笑い合いながら酒にゆられることも、全部声が好きになったからなのかもしれない。

少し大げさだけど。

これが、嫌いだった自分の声の話。

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こうやって自分の声に自信を持つようになり、その後いろんなバンドを経て、CAROLAN'Sとして皆さんの前にいます。

嫌いだった声が好きになって、好きになったこの声を届けたくてここにいます。

そして、CAROLAN'Sとしてひとつ、新しいことを始めます。
声を使った新しいこと。


CAROLAN'S RADIO、始めます。


CAROLAN'SウッドベースのMUMMYとともにバンドのこと、音楽のこと、楽器のこと、世界のこと、いろいろ話します。

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この声とギターと音楽で、CAROLAN'Sで、誰かの居場所になれるような、そんなバンドを作っていきたいと思っています。

これからも、よろしく。

2600文字という長文になってしまいましたが、ここまで読んでいただき感謝です。

それでは。

Twitter:https://twitter.com/KabadieCarolan 2019年9月より毎日更新継続中。日常の何かを切り取って考察や分析をしてみたり、提言したりしています。よければ読んで、よければスキを押して、フォローしてリアクションメッセージをご確認ください。