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【I-015】座ってはいけない場所

写真のデータを整理していたら、こんなモノが出てきたので、記憶を辿りながら紹介します。自分史上最大のドジなことだと思います。

写真データの日付から、これは2005年12月初旬の出来事です。

会社で、立て込んだ案件の対応がひと段落し、オフィスの片隅のとある所に軽く腰を掛けました。
ここは、ちょっと座るのにちょうど良い高さで、それまでも度々腰を下ろしていました。

この日も、特に何も考えずに長い電話を切った直後に席を立ち、軽く伸びをした後に腰掛けました。

近くの席の同僚と2、3会話を交わしたところで、「ウィーン!!」という音と同時に、もの凄い力で後ろに引っ張られました。何が起こったのか分からず、とにかく腰をかけている所から立ち上がろうとしましたが、思うようになりませんでした。

先程会話を交わした同僚の目が大きく見開いたのが分かりました。
そして、こちらに駆け寄って、何やらボタンを押しました。

ウィーン!という音が鳴りやむと、すっと立ち上がることが出来ました。

やれやれと思ったのもつかの間、その同僚が「あー!!」と悲鳴のような声を上げました。直後にそれは大きな笑い声に変わりました。

すでにお気づきかと思いますが、私はシュレッダーに腰を掛けたのです。

上着の左右に切れ目があるタイプだったので、中央部がちょうど
シュレッダー口に入ってしまったのです。

シュレッダー本体には、様々な注意書きがあります。

ネクタイ注意は、イラスト付きでそこに表記されていましたが、スーツは書かれていません。メーカーも想定外だったのでしょう(笑)

コートを着用している季節だったので、恥ずかしい姿をさらして歩くことはありませんでしたが、帰る途中は、家内に何て説明しようか、とずっと考えていました。爆笑で終わったのでホッとしたのを覚えています。もちろん、スーツは買い直しでしたが…。

粋な計らい

この数日後に所属部署の忘年会がありました。
私の‘シュレッダー事件’は、ちょうど良い話題となりました(笑)
会の締めの際に、後輩から「(私の名前)さんプレゼントがあります!」とサプライズな一言がありました。
歓送迎会でもないのに、何だろうと首をひねると、後輩は、店内にある色紙大の額縁を指さしたのです。
それは富士山をモチーフにした切り絵風のもので、何の違和感もなく店内に飾られていました。そうです、シュレッダーで切り刻まれた私のスーツで作られた富士山だったのです。私が知らぬ間に回収され、密かに作品に仕立てられ、そして会が始まる前に、仕込んでおいてくれたのです。壁から外したそれを受け取りました。

素直に「凄いなぁ」と思い、グッと来ました…。

ただのドジな話しを、酒の肴として笑い飛ばしてもらっただけでも十分だったのに、さらに踏み込んでネタにしてくれたことに、彼らのセンスを感じました。

このエピソードは、当時勤務していた玩具メーカーでの出来事です。玩具を考案する人たちのセンスって、やはり凄いんですよ。
良い思い出として、今でも酒の肴になっています(笑)

まぁ、こんなことはないと思いますが、皆様もどうぞシュレッダーにはお気を付けください。

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