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【S-001】 知れば楽しい!今から間に合う‘昭和の東京’の楽しみ方(ニューしんばしビル)

私は1969年生まれ。昭和という時代を3分の1くらい生きてきました。
大学生になった頃、時代は平成へ。
そして令和になりました。
東京は常にどこかで工事があり、日に日に風景が変わっていきます。
そして変わってしまった風景は、元に戻ることはありません。
そこで、今からでも間に合う昭和の雰囲気の楽しみ方を綴り、
一人でも多くの方に昭和の魅力を知って頂きたいと思います。

(1)魅惑のニューしんばしビル

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(注)この先の文中のお店や価格は、全て2012年2月当時のものです。

2012年2月3日のこと。お台場から新橋へ移動中に、ふと思い新橋で昼食と取ることにしました。新橋と言えば、やはり「ニューしんばしビル」です。
(1971年2月竣工)
昭和のサラリーマンを支え続けた‘何でもアリ’の雰囲気がいつ来てもたまりません。

この日は、地下の「百菜」にて、さんま塩焼きの定食に決定。
小鉢が2品、ご飯、味噌汁おかわり自由、魚は焼きたて、これで780円なので、言うことなし。夜は、帰宅前のサラリーマンが愚痴って行くのだろうな、という時にちょうど良い雰囲気の店内です。
そして百戦錬磨(!?)の熟女3名が、昼時の店内を切り盛りしています。

カウンターの隣に座った客が、「あっ、水もらえる」と一言。

ここの最初の「あっ、」が、とても大事です。

カウンターの中から、さっとグラスが出て熟女が「薬よね」と知った様子で返します。この絶妙なやりとりが何とも気持ちが良いのです。そして「あ~、常連になりたい」と思う瞬間なのです。こんなことも昭和的な一コマです。

私もそろそろ食べ終わるかなという頃、調理場から「銀ダラ、ラスト1ね~」と声がかかりました。

ランチメニューにある「銀ダラ西京焼き」があと一つになったということでしょう。

給仕担当熟女が「は~い」と明るく返事をします。

ほどなく「銀ダラひとつ~」とオーダーが入った。調理担当の熟女が「これでヤマね~」と返します。会話の状況から‘これで終わり’だと理解しました。

百菜を後にし、ビル内を当てもなく散策。

このビルは、特に2階が怪しく、猥雑な雰囲気がとても良いです。このような独特の雰囲気は、言葉で表現するのが難しく、やはり現場で体感して頂くのが一番です。

アダルトグッズやDVDのショップが、そして何より‘中国式’と謳っているマッサージ店の存在が、それら全てを包括しています。

マッサージ店は、複数営業しており、どこも‘何分いくら’と料金表を明示しています。

何だろう…、この「何かある」と疑わずにいられないその佇まいは…。何かなければ、このフロアに何店舗も共存出来ないはずである…。

各店の入口では、カタコトの日本語での呼び込みがあり、妄想はピンク色になります(笑)これだけ疑って普通にマッサージだけだったら、何ともガッカリである…。(何を期待しているのか…お恥ずかしい)

このビルで一番のお気に入りは2階にある喫茶店「ポワ」。
もう昭和感全開で、何よりアイスコーヒーが最初から甘い。
(もちろんブラックもオーダー出来ます)

何だろう、この気持ちは。

嗚呼、ニューしんばしビルよ。また来よう。

(2)魅惑のニューしんばしビル その2

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2016年12月21日撮影。

2012年2月の訪問から、もちろん何度訪れた「ニューしんばしビル」ですが、あらためて意識してビル内を歩いたのが、2016年12月21日。
4年前のメモを片手に、‘その後’を求めて、ニューしんばしビルへ行きました。

ここの宝くじ売場は、‘ジャンボ’シーズンには行列が出来る売場として有名です。この時は12月21日。‘ジャンボ’販売のまさに追い込み時期。
買い逃すまいとする大衆が寒空の中、もの凄い行列を作っていました。
(この時の年末ジャンボ宝くじ販売は23日まで)

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まずは、2012年当時はランチタイムに熟女が手際よく対応していた「百菜」。2016年12月現在、絶賛営業中でした。
ただし、夕方だったため、すでに夜の居酒屋体制になっていました。
熟女の姿はなく、カウンター越しに板前さんが忙しく動いていました。

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2階の昭和な喫茶店「ポワ」。こちらも何も変わることなく営業中。
店内は外からみても満席状態。サラリーマンの憩いの場は健在です。

ここに限らず、昭和なビルのたまらないところは、何と言っても階段です。

ニューしんばしビルの階段もどれも雰囲気があり、いつまでも眺めていたくなるデザインです。

この日は、不思議と階段にはあまり人気がなく、振り返るとバルタン星人が出てきそうな感じが本当に堪りません。

「バルタン星人」は、ウルトラマンに出てくる宇宙人です。
我々世代は、女性でも知っているウルトラ怪獣ですが、ご存じない方は、ウルトラマンの第2話を観てみてください。これら階段の雰囲気も含めてご理解頂けると思います。

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2018年3月30日のニュースで、東京都内の旧耐震基準で建てられた建物のうち、震度6から7の地震で倒壊、崩壊の危険性が高いビルが公表されました。

この中にニューしんばしビルも入っていました。

この発表を受けて、耐震工事がされるのか、建て替えがされるのか、わかりませんが、このままの姿で残り続けることはない、ということは明確になりました。

カウントダウンは始まったということでが、それまでの間は、まだまだ楽しめます。

昭和感満載のニューしんばしビル。

新橋に行った際は、是非立ち寄って頂きたいと思います!!


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