2021/7/11

開演1時間前までまだ悩んでいた。発表と同時にほぼ参加権をはく奪された気持ちになって、チャンスを貰ったけど結局状況も体調もそれを許さなくて、どうしてもすんなり与えられた権利を受けることが出来なかった。事情は理解しても心が何も納得してくれなくて、でも音聞くだけでも今の彼を見ようと思って30分前にチケットを買った。

好きも嫌いもある2時間半だった。嫌いだと思うところも行かなくて良かったと思うところもあったけど、やっぱり好きだと思わされた2時間半だった。丸め込まれた気持ちだ。この感情を私はよく知っている。でも、一番最後の最後に新曲を愛せる気持ちになったのが今出せる答えだと思った。

あのころ私は私たちは本当に彼に言葉を届けることが出来ていたんだろうか。支えになるようなことが出来ていたんだろうか。きっと彼がその話をするたび何度でも自省するだろう。私は彼に彼らに強くなんてならないでほしかったし、強くならざるをえなかった状況をまだこれからも許さないから。だからあのころの話をされるたびに何度でも憎い気持ちと謝罪の気持ちを浮かべる。でも、もしかしたらそうやって、過去をなかったことにせず、過去を踏まえた今を定期的に振り返り続けることが、私たちには必要なのかもしれない。これからを歩いていくことに必要なことなのかもしれない、そうせざるを得ない過去であるのかもしれない。

それでも楽しいことの方が多かったと言われると、ありがとう、と思う。人はこうもすくっと立つことが出来るんだと感じることができる。

これからのことなんか誰にもわからない。あらゆる意味で、今は一歩先は暗闇である。今の私は特に明日は闇の気持ちで日々を生きている。でも、夢を見ることは自由なんだと、彼は言う。

おめでとう、という言葉はなんだかしっくりこない。今日は通過点だ。お疲れさまでもないしおめでとうでもない。後ろを振り返る時間が長かったように思うけど、それでも、今日のことは通過点だと思う。

ツアー最後まで終えられておつかれさま、おめでとう。君らしく、自由に、夢を見続けられますように。君が可能性を信じる限り、夢は手の届く場所にあるはずだから。