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かぶきDOU其の5 アフタートーク

皆さま今回もコミてんラジオ、かぶきDOUをお聴きいただきありがとうございました!
noteも予想を上回る皆様にご覧いただき大変嬉しく思っております!これからもコツコツと続けていきますので皆様どうぞよろしくお願い致します。

今回、見出し画を変えてみました。
今年博多座で4年ぶりに船乗り込み開催されます。それを記念して公式グッズが事前販売されている旨を番組でお伝えしました。早速お品の受け取りに博多座チケットセンターに行ってきましたのでご紹介させていただきました。
私は手ぬぐいと扇子のセットとTシャツを購入しました。放送ではラジオブースに展示しましたが、あいにく手ぬぐい以外があまり良く映っていませんでしたので改めて画像にてご紹介致します。 

扇子 美しい化粧箱に入っています
博多座式典の入場チケットに
もなる手ぬぐい
Tシャツ(黒)裏面
Tシャツ(黒)表面

公式グッズの手ぬぐいは船乗り込み当日に博多座劇場内で行われる式典の入場券として必要となります。船乗り込みの当日販売もありますが、気になる方は博多座HPよりお申し込みくださいませ↓
https://hakataza.e-tix.jp/pc/smart/202305funanorikomi.html
※博多座チケットセンターで受け取りの際は手提げ袋をご持参ください



演目解説 太刀盗人


今回からいよいよ六月博多座大歌舞伎の解説に入りました!
お題は太刀盗人です。今回PART1として簡単なあらすじと舞台まわりのお話でした。

配役

  • すっぱの九郎兵衛  4代目中村鴈治郎  成駒家

  • 目代 丁字左衛門(もくだい    ちょうじさえもん)2代目中村亀鶴  八幡屋 

  • 田舎者 万兵衛 6代目片岡愛之助  松嶋屋     


太刀盗人あらすじ

京の都にやってきた田舎者の万兵衛がお土産を買おうと市場を散策中に、すっぱ(スリ)の九郎兵衛に目をつけられます。お目当ては万兵衛がもつ黄金造りの太刀でした。盗った盗られたの大騒ぎになり、騒ぎを聞いてかけつけた地元の代官、目代 丁字左衛門による事情聴取が始まります。万兵衛の答えに少し遅れて同じ答えをしようとする九郎兵衛。 笑いを誘う絶妙な間合いを舞踊に乗せてお届けしていきます。


緞帳が上がると真っ赤な非毛氈に長唄囃子連中の皆様がずらりと並んでおります。長唄とは舞踊の伴奏音楽として演じられるもので主に 舞台正面の「ひな段」で演奏されます。まさしくお雛様を飾るひな壇からその名がついたと言われています。
舞台後方には羽目板と呼ばれる板地に、年輪をかさねた大きくて立派な松の絵が描かれています。お能では鏡板と呼びますが歌舞伎では松葉目という名前です。
そしてお能や狂言を題材にした作品を「松葉目物」と言います。
舞台左手には色鮮やかな5色の揚幕があります。お能の舞台の揚幕と大変似ているのですが、よ〜く見ると揚幕の色の位置が違っているのが分かります。
実はお能狂言と同じものは作れなかったのです。江戸時代にお能狂言は式楽と呼ばれ、幕府は武士など特権階級の人のみが楽しむことを許していました。身分階級が厳しい時代に庶民の娯楽である歌舞伎がお能狂言をそっくりそのまま真似ることは禁じられていました。
どうにか庶民も楽しめないかと7代目市川團十郎がお能の「安宅」をベースにが生み出したのが勧進帳です。1840年天保11年に初演されました。
勧進帳は成田屋のお家芸で今や歌舞伎の超代表的な作品ですが元々はお能のオマージュだったんですね。
時代が変わり明治大正時代になると歌舞伎をより高尚にしていこう、お能狂言に近づけようという動きが高まりました。この太刀盗人は大正時代に作られた作品です。
今回の太刀盗人のすっぱの九郎兵衛と万兵衛は花道からやってきます。かぶきDOU其の2でご説明しましたスッポンのあたりで客席へ自己紹介が始まります。これは狂言と同じ流れです。衣装も狂言に似せたものとなっています。

作者 岡村柿紅

作者は岡村柿紅です。元々は新聞社で劇評を担当していたそうです。身内に演劇関係者がいる縁でお能にも精通していて数々の松葉目舞踊を生み出しました。
太刀盗人は初演が1917年大正6年です。6代目 尾上菊五郎のすっぱの九郎兵衛 、7代目 坂東三津五郎の田舎者万兵衛という配役でした。岡村柿紅はこのゴールデンコンビで太刀盗人の他にも身替座禅や棒しばりなどの傑作を残しています。
※ラジオ放送で岡本と誤読してしまいました。お詫びして訂正致します。


格式高い舞台の面持ちに緊張されるかもしれませんがご安心ください! この太刀盗人は客席から何度も笑いが出るほど愉快な演目となっております。そして鴈治郎さん、愛之助さん、亀鶴さんは上方歌舞伎の皆様ですのでユーモアに関しても長けていらっしゃいます。是非とも肩肘張らずにたくさん笑ってご覧いただきたいです!
いかがでしたでしょうか?少しでもイメージが浮かんでいただけたら幸いです。
予備知識を踏まえた上で次回は太刀盗人の本編についてお届けします。


縁の一曲


歌舞伎役者さんにゆかりの曲をご紹介する、縁の一曲のコーナーです。 今回は中村歌昇さんでした。
2021年2月博多座の 御浜御殿綱豊卿では赤穂浪士 富森助右衛門役を好演されました。国立劇場の歌舞伎公演でも数々の賞を受賞されています。全身全霊で役に没頭され観客の私達を熱くさせてくれる歌舞伎役者さんです。
歌昇さんのTVドラマ初主演は2015年に放送されたTBSドラマ「下町ロケット」です。
ドラマ後半戦、研修医 葛西役でのご出演でした。
主演の阿部寛さんや世良公則さんなど存在感ある役者さんの濃厚な演技のなか、歌昇さん演じる研修医の葛西は、主治医不在中に容体が急変した人工心臓の治験者をなんとかしようと空回りします。歌昇さんの演技がリアルで際立っておりました。
そして今年3月上映のサスペンスコメディ映画「犬、回転して、逃げる」にもご出演です。 5/3から5/5開催の横浜国際映画祭にこの作品が招待されるそうです。
5月6月は歌舞伎座にご出演の歌昇さん、これからさらに演技の幅が広がりそうですね!
服部隆之で
♪ T Vドラマ下町ロケット〜Main Theme〜 お届けしました。


めでてえなぁ


今週お誕生日を迎えられる歌舞伎役者さんをご紹介する「めでてえなあ」のコーナー!
お名前と所属 屋号をご紹介します。五十音順となっておりますのでご了承ください。
4/26から5/2がお誕生日の皆さんです。


4/26 片岡當次郎さん
片岡我當一門
4/26 中村時蔵さん
萬屋
4/26 中村又五郎さん
播磨屋
4/27 上村吉弥さん
美吉屋
4/30 市川喜介さん
市川段四郎一門
4/30 山崎咲十郎さん
河原崎権十郎一門
5/1 實川延郎さん
河内屋


7名の皆様でした、お誕生日おめでとうございます! 

次回のかぶきDOUは5/9㈫の午前10:00-10:25生放送でお届けします。お楽しみに!

番組のYou Tubeアーカイブはこちらからご覧いただけます↓


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