美容室30店舗代表に聞く!崩壊しない組織のつくり方ーー美容室ルスリー代表・原和己
「採用しては離職しての繰り返し」「常に人手が足りず現場から離れられない」「スタッフ同士が勝手にもめてやめられてしまった」。
組織を抱える経営者であれば、一度といわず、二度、三度と、このような痛い経験があるのではないでしょうか。
本日は約2年で30店舗ものハイペースで展開中の美容室「ルスリー」代表・原和己さんに強い組織の作り方を教えてもらいました。
原さんがこれだけのスピード感で店舗展開を実現できるのは、
という仕組みを構築し、自動化させているからです。
この記事を最後まで読んでいただくだけでも、人が定着しない理由や、どこからテコ入れすべきかに気づくヒントとなりますので、最後までご一読ください!
講師情報
はじめから「チーム」は目指せない!?「チーム」と「組織」の違いとは?
はじめに「チーム」と「組織」の違いを整理しましょう。
同じような意味で使われることの多い言葉ですが、次のように明確な違いがあります。
この違いを踏まえて、今あなたは「チーム」を作ろうとしていますか?「組織」を作ろうとしていますか?
つい、創業期からチームづくりを目指してしまうものですが、はじめから強いチームを作ることはできません。
なぜなら、それだけ有能な人を集められるだけの実績が伴わないからです。
チーム作りには、強いリーダーシップと圧倒的行動量が必要。さらに、個人の成長にチームの成長が追いつけなければ、離脱が起こってしまいます。
ですから、はじめにやるべきことは強い「組織」づくり。
会社の仕組み・マニュアルによって成果をあげることを目指しましょう。
手堅い組織作りの肝は「入口」にあり!
トラブル続きの”不安定な組織”には「統一したルールがない」という共通点があります。
ささいなことでぶつかり合いが起こり、常に誰かが我慢している状態になっているんです。
たとえば、「気づいた人が掃除をする」のようにルールが曖昧だと、気が利く人ばかりが掃除をするようになり、その我慢が爆発してトラブルになるのも時間の問題です。
”安定した組織”には、必ず統一したルールが細かく定められています。
個人の正義ではなく、会社としての正義(ルール)があるため、「ルールだから」でことが解決し、ぶつかり合いに発展することはありません。
誰でもわかりやすく、簡単で、解釈の分かれない明確なルールを設定し、誰もが同じ基準で「できた(守っている)・できない(守れていない)」が判断できるルールを定めること。
そして、採用面接時にそのルールを全て説明し「会社のルールを守ります」と約束をしてくれた人のみを雇用すること。
これが、手堅い組織作りには欠かせません。
僕の美容室「ルスリー」では、
最初に出勤した人用のマニュアル
30分があいたときのマニュアル
1時間あいたときのマニュアル
など、細かくルールを決めているほか、最初に出勤する人が固定してしまわないような働き方の仕組みを作っています。
特例は絶対NG!ルール違反者には「従う or 去る」の二択を迫る!
もし、約束を破る社員がいたら、
行動をあらためるのか
会社を去るのか
の二択から、本人に選んでもらうようにします。
「今回だけは大目に見て許あげよう」、なんてことは絶対にしてはいけません。
会社がたった1回でも社員に合わせてしまったら、全社員に合わさないと辻褄が合わなくなってしまうからです。
ただ、どれだけルールを作りこんだとしても、人が関わる限りエラーは起こるもの。
「ルール違反は起こるもの」という前提で、違反があった場合の対応にもルールを決めておくことで心のゆとりを持つことができます。
僕の美容室「ルスリー」では、「ルールを守ることが正義」というルールのもと、スタッフには違反者がいた場合の報告を義務付けていますし、「従うか去るか」の問い方も決めています。
まずは自社にとっての”良い人材”を定義する
今日おさえていただきたいことは、まず「自分一人で数字を上げられる人が必ずしも”良い人材”というわけではない」ということ。
”自社にとっての良い人材”を定義し、求める像に合った人材以外は採用しないことが、鉄則です。
そして、会社のルールを守れない人には「従う or 去る」の二択を提示すること。
ルールを守れない人は、遅かれ早かれ組織を乱し始めます。
経営者として組織を守るためには、ルールを守ってくれる人を大切にしていきましょう。
編集後記:今村ゆり
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