『スラムダンク』山王戦の話じゃないよ。これは実話。クラロワリーグアジアの”Talon”というチームが先週の試合で起こした大番狂わせの話。

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『クラッシュ・ロワイヤル』の公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ アジア」(Clash Royale League Asia, CRL Asia) 2019年のシーズン2が2019/8/22に開幕して3週間が経過した。冬の「世界一決定戦」への出場権をかけたアジア12チームによる11週間の戦いも、序盤戦を終えようとしている。

今回のnoteは、Week3の「スコアレポート」。今週の要約と、各種記録、そして試合軸でのまとめになる。別記事（Westの選手紹介）の負荷が大きかった余波でこちらが遅れてしまった点はもうしわけなく。
それでは、一緒にざっくりふりかえっていこう。

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Weekly Recap

「クラロワリーグ アジア」(CRL Asia) 2019 Season2 Week3(2019/9/5～8)は、レギュラーシーズン第3週。グループAの6試合、グループBの3試合、3日間全9試合の公式戦が行われた。会場は韓国ソウルOGN e-STADIUM。

Week3の「試合結果」はこの通り。
グループ1位のチームに日本チームが挑む構図の2試合（GroupA Match8. PNS vs KIX、GroupB Match8. GW vs OGN）が行われたが、残念ながら2試合とも日本勢の敗北に終わった。Day3(9/8)には、今季初となる”日本勢直接対決” PNS vs DNGの一戦が行われ、日本語公式チャンネルだけで1.2万人に達する高い注目を集めた。試合自体もこの注目に十分応える大接戦となった。
そして今週の最終試合（GroupA Match12. TLN vs KIX）には、誰も予想しえなかったジャイアントキリング劇まで待っていた。この事件については「Weekly MVPs」と「Match A-12」の項で。

Week3終わっての「レギュラーシーズン順位」。
グループA首位のKIXに初黒星がついたのが今週最大の事件。KIXはこれで勝敗面では、グループA2位DRX(現在3連勝中)と並ぶことになった。グループB首位のOGNは今週も無敗をキープ。無敗はアジアで唯一だ。

全体を見渡すと今季は韓国(KR)勢と東南アジア(SEA)勢が好調で、日本(JP)勢が不調という序盤戦になった。さいわいなことにCRL Asiaが2018年に発足してから、日本勢が揃って不調というシーズンはこれまで経験せずに済んできた。実力伯仲のプロリーグにおいてこれは”当たり前のこと”ではなく”幸いなこと”だったのだと筆者は思う。
勝負の世界には、当然ながら難しい時期もある。チームや選手が立ち向かっている試練とは比べようがないけれど、われわれファンも”ある種の試練”に直面しているということを自覚したい。

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Weekly MVPs

今週めざましい活躍を見せた3人の選手と1組のペアを紹介していく。

１．Tocilovac・Tattoos(TLN)

今週最大の、いや今季最大のジャイアントキリングを成し遂げた2人の新人をまずピックアップ。9/8のGroupA Match12のTalon(TLN) vs KIX戦で、TLNは今季初勝利を挙げた。この試合で、1人目の新人TocilovacはSet2とSet3に出場しGame:3-0、もう1人の新人TattoosはSet1とSet3に出場しGame:3-2とチームの初勝利に貢献した。

片や「グループ選考会」で”一番人気”だったチーム、片や最も敬遠されたチーム。片や0勝3敗でグループ最下位、片や3勝0敗でグループ首位。ベテランFA選手1人と無名の新人2人を補強したチームと、実績知名度ともにトップクラスの選手を2人補強したチーム。CRL Asiaをかじった者なら誰でも同じ試合結果を予想するであろう試合、しかもKIXがSet1を先取するという試合展開。それをTLNは覆したのだ。これは、沸く。

振り返ってみて筆者の印象に残るのは、2人のルーキーTocilovac・Tattoosの謎の落ち着きである。試合前後の所作、試合中のプレイングともに冷静さを彼らはキープした。キープできた。TLNメンバーが自チームの置かれた状況や周囲の評価を知らなかったはずがない。そうでありながら、悲観せず、自棄にならず、バクチにも出ず、粛々と自分に出来るプレイをやり切ったように見えた。未勝利の新人は有利な状況を作っても初勝利に目がくらんでミスしがちなものだが、そんな気配もなかった。らしからぬ集中力を発揮した新人2人と、彼らをそのコンディションへ導いた22歳の青年監督Coach Oakへと敬意を表したい。

２．KENTSUMESHI(FAV)

この”KOH男”がまたやった。9/7におこなわれたGroupB Match7のKOHでけんつめし(FAV)はAll Kill(3人抜き)を達成。今季4人目となる快挙であった。

FAV vs BEの前回対戦は、S1 Week6 Day3 のMatch52で、その時もSet1を落とすがSet2を取ってKOHに持ちこみ、最後はけんつめしがAll Killして決着がつくという展開だった。そして間に「グループ選考会」での”目が笑ってないにこやかなやりとり”をはさんで迎えた今季の初対戦が9/7の試合だったのだ。同カードは今季もう一度(10/5)予定されている。”リバイバル上映”がもう一度あったとしても私は驚かない。（・・・盛った。ふつうに腰抜かすと思う）

３．Legend & Onion(KIX)

KIXの2v2ペア、Legend & Onionは今週2v2に2度先発し2勝を挙げた。うち1勝はPNSの強豪ペア、みかん & 天GODを破ってのものである。

今季の開幕前、KIXは新選手獲得により1v1が強化された一方で、2v2ペアの一翼を失っていた。コミュニケーションと経験が何より大事な2v2の性格上、同じベトナム出身の”伝説の玉ねぎ(Legend & Onion)”コンビの採用が予想されはしたものの、両選手の昨季の2v2出場機会は0であり経験不足を不安視する向きも強かった。それがふたを開ければ、開幕4戦の2v2で3勝1敗である。「好調KIXにサプライズがあるとすれば、それはxPedro15でもiAmJPでもない。彼ら”伝説の玉ねぎ”ペアである」と声を大にしてみなさんにお伝えしておきたい次第である。

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Rankings

今週までの各種STATSをみていこう。

▲Week3までの「個人成績(Total)」。ゲーム勝率(G+%)順のTop15。
グループA首位のKIXからはxPedro15・Legend・Onionら3選手、勝敗でKIXに並ぶA2位DRXからはNuri・Alpha・Tru-Fast・Julyの4選手、グループB首位のOGNからはThunder・One Crown・TNT・Dandelionら4選手がランクイン。好調チームには、当然のことながら、好調選手が多い。
今季ここまで出場がないのは、Maluntin(KIX)とDDaBOng(OP)の2人。4th Playerに登録されたMatchはあったので近いうちに登場はあるだろう。

▲Week3までの「個人成績(Set2:1v1)」。セット勝利数(S+)順のTop10。
xPedro15(KIX)・iSlaw(SBG)・JACK(FAV)・Line(DRX)・BenZer(CT)のTOP5が揃って今週Set1勝を積み重ねた。xPedro15・iSlawの2人は今週も負けず、xPedro15に至っては1v1(Set2)でここまで1Gameも落としていない。

▲Week3までの「個人成績(Set1:2v2)」。セット勝利数(S+)順のTop10。
Week2まで2戦2勝だった4組のペアのうち3組に初黒星がついた。唯一連勝無敗記録を伸ばせたのは、Thunder & One Crown(OGN)。グループB首位のチームを支える立役者となっている。

▲Week3までの「個人成績(Set3:KOH)」。ゲーム勝利数(G+)順のTop10。
All Killers(3人抜き達成者)に、新たに今週けんつめし(FAV)が加わった。新人Tattoos(TLN)も今週の値千金の2勝でリストに顔を出した。

▲Week3時点の「BANカード選択状況」。
今週新たにBANされたカードは、インフェルノタワー、ランバージャック、漁師トリトンの3枚。特にトリトンのBANには驚かされたが、決してネタでも挑発でもない環境になったのも事実。新環境おそるべし。

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Next Week

次週Week4はWeek2につづき、木曜日のみの1日開催という変則日程。そのまた来週のWeek5は再び木・土・日の3日間開催に戻る。

Week4の見どころは、同国対決の2試合だ。
・9/12(木). GroupB Match10. GW vs FAV (日本勢直接対決)
・9/12(木). GroupB Match12. SBG vs OGN (グループB首位決戦)

Don't miss it.

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Match A-7

・試合開始の約30分前に緊急のバランス調整が実施される難しい環境。
・「グループ選考会」でCTがDNGを指名した関係性。
・Set2Game2　その差わずか38という超僅差のタイブレーカー決着。

Match A-8

・グループA注目の一戦。試合前日には両チームがライバル心むき出しのクリップを仲良く発表。出演2名は4TH登録だったため試合出場はなかった。
・Set2Game1　スケルトンラッシュのミラー対決に。RADがダメージリードを取るも、スケラ中心からファルチェトルネ中心に切り替えたxPedroが盛り返し逆転勝利。KIX強し。

Match A-9

・Set1　Tattoos(TLN)プロデビュー戦。Dylan(TLN)・July(DRX)今季初出場。Line(DRX)の2v2出場もプロ入り初。
・Set1Game3　勝負のかかった大事なGameにDRXペアが採用したのはWクロスボウ。TLNペアとファンの意表をつくことに成功する。
・Set2　Nuri(DRX)今季初出場。
・Week3 Day1は、開幕日(Week1 Day1)と同様に3試合ともSet2-0のスピード決着。短い1日に。

Match B-7

・「グループ選考会」でBEがFAVを指名した関係性。
・Set2　アジア有数の実力者Jaii(BE)をJACK(FAV)が圧倒。
・Set3　けんつめし(FAV)、今季アジア4人目のAll Kill(3人抜き)を達成。自身昨季の対BE戦以来の達成となる。”KOH男”の面目躍如。

Match B-8

・Set1　2v2Set無敗ペア対決はOGN組に軍配上がる。OGNはGame2終了後タイムアウトを取るも、デッキは替えなかった。
・Set2　日韓を代表する17歳と16歳のマッチアップ。TNTの防衛力が光ったGame1、KKの機転が冴えたGame2を経て、勝負はGame3へ持ち込まれる。

Match B-9

・Set1　トリトンBANはアジア初。
・Set1Game1の後、観客席にBeaver(元SB)の姿が映る。元気そうで何より。
・Set2　iSlaw(SBG) vs X-Bow Master(OP)の技巧を尽くしたBO3。Game1は非テンプレデッキ対決、Game2はiSlawの的確な対応が6分間崩れず、Game3に至っては、うますぎ・うっま・うま、としか書きようがない。すごいものを見せてもらった。

Match A-10

・今季初の日本勢直接対決。
・Set1、Joker(DNG)プロデビュー戦。Set2、KOTA(PNS)今季初戦。
・Set3　1人1殺、シーソーゲームからの大将戦。両者に勝ちをあげたい…
・Youtubeの同時視聴者数は、JP 12,000、EN 1700、KR 530、CN 760を超えた。JPチャンネルだけで1万人を超えたのは確認できた限り今季初。

Match A-11

・Set1Game1　勝って無邪気に喜ぼうとするAlpha(DRX)を「落ち着け。まだ勝負は終わってないぞ」とボディランゲージで制するTru-Fast(DRX)の姿が印象的。
・Set1　ここまでSet無敗の連勝中だったCTペアに今季初黒星。
・Set2　韓国の神童Line(DRX)がBenZer(CT)に逆転。Game1後のタイムアウトで流れが変わる。

Match A-12

・3勝無敗で首位のKIXと0勝3敗で最下位のTLNのマッチアップ。Set1のKIX勝利で、「この試合は終わった」と誰もが思ったはずだった・・・。
・Set2　iAmJP(KIX)、1v1初先発。手汗をしきりに拭うのは緊張ゆえか、なんらかの体調不良を抱えているのか。試合はなんとTocilovac(TLN)の2-0ストレート勝ちに。いったい何人がこの結果を予想できただろう。イニエスタだ、セスだとコメント欄も大騒ぎに。
・Set3　昨季の”KOH王”Onion(KIX)が今季初KOH出場。そのOnionと1v1 (Set2)絶好調のxPedro15(KIX)を相手に、新人Tattoos(TLN)がまさかの2タテ。勝負はSet2の再現となる大将戦に持ちこまれ、またしてもTocilovacがiAmJPを破ってゲームセット。TLNは今季初勝利、KIXは今季初敗北。

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Youtube archives

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League Information

クラロワリーグ アジア Clash Royale League Asia, CRL Asia
Official HP(JP/EN/CN/KR)
https://crl-asia.com/jp/
Youtube(JP)
https://www.youtube.com/channel/UCtECyE5fuzAqMi1zNLnttIg/featured
Youtube(EN)
https://www.youtube.com/channel/UC93yASowKvnrUpvWsCe4F7A/featured
Youtube(CN)
https://www.youtube.com/channel/UCpmxCb5IK9HrN91zqGIt20w/featured
Youtube(KR)
https://www.youtube.com/channel/UCHckjM64zrnMdB-D8cvuPew/featured

クラロワリーグ チャイナ Clash Royale League China, CRL China, CRL CN
Official HP(CN)
https://www.crlcn.com/#/
https://m.crlcn.cn/#/
Official HP(EN)
https://esports-clashroyale.sc.qq.com/en/china/
Live streams(CN)
https://www.douyu.com/topic/CRL
http://www.huya.com/supercell
etc.
Archives(CN)
http://v.qq.com/vplus/c24b81a3ca5cded388e571edd1335386
https://space.bilibili.com/204335848/video

クラロワリーグ ウェスト Clash Royale League West, CRL West
Official HP(EN/DE/FR/ES/PT)
https://esports.clashroyale.com
OGN HP
https://www.ognesports.com/leagues/clash-royale-league-crl-west/
Official twitter(EN)
https://twitter.com/EsportsRoyaleEN
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https://twitter.com/EsportsRoyaleES
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