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【CRL Asia/クラロワリーグアジア】re. 2018-S2-Wildcard. 地区2位同士の三つ巴。ワイルドカード

 おつかれさまです、kabutomです。
 クラロワリーグ(CRL)2019シーズンが待ち切れない貴方のための「CRL Asia 2018シーズン一挙ふりかえり」連載第21回。今日は、CRL Asia 2018-Season2-Wildcard をざっくりふりかえっていきましょう。

1. Weekly Report

 クラロワリーグ アジア(CRL Asia) Season2 は、先週まででレギュラーシーズンの全日程が終わり、これからポストシーズンが開幕する。今週は、Wildcard (in台北)。S1のWildcardは4チームによるシングルエリミネーション式トーナメントだったが、S2のWildcardは地区2位3チームによる総当たり戦となる。三つ巴の戦いの勝者は誰になるや。

 このWildcardのためだけに作られたPVがこちら。テンション上がる! 粗を突つくなら、本日出場するチームの選手が1人もPV内に出てこない所が気になってしまうが…。製作期間等を考えるとそれはよくばりというものだろう。

 Wildcard(2018/11/4)の試合結果。SB(KOR-Div 2位)が2連勝し、3つ巴の戦いを制した。おめでとう。「引分け:2回、TieBreak決着:2回、延長終了間際の決着:3回」という接戦続きの1日で、勝敗の差は紙一重であった。勝ち残ったSBには祝福を、シーズン2の旅を終えたFAV(JPN-Div)とCT(SEA-Div)には感謝を。

 また、FAVが敗退したことで、開催国枠でのPNS(JPN-Div)の世界一決定戦への出場も確定した。(なかなかに理解難易度が高い規定だった。)PNSにとって吉報であることは間違いないが、来週のPlayoffを前に”4チーム中1チームだけは負けても世界大会に出れる”という状況が生まれたことはアジアの頂点を決める戦いの興を削ぐ危険性をはらむ。この辺は難しいところだ。


2. 各地区2位の三つ巴。Wildcardを展望する

 Wildcardの3試合を見ていく前に、戦前の戦力分析から確認していこう。

 まずは出場3チームのレギュラーシーズンの成績から。FAVCTの9勝5敗に比べ、SBは5勝9敗とシーズンではかなり苦しんだ。Set勝率から分かるのは、”KOH最強”CT、”KOHは鬼門”SB、”苦手Setなし”FAV、という3チームのカラー。

 次に、出場3チームのレギュラーシーズン直接対決結果。”KOH最強”CTが2試合ともKOHを制し勝利。FAVSBはできればKOH前に試合を決めたいが、それもまたCTの術中か。シーズンとは一味違うWildcardの緊張感が選手たちにどう影響を与えるだろうか。

 出場3チームのLineUpを出場回数順で予想してみた。選手起用が固定的なCTは鉄板。FAVSBの特にSet2(1v1)は予想が難しい。Set3は各チーム擁するAll Killers(3人抜き達成者)の激突が楽しみだ。

 本WildcardのKey Playerを1人挙げるならやはり、アジア競技大会金メダリストであるCTBenzer Ridel。彼のレギュラーシーズンSet2(1v1)の戦いぶりをPickupしてみた。多彩なデッキが得意と分かる戦績である。彼を相手に何をBANするのが正解なのだろうか。


3. Season2 Wildcard

3-1. Wildcard match1: SANDBOX(KOR) vs FAV Gaming(JPN) in Taipei

 Wildcard (in台北)の第1試合は、SB(KOR-Div)-FAV(JPN-Div)。レギュラーシーズンの対戦では「SB 0-2 FAV」という結果だった。

 第1試合のゲームスコア。「SB 2-0 FAV」とSBがシーズンの雪辱。FAVはこの1敗によって、Playoff進出の為には「①次戦の2-0勝利が必要、かつ、②3チームが1勝1敗で並びかつ獲得セット数でも並ぶ状況が必要」という厳しい条件のクリアが必要になった。

3-2. Wildcard match2: FAV Gaming(JPN) vs Chaos Theory(SEA) in Taipei

 Wildcard (in台北)の第2試合は、FAV(JPN-Div)-CT(SEA-Div)。レギュラーシーズンの対戦では「FAV 1-2 CT」という結果だった。

 第2試合のゲームスコア。「FAV 1-2 CT」とシーズンをなぞる結果に。Set2開始直前には、RAD(FAV)がWildcard敗退を悟って涙を抑えきれなくなる場面も。その後RADは、チームメイトけんつめしに肩を抱きかかえられつつ試合前のデッキ作成に臨んだ。FAVはこの試合に負けWildcard敗退が確定。(と同時に、世界一決定戦の開催国枠のややこしい規定により、JPN-Div1位 PNSの世界大会出場が確定した)

 この試合では試合以上にRADの涙に注目が集まり、色々な意見が交わされた。あれは彼の真剣さの現われだったのだと私は思っている。チームとして1年、個人として2年、彼は「世界」を目標にしてきた。2年間日本クラロワ界のトップを走り続けることでその資格を示し続けても来た。そんな彼が今年も挑戦に敗れたことを理解して気持ちが溢れたのだと思う。クラロワリーグにそれだけの気持ちを持って臨み、準備し、戦い続けてくれた彼の真剣さに1ファンとして感謝の気持ちしかない。

3-3. Wildcard match3: SANDBOX(KOR) vs Chaos Theory(SEA) in Taipei

 Wildcard (in台北)の第3試合は、SB(KOR-Div)-CT(SEA-Div)。レギュラーシーズンの対戦では「SB 1-2 CT」という結果だった。仮にFAVが2連勝していた場合、この試合は規定により行われないことになっていた。だがふたを開けてみれば、それぞれ1勝を挙げたチーム同士がPO進出をかけて戦う決勝の場となった。

 第3試合のゲームスコア。「SB 2-1 CT」と第1試合に続いてまたしてもSBがシーズンの雪辱。Wildcard勝者となり、Playoff進出を決めた。
 Set1の2v2は、今季の中でも屈指にハイレベルな2v2で見ごたえがあった。
Set3 に突入した時点で、レギュラーシーズンKOH最強(勝率85.7%)のCT、KOH最弱(勝率16.7%)のSBという数字から結果が見えた気がしたのだが、ふたを開ければそのSBCTに勝ってしまった。大いなる番狂わせである。

3-4. Wildcard雑感

 ”長期間のレギュラーシーズンを行ったあと、上位数チームのみによる短期間のポストシーズン(WildcardやPlayoff)を開催する”、というタイプのスケジュールは、いまや多くのプロスポーツで採用されている。これは日程の終盤に優勝争いに加えポストシーズン進出争いがあることでレギュラーシーズンに緊張感ある試合が増やせること、ポストシーズンという短期決戦の大一番に盛り上がりを作れることなどの利点が重視されてのことである。

 実は、それまでポストシーズン制を採用していなかった競技で、採用後しばらくして言われるようになるお決まりの言葉がある。「ポストシーズンはシーズンとは別物だ」。

 今回のクラロワリーグアジアSeason2のWildcardを見て、私はふとそんなことを思い出した。なにしろ、5勝9敗だったチームが、9勝5敗だった2チームに連勝してしまったのだから。シーズン成績が報われないじゃないかという思いもゼロではないが、そこに文句を言うなら開幕時にリーグ方式が発表された時点で言うべきことであろう。シーズンで振るわなかったにもかかわらず大一番にしっかり合わせてきたチームが優った。それだけの話だ。

 しかし今回のWildcardによって、CRL Asiaの各チーム(特にFAVCT)は思い知ったに違いない、「ポストシーズンはシーズンとは別物だ」と。そしてその思いは、次のポストシーズンでの各チームの戦略や行動を変えていくことだろう。チームの、リーグの成長とはきっとこういうことなのだ。■


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Match1

Match2

Match3


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+. Youtube Archives

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クラロワリーグ アジア」Clash Royale League Asia, CRL Asia
Official HP(JP/EN/CN/KR)
https://crl-asia.com/jp/
Youtube CH(JP)
https://www.youtube.com/channel/UCtECyE5fuzAqMi1zNLnttIg/featured
Youtube CH(EN)
https://www.youtube.com/channel/UC93yASowKvnrUpvWsCe4F7A/featured
Youtube CH(CN)
https://www.youtube.com/channel/UCpmxCb5IK9HrN91zqGIt20w/featured
Youtube CH(KR)
https://www.youtube.com/channel/UCHckjM64zrnMdB-D8cvuPew/featured


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