今週4月25日(木)、「クラロワリーグ アジア」(Clash Royale League Asia, CRL Asia) 2019年 シーズン1 が遂に開幕する。4月16日にはアジア全12チームの開幕ロスターも発表され、試合地韓国にはすでに各国チームの選手たちが続々と集結し始めている。

本noteでは昨日までCRL Asiaに参加する日本4チームを特集してきた。読者の皆様もそろそろ「対戦相手の他の国のチームや選手たちはどんな感じなのかな？」と気になり始めた頃ではないだろうか。しかし、公式サイトにある選手紹介には無慈悲にも選手の名前しか載っていない（※今回のサムネ）

そこで、今日明日と、CRL Asiaの残る2地区韓国(KOR)と東南アジア(SEA)の各4チームについて「昨季と顔ぶれがどう変わったか」「今季の選手起用はどうなりそうか」などについてざっくり確認していきたい。

今日はまず韓国の4チームについて。

◆

1. KING-ZONE DragonX

KING-ZONE DragonX(KZD)   CRL Asia KOR-Div  Wiki
July
IN: ALPHA(new)／Nuri(new)／Tru-Fast(new)
OUT: Ho(OPG)／X-bow master(OPG)／Big Daddy

KING-ZONE DragonX(KZD)の2018年シーズンは、「S1: 地区1位 & Playoff敗退(Asia 3位)、S2: 地区1位 & Playoff優勝(Asia 1位) & 世界大会ベスト4」と韓国勢で最も良い1年を送った。ディフェンディング・チャンピオンとして臨む2019年 S1なのだが、なんと優勝メンバー4人中3人が退団。うち、エースのX-bow masterとS2 Final MVPのHoは同国のライバルOPGへと移籍した。チームに残留するのはアナリスト的役割も果たした出場数最小のJulyのみ。

KZDの2019 S1開幕ロスターに加わるのは3人の新人。AlphaとNuriは韓国の、Tru-Fastは南米ベネズエラ出身のルーキーだ。CRL経験者を補強せず、4人中3人が新人というチーム編成は「未知数」の一言に尽きる。

2019年シーズン1のKZDの予想布陣は「1v1: Tru-Fast。2v2: July-Alpha、July-Nuri、Alpha-Nuri」。言葉の関係からTru-Fastは1v1に専念し、残る3人の中から2v2ペアを探すことになるだろう。昨季の成功は一旦リセットし、1からコツコツ経験を重ねていくシーズンとなりそうだ。

2. OGN ENTUS

OGN ENTUS(OGN)   CRL Asia KOR-Div  Wiki
One Crown／TNT／HAUL(監督)
IN: Dandelion(new)／Thunder(元SB)／Victor(元MRS, CRL LATAM)
OUT: QMills／Shaden Smuki

OGN ENTUS(OGN)の2018年シーズンは、「S1: 地区3位 & Wildcard敗退(Asia 同率6位)、S2: 地区4位」という結果だった。選手の入れ替えも進み、2018 S1登録メンバーで今もチームに残るのは、今季、選手兼監督から監督へ専念することになったHAULのみ。

OGNの2019 S1開幕ロスターには、2018 S2加入の16歳コンビTNTとOne Crownが残留し、新たに3人の新戦力が加わった。日本のkooとも交友のあるThunder (元SB)は国内移籍、Dandelionは新人、Victor (元MRS, CRL LATAM) はブラジル出身のプロプレイヤーだ。OGNが偉いと思うのは、Victor以外のロスターを1月にはすでに発表していたこと(※CRLの、とは明言しなかったが)。ファンにとって1月から3月の何の情報もないオフはひどく心細い時期だったが、この情報は大いに救いとなった。

2019年シーズン1のOGNの予想布陣は「1v1: TNT、Victor 。2v2: Thunder-One Crown、Thunder-Dandelion」。”アジア最強の一角”TNTとVictorという1v1の2枚看板は相手チームにとって脅威となりそうだ。2v2はThunder-One Crownを第1候補に、ベストなペアを探すことになるのではないか。

3. OP GAMING

OP Gaming(OPG)    CRL Asia KOR-Div  Wiki
EuiChan／DDaBOngTV
IN: Ho(元KZD)／X-Bow Master(元KZD)／Asher(new)／HuNi(new)
OUT: Chasyu／Seong Won／Jin TV

OP Gaming(OPG)の2018年シーズンは、「S1: 地区4位、S2: 地区3位」と韓国4チームの中では最も苦しんだ。2019年の逆襲に向けてチームが選んだのは、同国のライバルチームKZDから”韓国のエース”X-bow master＋”S2 Final MVP”Ho をセットで引き抜くという驚きの豪腕であった。

OPGの2019 S1開幕ロスターには、上記元KZD組2名に加え、韓国の新人Asher (twitterアイコンは綺麗な女の子だけどまさかね…)とHuNiの2人が加わり6人体制をとる。CRL Asia開幕時点で6人体制なのはOPGとKIX(SEA-Div)の2チームのみである。公式戦のほとんどが3 Set Match（先発3名＋リザーブ1名）なCRL Asiaに6人はちょっと多い気がするが。

2019年シーズン1のOPGの予想布陣は「1v1: X-bow master、DDaBOngTV。2v2: EuiChan-Ho、Asher-HuNi」。2018 S2は2v2での登場が多かったXBMだが、今季は2018 S1のように1v1メインとなるだろう。DDaBOngTVはまず出場機会を勝ち取るまでが大変だ。2v2は実績ならEuiChan-Ho、新人の大化けをねらうならAsher-HuNi。予想しやすい1v1と違い、2v2はどの組み合わせで来るのか全く分からないのが正直なところだ。

4. SANDBOX Gaming

SANDBOX Gaming(SBG)   CRL Asia KOR-Div  Wiki
Edo／Sado／Sinchu／Khani(監督)
IN: Greed(new)
OUT: Thunder(OGN)／Beaver

SANDBOX Gaming(SBG, 旧名:SANDBOX)の2018年シーズンは、「S1: 地区2位 & Wildcard敗退(Asia 5位)、S2: 地区2位 & Playoff敗退(Asia 同率3位)」という結果だった。2季連続でポストシーズン進出できたチームはCRL Asiaの12チーム中、SBGを含む4チームだけである。

SBGの2019 S1開幕ロスターには、韓国最強の一角でありチームのエースだったBeaverの名がない。理由や事情は分からない。彼の不在を寂しく思うファンは日本にも多いことと思う。Edo、Sado、Sinchuは残留し、Khaniは監督へ転向。韓国の新人Greedが新たに加入する。

2019年シーズン1のSBGの予想布陣は「1v1: Sado、Sinchu、Greed。2v2: Sinchu-Greed、Sado-Edo」。Beaverに代わるエースとして、1v1も2v2も、フル回転での活躍がSadoに期待されている。

◆　◆

Overview

韓国4チーム全19選手。新人7人(海外1人)。移籍4人(海外1人)。

・新人　ALPHA、Nuri、Tru-Fast、Dandelion、Asher、HuNi、Greed
・移籍　Thunder (SB>OGN)、Victor (MRS>OGN)、X-bow master (KZD>OPG)、Ho (KZD>OPG)

韓国の4チーム全19選手のうち、初めてCRL入りするルーキーの数は7人。これは、日本・韓国・東南アジアのCRL Asia 3地区のうち最多。韓国に若い才能が多かったり、今季は試合会場が年間通して韓国なためスカウトがしやすかったりしたのだろう。7人のうちの1人、Tru-Fastは南米出身のルーキーという点で少し異色だ。（※筆者が調べた範囲ではプロ経歴はなかった）

2018年シーズンのプロ経験者の中からは、国内移籍を選択した選手が3人、別地域のCRLから海外移籍してきた選手が1人(Victor)。4件の中ではやはり、”韓国のエース”筆頭でありCRL Asiaを代表する存在であるX-bow masterの移籍が注目だ。両チームに与える影響は、どう少なく見積もっても非常に大きい。彼を欲しがったチームは少なくないと思うが、なぜOPGを選んだのか、いつか語ってくれるとうれしい。

韓国4チームの2018年 S1 S2 のロスターは日本チームと同様に自国選手で占められていたが、今年2019年は2人の外国人選手が加わった（日本は今年もゼロ、少なくとも開幕時点では）。Tru-Fast(KZD, ベネズエラ)とVictor(OGN, ブラジル)。彼らが活躍できるか？という視点とともに、所属チームは彼らを活かせるか？という視点でも注目していきたい。

がんばれ、公式サイト（韓国語版）！

これは苦言なのだが、記事執筆時点(2019/4/22)では、『クラロワ』公式サイト(韓国版)に、CRL Asia 2019の「選手紹介」は載っていない。全試合韓国開催でおそらく観客も入れると思うのだが、「会場案内」も載っていない。もしやと思って、ゲーム内の言語設定を韓国語に切り替えて”esportsタブ”をチェックしてみたが、そこには2018年12月の世界一決定戦のリプレイ動画へのリンクが並んでいた。・・・お忙しいと存じますが、これはいかんです。

開幕前に選手たちを紹介することは、実はとても大事だ。開幕してから、いや開幕直前でもやや遅い。なぜかというと、公式戦が始まってしまえば勝者と敗者が生まれる。S1が終わった時笑顔でいられるのは12チーム中1チームだけだ。しかし、開幕前の今はちがう。12チーム中12チームの選手たちがみな、厳しい選考を勝ち抜いてプロの座を勝ち取った”誇り”と、新しいシーズンへの”希望”によって、晴れがましい笑顔にあふれている。今しか見られない輝かしいものがあるのだ。そして、今の彼らにスポットを当て、選手とファンをつなぐためには「選手紹介」というツールがなくては始まらない。

S2開幕前には期待しております。がんばれ、公式サイト（韓国語版）！

◆　◆　◆

【クラロワリーグ アジア】日本4チームの全19選手が決定！新規加入選手や、チーム間の移籍も！　（クラロワ日本公式、2019/4/16）
“クラロワリーグ アジア2019年”プロ19名が決定！チーム間の電撃移籍や新選手も　（ファミ通App、2019/4/16）
4月25日韓国で開幕「クラロワリーグ アジア2019」日本代表4チーム計19名のプロ選手が決定！　（おたくま経済新聞、2019/4/16）
RoyaleAPI News　（twitter）
RoyaleAPI　（website）
https://twitter.com/TruFast_CR/status/1119193496697487361
https://twitter.com/ENTUS_Progaming/status/1086169220088422400
https://twitter.com/XbowMaster_/status/1099945118331678720
https://twitter.com/SBGaming_KOR/status/1115530006040473600

◆　◆　◆　◆

+. League Information

「クラロワリーグ アジア」Clash Royale League Asia, CRL Asia
Official HP(JP/EN/CN/KR)
https://crl-asia.com/jp/
Youtube(JP) クラロワリーグ アジア
https://www.youtube.com/channel/UCtECyE5fuzAqMi1zNLnttIg/featured
Youtube(EN) Clash Royale League Asia
https://www.youtube.com/channel/UC93yASowKvnrUpvWsCe4F7A/featured
Youtube(CN) 皇室戰爭職業聯賽 亞洲賽區
https://www.youtube.com/channel/UCpmxCb5IK9HrN91zqGIt20w/featured
Youtube(KR) 클래시 로얄 리그 아시아
https://www.youtube.com/channel/UCHckjM64zrnMdB-D8cvuPew/featured

■