レギュラーシーズンも残すところWeek7を入れてあと2週。重圧のかかるこの終盤に来て、今週は一挙に3人もKOH All Kill(3人抜き)達成者が誕生した。彼ら三者三様のAll Kill劇を追った。

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今回は『クラッシュ・ロワイヤル』の公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ アジア」(Clash Royale League Asia, CRL Asia) 2019年 シーズン2 Week7の「スコアレポート」をお届けする。今週行われた公式戦の要約と、各種記録、そして試合軸でのまとめになる。一緒にざっくりふりかえっていこう。

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Weekly Recap

「クラロワリーグ アジア」(CRL Asia) 2019 Season2 Week7(2019/10/3～6)は、レギュラーシーズン第7週。グループAの6試合、グループBの3試合、あわせて3日間全9試合の公式戦が行われた。会場はおなじみ、韓国・ソウル OGN e-STADIUM。

Week7の「試合結果」はこの通り。
週間2勝をあげたのはグループAのKIXのみ。Match A-23ではPNS相手にiAmJPがKOH All Killをやってのける劇的勝利をあげた。終盤に来て中心選手が期待通りの活躍をしているKIX、調子も雰囲気も右肩上がりである。
今週の注目カードはグループA日本勢直接対決、Match A-27のDNG vs PNS。Playoffs進出のための勝ち星と、同郷ゆえのプライドのかかった負けられない一戦はSet3のKOHに突入。RADのAll Killでノーサイドの笛が鳴った。

Week7終わっての「レギュラーシーズン順位」。
A1位DRX・A2位KIX・B1位OGNの3チームがPlayoffs進出を確定させた。逆にA6位TLNはPlayoffsへ進出できないことが確定した。
次週Week8、レギュラーシーズン最終週は残り5枠のPlayoffs進出チームを決める最終決戦となる。グループAはPNS・DNG・CTの3チームで2枠を争い、グループBはFAV・OP・SBG・BE・GWの5チームで3枠を争う。歓喜も悲嘆もあますことなく、しかと見届けよう。

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Weekly MVPs

１．iAmJP(KIX)、Carrollus(CT)、RAD(PNS)

今週Week7は一挙に3人もKOH All Killerが生まれた。シーズン終盤の大事な試合で大きな仕事をやってのけた選手たちに喝采を。

iAmJP(KIX)は、今週Match A-23のPONOS戦でAll Kill(3人抜き)を達成した。今季7人目の快挙だ。ラヴァ・ディガー、ラヴァ・ディガー、ロイジャイ・オーブンでの3連勝。「Vamos!」と何度も雄たけびを上げた。
開幕前に最も注目された選手といってよい彼だが、その期待度の高さからするといささか地味な成績で先週まで来ていた。それがこのシーズン終盤でのAll Killというドでかい仕事ぶりである。本名 Joan Pey Rodríguez、プレイヤー名 ”iAmJP”。彼の名前を忘れるな。

Carrollus(CT)は、今週Match A-26のDRX戦でAll Kill(3人抜き)を達成した。今季8人目の快挙だ。
Game2では片や残りHP10、片や残りHP100の状況で両者がほぼ同時にディガーを走らせるハラハラ展開を何とか投げた雪玉で制した。Game4ではラストアタックが防ぎきられ万事休すと思った刹那、ミリ残りのラムライダーがタワーに突進して決着。全精力を出し尽くしたCarrollusの、勝ったというのにまるで負けたかのようなリアクションが忘れられない。

RAD(PNS)は、今週Match A-27の日本勢直接対決DNG戦でAll Kill(3人抜き)を達成した。今季9人目の快挙だ。メガナイト・スケラ、ラヴァ・ディガー、ロイジャイ・ライトニングでの3連勝。
”Youtuber”RADはおかしなデッキをPSでねじ伏せている印象が強いが、”Pro Player”RADは正統派デッキを幅広く器用に使いこなしている。もちろん勝負に最善を期しての判断なのだと思う。ただ、彼がプロの舞台で”変態デッキ”を繰り出し相手もファンもたまげさせた上でしかも勝つというシーンも見てみたくなるのが人情というもの。そんな試合が1度2度あるだけで、予測不可能性に相手は戦々恐々、正統派デッキが今以上に通りやすくなるメリットもあるはずなのだ。

２．Line(DRX)

Line(DRX)は今週1v1に2度先発し、Set:2-0・Game:4-1と連勝した。
彼の十八番デッキといえば何と言っても、アイスウィズ・トルネ入りの遅延クロスボウデッキである。ダメージリードを取ったが最後、6分間の無間地獄が相手に待ち受ける恐ろしい使い手だ。だが、今シーズン前半戦では使用頻度が多かったものの、警戒されてきたとみるや後半戦では色々なデッキを散りばめるようにポリシーを切り替えた。今週の使用デッキも、ロイジャイ・ファルチェ、ラヴァ・クローン、バルーン・ディガー。遅延クロスは1度だけといった具合である。なお、勝率は後半戦の方が明らかに良い。

３．みかん坊や(PNS)

みかん坊や(PNS)は、今週1v1と2v2に1Setずつ登場して共に勝利した。
昨年(2018 S1,S2)のアジアを牽引する活躍ぶりと、昨季(2019 S1)の1v1 Set:0-4という絶不調との”落差”のイメージが強いこともあり、一部に彼を”過去の人”扱いする短絡的な向きがあるがそれは誤りである。今季Week7まで終わっての総合個人成績はGame:11-7(61.1%)とアジアのTop10に入ってきたし、懸念の1v1でもSet:2-1と勝ち越した。スーパーエース級とまでは言えないが、エース級の数字を今期は残しているのだ。
”そうは言ってもみかんはKOHに最近使われてないし、オーダーを外れることすらあるじゃないか”という人もいるだろう。確かにそれは事実だ。理由を聞いても今は明かしてもらえないだろうから推測するしかないが、Playoffsでの戦いに向けてPONOSはKOHの2番手・3番手を探している最中なのだと思う。KOHに強いみかん坊やが大事な試合のKOHに出るのは当確で、温存されている状態なのだと見る。Playoffsが今から楽しみだ。

４．天ぷら & Joker(DNG)

天ぷら & Joker(DNG)は、今週2v2に2度出場してSet:2-0・Game4-2と連勝した。彼ら2人をこのコーナーで取り上げるのも、Week5以来2度目になる。その時はバルーンやラヴァハウンドをメインとした空中デッキで好結果を残していたが、ロイジャイ、スケルトンラッシュ、クローン、親衛隊など戦うごとに手札を増やしている。これでは対戦相手も分析がなかなか追いつかないというものだ。
日本勢直接対決となったMatch A-27の対PNS戦ではあの”RR”ペアを相手に2-1で粘りづよく逆転勝利。本人たちも手ごたえが自信に変わりつつあることが試合前後の所作や表情に表れている。日本チームに新たな名物コンビ誕生の予感である。

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Rankings

今週までの各種STATSをみていこう。

▲まず「CRL Pocket」から、Week7までの「対戦成績」。
今シーズンは2回戦総当たり方式なのだが、ここまで”2回とも勝ち(負け)”というのが稀なことがこの表を見るとよくわかる。もともと実力拮抗しているプロリーグだし、負けた側は必死に研究と対策をするからだろう。連勝という稀なことに成功したチームが上にいけるのだ。

▲Week7までの「個人成績(Total)」。ゲーム勝率(G+%)順のTop10。
シーズンも終盤だが、昨季(2019 S1)とは顔ぶれが大きく入れ替わった。昨季レギュラーシーズンの同表のTop10で上の表に名前があるのは、天GOD(PNS)とTNT(OGN)の2人だけ。好成績を残し続けることがいかに難しいことなのか、という一例になると思う。

▲Week7までの「個人成績(Set1:2v2)」。セット勝利数(S+)順のTop10。
上位5位までは動きがないが、シーズン中盤からの好調で天ぷら & Joker組(DNG)が急浮上してきた。

▲Week7までの「個人成績(Set2:1v1)」。セット勝利数(S+)順のTop10。
同じS+で3人が並ぶが、S+%の差でxPedro15(KIX)が首位を奪還した。序盤不調だった各チームのエースたちもじわりじわりと順位を上げてきている。

▲Week7までの「個人成績(Set3:KOH)」。ゲーム勝利数(G+)順のTop10。
今週は、iAmJP(KIX)、Carrollus(CT)、RAD(PNS)の3人が新たにAll Killersに仲間入りした。

▲Week7時点の「BANカード選択状況」。
今週新たにBANされたカードは、ファルチェ・クローンの2枚。

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Next Week

次週Week8（2019/9/19～22）は木・土・日の3日間開催の予定だ。レギュラーシーズン最終週であり、12チームの中からPlayoffsに進出できる8チームが最終確定する。

Week7終了時点の公式の順位表によると、Playoffs進出が確定したのは、DRX・KIX・OGNの3チーム(黄色文字)。敗退が確定したのはTLN(灰色文字)。Week8は灰色文字のチームをあと3つ決めるための厳しくも切ない戦いとなる。

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Match A-22

・グループA1位DRX、同6位TLNを一蹴。DRXのここまでの快進撃をシーズン前に予測できていた人は一体どれだけいるのだろう。筆者も完全にノーマークでした。脱帽。

Match A-23

・Set1　みかん坊や-天GOD(PNS)ペア、KIXのツインタワーを破って勝利ポーズは投げキッス。実況岸「キス受け止めました」
・Set2Game3　Game2でLegend(KIX)が使ったロイヤルホグ・三銃士デッキを投入したライキジョーンズ(PNS)だったが、三銃士をファイボザップで高速処理されてしまう。
・Set3　iAmJP(KIX)、ラヴァ・ラヴァ・ロイジャイで3連勝のAll Kill達成。今季7人目。何度も「Vamos!」と雄たけびを上げる。

Match A-24

・Set1　BenZer今季2v2初出場。2018年S2W2以来。DNGペアの勝利ポーズはこの日解説のkooリクエストに応えたもの。
・Set2　HANExHANEの1v1 Set勝利は今季初でありプロ入り初でもある。おめでとう。

Match B-22

・Set2　Match B-9の再戦。前回結果は、XBM 1-2 iSlaw。
X-Bow Master、2種類のロイジャイデッキを駆使して雪辱を果たす。

Match B-23

・Set2　Match B-8の再戦。前回結果は、TNT 2-1 KK。
・Set2Game3　勝負のかかった第3ゲームにTNTが採用したのはKKのお株を奪う枯渇アウトローデッキ、ただしマスケット入り。KKリベンジ成らず。

Match B-24

・Set2　Match B-7の再戦。前回結果は、JACK 2-0 Jaii。
・FAV-BEの直近の対戦は2連続でけんつめしがKOHでAll Kill(3人抜き)を決めるという劇的決着が続いている。そしてこの日もKOHに突入。
・Set3Game1　さすがに3連続はなかった。いや、さすがにね。
・Set3Game2-4　だに(FAV)、あわやAll Killの2タテ。今季初Game勝利。
・Set3Game5　JACK vs ManongJhipeeの大将戦はタイブレーカー決着となる大接戦に。9.30アップデートでタイブレーカー機能が実装されて初めてのCRL Asiaでの適用試合となる。（※記録上0-0とするのか0-1とするのか獲得クラウン数の処理に関する公式見解が不明なので、仮に0-1としておく）

Match A-25

・Set2Game3　世に出てそれほどの時間のたっていないトリトンを自由自在につかいこなすxPedro15(KIX)の理解力・技術力が光った。
・この敗北でTLNはPlayoffs進出がほぼ絶望的に。

Match A-26

・Set1　CTはJayTV-Carrollusの今季初ペアを起用。ただし、彼らは2018年S2の2v2主戦ペアとしてコンビを組んだ歴史がある。
・Set2　Match A-11の再戦。前回結果は、Line 2-1 BenZer。
・Set2Game3　Lineは遅延クロス、BenZerは迫撃アウトローという十八番デッキの激突はタイブレーカーにまでもつれる。
・Set3　伏兵Carrollus(CT)が今季8人目のAll Kill(3人抜き)を達成。特にGame2,4は最後まで勝負の行方が分からない死闘を制してのものだった。

Match A-27

・グループA日本勢直接対決の一戦。日本で開催中のラグビーW杯にちなんで、両チームHAKAで入場前ポーズ。
・Set1　親衛隊・三銃士・迫撃砲といった2v2で非主流のカードを両チームが積極的に使用する”攻めた”試合内容に。
・Set3　先鋒のRAD(PNS)がAll Kill(3人抜き)を達成。今季9人目。Game3の最終盤、RADのロイジャイをはがすために出した天ぷらのトリトンをオーブン設置で妨害した一手は心憎かった。

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クラロワリーグ アジア Clash Royale League Asia, CRL Asia
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クラロワリーグ チャイナ Clash Royale League China, CRL China, CRL CN
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クラロワリーグ ウェスト Clash Royale League West, CRL West
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