白熊俳句 勝手に雪ん子⛄️賞発表
白熊俳句勝手に雪ん子⛄️賞
早速発表!!
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凍月ヲ背ニ吸血鬼人戀シ
せきぞう、さん
冬の吸血鬼というモチーフがすでに素敵です。恋しいのは血ではなく人肌とは、なんとロマンティック。旧漢字•カタカナ•半角カタカナのふりがな標記が、ノスタルジーを誘います。なんか江戸川乱歩の世界観。書や絵を組み合わせた、せきぞうさんの作品は、もはや俳句の域を飛び出した総合芸術と思います。
猫がため硝子戸二寸すきま風
路傍の花(O87)さん
祖父母の家で、下隅の障子が短冊に切ってあったのを思い出しました。猫の出入り用です。部屋に居れば炬燵で大きな顔、気まぐれに出て行けば人間が寒風を堪えて待つ。それでも飼っちゃう猫ちゃんなんですね。家人と猫の関係が垣間見える、愛おしく素敵な句です。
息白し朝の玄関灯あえか
直輝さん
「玄関灯あえか」はまだ暗い時間に起き出す冬だからこそ。季語じゃない言葉で季節を上手く表してるなあと思いました。季語の「息白し」を伴って伝えるのは、明るくなりきる直前の、凛として清々しい冬の冷気と朝の静寂。朝ぼらけの臨場感がお見事と思いました。
地平線際まで青し冬の空
ahiragaさん
工場等の操業がなくて澄み切ったお正月の空が大好きです。千葉から富士山が綺麗に見える日です。雪や曇りがちな冬の空ですが、その中でも青空の日を詠む感受性が素敵です。「地平線際まで」が開放感、多幸感を表しています。
弧を描く線路の風や初写真
IKUKO@するすみさん
雪の鉄道は好きなモチーフです。でも、列車ではなくて線路なのがいいと思いました。列車を撮ろうと待ち構えていたところ、粉雪が舞い上がった瞬間に思わずシャッターを切った。そんなシーンが思い浮かびました。雪を通じて風が描く弧を感じるなんて、素敵な感性です。
どの人も寡黙なペンギン冬の街
石塊さん
通勤ラッシュ時の品川駅コンコースを思い浮かべました。似たようなモノトーンのコートを着て、うつむき加減で一方向を目指す人の群れ。そんな無機質な光景を、人気者のペンギンの群れに比喩したのがアイロニカルで秀逸と思いました。「どの人も」が響きます。
転勤の辞令一枚冬銀河
よこがおさん
転勤辞令という卑近なものと、冬銀河という永遠で雄大なもの。「辞令一枚」で、都会から地方への不本意な異動があったのかもしれません。引っ越しや引き継ぎなどでせわしない中、ふと見上げれば都会では決して見ることの出来ない素晴らしい星空が。この地で生きていくのだという、覚悟の様なものを同時に受け取るのです。
静脈の透けしてのひら六花
dekoさん
手と雪の対比。「静脈」の一語が入ることで感じ取れるのは透明感と無常感。透き通るようなてのひらの上で、儚く溶ける透き通った六花。同じ視界には透けた静脈。命の儚さを雪に重ね合わせているように読めます。詩があります。
涙目を隠すおでんの湯気の中
ふぅ。さん
苦しみながらも、食欲という根源的な欲求を満たそうとする姿が、愛おしく美しいと思います。泣きじゃくりながらご飯食べてる子供も絵になりますよね。本句では、泣いてるのを隠そうとしてるところも、食べてるのが「おでん」なのもいい!絶妙な表情が思い浮かびます。食べられるうちは大丈夫です。
以上8句が勝手に雪ん子⛄️賞でした。
勝手に雪ん子⛄️賞受賞のみなさん
おめでとうございます🎉
この記事で選ばなかった句も、本当に素晴らしいものばかりでした。明日選ぶと、きっと違う句を選ぶと思います。
みなさん本当にありがとうございました⛄️
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