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急げ、冷凍唐揚げだぞ!冷凍のだぞ!

家人、「Hotto Motto」のCMを見てひと言。
「ほっかほっか亭の唐揚げ、おいしかったんだよ」

まだ仕事をしている頃のこと。ぼくが家人と部下用の弁当を作り損ねた昼に、よく食べてたいたらしい。

しかし、家人の手元では、今晩の「サバ焼定食」が半分出来上がりつつある。

でも、おいしかったんっだよね、と、念を押してくる。

そこまで言われると、ぼくの口も、もう唐揚げ。

鶏肉は、昨日ぼくが使ってしまった。
スーパーまでは遠い。

そんなときは、近くのドラッグストアにまっしぐらだぁ!

袋を開けてレンジでチン。
立派な唐揚げの出来上り。

焼いてしまったサバは半分食卓、半分ほぐして冷蔵庫。

さて、ビールを注いで、唐揚げを頬張る。
唐揚げにはビールと決まっている。

ニラ醤油をかけた冷奴。

切り干し大根煮。

くらげときゅうりの酢の物。

ビールが空いて、ワインを取り出してくる。

家人のお皿には、まだ唐揚げが一個残っている。

ぼくは、かじりかけを口に放り込み、このひとの、この歌を聴きながら、哀しくもないのにそっぽを向く。

家人、知らんぷりして唐揚げにお箸。

ご馳走さまでした、って、今日も終わってく。

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