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美味しさに☆を打つのは野暮だが、どうしてもと云うなら、”誰と食べたいか”を基準に追加して欲しい。

ライトアップされた永代橋とスカイツリー。この景色を地上38階から毎日見ていた。


17年間、佃で暮らしていた。

墨田川の流れが、本流晴海運河に分岐する島の突端に建つタワーマンションに住んでいた。

ぼくの部屋は、ちょうどこの写真の方向、墨田川の上流の景色に相対していた。

気がむいた朝には、門仲に通じる相生橋八重洲へ向かう中央大橋を渡り、永代橋墨田川大橋清洲橋を廻った。

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深呼吸すると、かすかに潮の匂いがした。

今日は京葉線有楽町線を乗り継ぎ、月島駅で下車して中央大橋を渡った。

「何も変わってないね」と家人。

まあ、引っ越して3年。本屋さんが無くなったくらいか。

ぼくらの若い友人たちから、とても美味しくて雰囲気の良いトラットリアがあるからと、誘ってもらったのだ。

彼らとは、いろんなところへ旅をしている。腰の重いぼくらでは、とても実現しなかった本当に楽しい体験だった。

彼らが持っているモノ、コトの価値を推し量る能力にはいつも驚かされた。

ひとりは月島で出会い、今は勝どきで「Red String」というバーをやっている飲食のプロ。もうひとりは、この日もオークション帰りの画商だから、それもそのはずというやつ。

だから、今回もぼくらは言われた通りに歩いて、曲がって、降りて、着席すればそれで良いという超らくちんな会食。

中央区新川の「ロカンダ」というお店。

おしゃれではないが、それが好ましい。

シェフの位置から店全体が見渡せる。

マスクに隠れたお顔が、今、おいしいものを作りますからね!と言っている。

愛媛の地鶏焼き

この捌き方が気に入った。これならあれもこれも味わえる。もう、次回を何時にしようか考えるほどのお気に入り。

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鯖のリエット(前菜盛り合わせ)。臭みが無くしっとり。

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ヒイカと椎茸炒め。火の入れ方絶妙。噛むと押し返し、噛みしめると柔らかい。

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タコのフリット。こんな柔らかい揚がりは久しぶり。

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お店選びの条件には、

シェフの技量。

素材の確かさ。

ホスピタリティ。

といろいろあるだろうが、

ぼくなら、その店で”誰といっしょに食べたいか?”第一にあげる。

今夜は、若い友人たちがぼくらを選んでくれた。


さて、もう一軒寄って、バーボンソーダでも。

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