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AC6のストーリーを自分なりに考察②全エンディング解説【ネタバレあり】

前回の記事では、考察を進める前提となる登場勢力について解説した。今回はいよいよ、この物語が辿る3つの結末、それぞれについて整理していきたい。

前回に引き続き最大級のネタバレ満載なので、全てのエンディングを見ていない方はブラウザバック推奨。

1.レイヴンの火

猟犬としてハンドラー・ウォルターの意志を継いでコーラルを絶滅させるという、基本となるであろうルート。このルートの621はおじいちゃんによく懐いたわんこっぽい戦い方をするらしく、V.Iフロイトに「この高高度で、鳥じゃないのが面白い」と煽られている。難易度も低めな印象を受け、1周目は特に何もなければこのルート、という想定なのではないだろうか。

ストーリーも分かりやすく、出てくる全員が律儀に自分の目的を解説しながら登場するのでシリーズ初心者でも安心のおすすめルートである。

運命の分かれ目はザイレム起動直後、オーバーシアーかエアかの二者択一を迫られる。ただ、脱獄ミッションでRaDへの好感度が最高潮な中、舌の根乾かぬうちにシンダー・カーラ排除に乗り出すのは余程の捻くれ者だけだろう。ちなみに筆者は1周目にルビコンの解放者になった。なんと人道的な人間だろうか。

ルート固有の主なボスはスティールヘイズ・オルトゥス(ラスティ)とIB-07:SOL644(エアちゃん)で、2人ともルビコニアン絶滅の危機にブチギレである。

このルートではラスティが解放戦線の一員であることが明確に示唆される。ALBA開発の経緯についてはルビコン解放戦線関係のログにチラホラ記述がある。そこからわかることをまとめると以下のようになる。

・BAWSの売り上げをエルカノに回して資金を作り、新型の開発をしていた(バレて監査が入った?)
・深度3探索ミッション直前にファーロンが技術支援に合意し生産の目処がついた。
・新型が完成してしまえばもはや潜伏の必要もなかったが、伝令が間に合わずレイヴンとラスティが潰し合った。

解放戦線はスティールヘイズ・オルトゥスを旗印に大規模反抗計画を行う算段だったのだろう。AC1機で強襲艦10機とか落とせるし、ラスティならなんとかできる、たぶん。

ブチギレエアちゃんが乗っているのはアイビスシリーズのひとつ。エアちゃんは本来ならインテグレーション・プログラムをレイヴンと一緒に(イチャイチャしながら)調べていくうち、自分がACに乗れることに気づくのだが、このルートのエアちゃんは独力で必死こいてオールマインドのデータを漁って気づいたのだろう。殺意の波動に目覚めたエアちゃんは、制御導体にコーラルを使っているものは大体操れるという水星の魔女じみた能力を持つやべー女と化す。

エアちゃんは絶滅の危機に決起して衛星砲をハッキングし、軌道上でひとり封鎖機構をやっている。封鎖衛星呼び出しからのタイマンという漢気あふれる解決方法で、元カレたるレイヴンと最後の戦いが始まる。

チャティを失い船体にもダメージを受けたザイレム手動操舵での特攻を余儀なくされる。コーラルの爆発には指向性があり、そのおかげで一部のルビコニアンは灰かぶりとなったとのことなので、本来の計画では生き残る算段があったように見えるが、オリチャー発動により少なくともカーラの生存は望めないだろう。

そしてレイヴンは歴史に名を残し、その後姿を見た者はいない。

2.ルビコンの解放者

捻くれたことをするとそれ相応のしっぺ返しがあることを教えてくれるルート。幾多ものエアちゃんを助け隊が1周目からミサイルカーニバルに挑み、返り討ちに遭ったことであろう。

ルート固有の主なボスはアーキバス・バルテウス(スネイル)、IB-CO3C:HAL826(ハンドラー・ウォルター)

スネイルの動機については第2隊長自らがご説明くださっているので誤解の余地はない。企業からしてみれば主人公のザイレム撃墜については、まさに渡りに艦である。しかし、スネイルとしては企業に敵対し自分を殺そうとした主人公は、御しきれない脅威、害獣であり、駆除できるうちにしないと安心できないということなのだろう。

そしてラスボス、ハンドラー・ウォルターの登場については謎が多いものの、妄想をひとつまみしてそれらしい解釈を述べておこう。

まず前提として、ウォルターは主人公と一緒のタイミングでアーキバスに捕まり再教育センターに送られたということにしておこう。これについて明言できる証拠はなく、全て会話のニュアンスからの憶測である。

次に、スネイルの「あなたの飼い主は実に反抗的でしたよ」とのセリフから、再教育が有効でない者が送られる「ファクトリー」にウォルターは送られ、再改造を受けた。これはもう完全に妄想だし、別に再教育だけ受けました、でも話は通るので重要ではない。

最後に、技研が開発したアイビスシリーズ最終後継にして唯一の有人機体であるHAL826にウォルターを載せ、大気圏外に行ってらっしゃいする。ウォルターの登場タイミングはザイレムの墜落が確定した後である。ウォルターを送り出した企業の目的は、もちろん害獣駆除だ。コーラルを手に入れ、主人公を殺せば、アーキバスによる進駐体制はいよいよ盤石なものとなる。

企業による再教育と、致死量に近いコーラル漬けで錯乱したウォルターは、障害として主人公を排除しようとする。植え付けられた企業の命令は主人公の排除、だが僅かに残ったハンドラー・ウォルターの意志は抵抗を始める。「計画の障害となる621を排除しろ」と。

そう、この時のウォルターは洗脳と本来の意志の利害が完全に一致しており、二律背反どころか殺意2乗マシマシ状態なのだ。コワイ!

企業に植え付けられた命令も、オーバーシアーとしての使命も、レイヴンを殺せと命じている。コーラル漬けによりエアの声が見え、「火種を見つけたぞ」とニッコリ。

だが、戦いが終わりに近づくにつれ、錯乱したウォルターの洗脳は解けていく。最後は純粋に自らの使命のためだけに自らの猟犬と戦い、しかし敗れた時、彼の口から出た言葉は

「お前にも友人ができたんだな」

使命のために猟犬を育て、数えきれないほどの犬を使い潰してきたウォルターは、ようやくハンドラーとしての仕事を終えることができたのだ。

3.賽は投げられた

フロム特有の、トゥルーエンドになっているか反応に困るトゥルーエンドである。初見で「これブラボの幼年期の始まりじゃん!」となった狩人は私だけではないはず。このルートでは当たり障りのないお助けシステムと思われていたオールマインドがひたすら暗躍し、未回収の伏線をローラー式に回収していく。

このルートでは主人公がオールマインド先輩の協力者となるのだが、先輩はどこぞの尻軽波形のように軽い女ではないので中々デレてくれない。当初主人公はリリース計画の危険因子として認識されており、彼を葬るため幾度も刺客を指し向ける。

また(妄想だが)スッラもオールマインド先輩の協力者ではないかと思っている。先輩の部下であるゴーストがウォッチポイントに出没するのもそうだが、猟犬狩りをするのもオールマインドによるウォルターの計画の妨害ではないかと思う。

その後に放つ刺客も次々撃破されるため先輩はめんどくさくなり、「こいつ消すよりとりあえず利用したほうが楽なんじゃね」と気づく。そして帥父ドルマヤンをけしかけて現状の共存も搾取と抑圧に過ぎないことを示し、その後も気になる情報をちょくちょく小出しにして、人類との共存を目指すエアちゃんをコーラルリリースに導いていく。

まんまと621を協力者に仕立て上げ、独立傭兵ケイト・マークソンと同じく全ての記録を抹消し手駒とした先輩は、計画最大の障害であったオーバーシアー2人をヴェスパー隊のデッドコピー6人をけしかけ押し潰す。

さすが先輩や、一生ついていきまっせとなっているところ、やっぱり計画の異物に過ぎない2人が気になり、大詰めを迎える前に排除しようと手のひらを返す

621に敗北した旧世代型強化人間たちの意識を統合した結果、「俺にやらせてください!」と言わんばかりになんかめちゃくちゃやる気あるイグアスとかいう新入社員がしゃしゃりでてきたので戦闘を任せてみたところ、こいつがとんだ狂犬で言うことを聞かず、かなり焦る先輩。

最終的にイグアスは負け、オールマインド先輩も消滅してはいないのだろうが手駒がなくなり、621とエアを実力で止めることはできなくなる。2人主導のコーラルリリースを見ていることしかできず、先輩の計画は完全な形で実行されることはなかった。

コーラルリリース計画の概要について妄想すると、
1.人類の意識をコーラルに移し
2.その意識を相応しい身体に載せ
3.人とコーラルが共生する新世界創世

となる。人間はコーラルを大量に浴びるだけで死に至るため、現状の身体では共存は不可能であり、それを解決するのがコーラルリリースだ。強化人間がコーラルを大量に浴びた場合、「意識がコーラルの流れに散逸する」らしいのでそれを意図的に利用することで人類と共存するらしい。

オールマインド先輩の行動は以上の計画を実行するためのものであり、
1.取り込み可能な旧世代型強化人間の意識をいっぱい統合
2.表皮のように肌に馴染む(意味深)ACを研究し、新人類の身体を開発
3.一箇所に集めたコーラルに統合した全ての人格を載せ、星々に伝播

ということになるのだろう(多分に妄想含)
新世代の強化人間はコーラル代替技術を使っているためおそらく方舟には乗れないだろう。621と同じ第4世代型強化人間であるイグアスがラスボスだったのも、これを分かりやすく示すためだろう。

イグアスの耳鳴りの正体がエアの声だったことも明かされる。つまり一つ間違えばエアと最初に交信していたのはイグアスになっていたかもしれない。
企業から抜け、野良犬との戦いをひたすら望み、オールマインドの声すら跳ね除けた狂犬は、ある意味もっとも自由なもう一人の主人公と言えるだろう。

そして宇宙に解き放たれたコーラルは星々に伝播し、その辺に放置されていた探査用ACを身体とした、新たな生命が生まれる。人類とコーラルの共存する新世界の創世は成った。

賽は投げられた。幼年期の始まりである。

まとめ

本記事は妄想要素がとても強く、これが解答であるとは思わないで欲しい。ただ、今作は本当にストーリーがわかりやすく作られており、枝葉の部分を除けば誰が見ても一定の見方に落ち着くだろう。本当に完成度の高いストーリーだ。10年経っても何考えてるか分からないどこぞの水没ランク1や旅団長も見習ってほしいものだ。

周回に必死でログ集めや情報の精査も十分にしていないので、矛盾はかなりあると思う。何かあればヴェスパー第2隊長のような優しい口調でコメントをしてくれなければ困るんですよ駄犬が。

管理者権限で履歴も残らない極秘メッセージを送りたい先輩は、オールマインドにハッキングをかけて筆者のXアカウントを探るとよいでしょう。

最後に前回のコメントで提供された貴重な情報を紹介。

ご友人のミッションで入手出来るドーザーのログ曰くカーラ、見た目は若いみたいっすね

筆者、恥ずかしながらそのログを手に入れておらず、探して参りました。ありがとう!

通信記録:コヨーテスの雑談
うちの新しいボスだが… 本当に信用できるのか?
カーラの野郎だってそうだろ
あの若さで灰被りたあ 大ボラもいいとこだ
RaDの連中は…
全員とんでもねえ嘘吐きなんじゃねえのか?

カーラの正体や年齢については一生答えがでないまま争い続けることになるでしょう。カーラが絡むと死人が増える。こういうことだ。私は手を引かせてもらう!

ナガイのログを見る限りではウォルターは第一助手の子供、カーラは第二助手その人ですね。つまり少なく見積もっても70代のバb……
現在のオールマインドはコーラルリリースの際にエア(と621)を取り込む必要があると言っていたことからコーラルではなくAIだと思われます。

今回の記事ではオールマインドがコーラルである前提で話していたが、実は先輩は自分がコーラルであるなどとは一言も言っていないのだ!(自分が改めて見た限りでは)
まったく気付かなかったぜ、恐ろしいコメントだ。
私の妄想では、オールマインドがAIだとしたらリリースの動機がなさすぎるし、そんなAIを作りそうなヤツにも心当たりはないので、先輩コーラル説を採用している(現状は)

と思ったが、コーラルリリース計画ってもともと技研都市の論文からセリアが見つけてきたものだしなあ、技研都市ならコーラルリリース遂行のためのAIなんて作っててもおかしくないなあ、なんて思う今日この頃。

オールマインドはエアのことをCパルス変異波形と呼んでおり、オールマインドは変異してないCパルスの総意みたいな存在じゃないかと今のところは妄想しています。

最終戦で先輩が「あなたがたは計画の異物に過ぎないのです」と言っているあたり、本来のリリース計画に2人は組み込まれておらず、イグアスのような特別な強化人間ひとりいればよかったんじゃないかという印象を受けます(妄想)

しかし先輩は「あなたの同胞は我々を歓迎するでしょう」などとお前コーラルじゃねえのかよ的セリフも吐いており、謎は深まるばかり。
このセリフについては、「エアやセリアのような変異波形も歓迎するでしょう」とも解釈できるが、かなり苦しいか。

やはり先輩はAIだったのか!?記事を全て書き直せばならないのか!俺たちの明日はどっちだ!?

追記:

次回記事にてオールマインドちゃんの正体にて妄想します。


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