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余白を作るトークでいかにその場を盛り上げるか

ここ最近、ちょっとした雑談をする場面で、自分が「あ、こんなことを意識的にやっているな」と気づいたことがあったので、今日はその話を書こうと思います。

特に、初めましての人と会話する場面や、お互いのことをそこまで深く知らない人たち同士が集まる場面などでは、

「あぁ、つまらない時間だったな」
「緊張したな」

という印象で終わるよりは、少しでもお互いにとって心地良い時間だったと思えると、いいよなぁ、と思うんですね。


たかが雑談。
されど雑談。
です。

・・・・・・・


先日、ある方々とランチをすることになりました。
わたしだけが初めましての状態なので、質問は自ずと、わたしに向けられたものになりました。

その中で、コロナになった頃からNetflixを見るようになり、そこから韓流ドラマにハマった話をしたところ。

「韓流ドラマ、流行ってますよね。そんなに面白いんですか?」
という質問をしてくださった方がいました。

この、
Yes, it is.
No, it isn’t.

で答えられるクローズドクエスチョンを、いかに返すか。
その質問をきっかけに、場を盛り上げることができるか。
思考がフル稼働をはじめるわけです。


その時は、タイトルくらいは耳にしたことがあるだろうと思い、「愛の不時着ってドラマ、聞いたことがありますか?」と、このドラマを引き合いに出しました。

このドラマのすごいところは、
舞台が、韓国と北朝鮮がベースにあるところだと思うんですよ。

本来なら出会うはずもない二人が出会ってしまった。
誤って北朝鮮に”不時着”してしまったヒロインを、秘密裏に韓国へ帰してあげられればいい。
これだけでもすごいミッションだけど、実はシンプルにそれだけのこと。

ところが、この二人が恋に落ちてしまった。
つまり、彼女を帰国させることは、そのまま永遠に会えなくなってしまうこと、恋が終わってしまうことを意味するんです。
この「帰してあげたい。だけど、二人には結ばれて欲しい…」というジレンマが多くの視聴者を悶絶させ、のめり込ませたのだと思います。

わたし個人が思う、このドラマの真髄のところをちょろっとお伝えしつつ、
相手の中でのイメージが浮かぶような、興味が湧くような、ちょっとした余白を提供できたら。
と思い、先の質問について、お返ししました。

すると、その場の皆さんから一斉に「ほぉ〜」という声が漏れ、

「それって、北朝鮮も制作に絡んでるんですか?」
「昔、『冬のソナタ』にハマったんですが、設定やストーリー展開が次第に物凄いことになってて…このドラマもそんな感じですか?」
「結局、二人は結ばれるんですか?どうなるんですか?」

などなど、質問が飛び交い、そこから、皆さんがハマっている大河ドラマや、アニメの話などに展開し、トークが盛り上がり、ランチが終了しました。


また、別の日に。
わたしが、これまで、人事→デザイナー→人事、というのキャリアを進んできたことを、これまた初対面の方へお話しする機会がありました。

相手の方は、このキャリアに興味を持ってくださったらしく、最後にエレベーターまで送ってくださる廊下を歩きながら、こんな質問をしてくれました。

「門脇さんが思う、デザイナーの極意はなんですか?」

この質問も、思考がグルグル動きました。
エレベーターまでの数十歩の限られた時間。
でも、せっかくいただいたこの質問をきっかけに、どう最後のトークに、ひと花咲かせられるか…

相手の方は、デザイン業界についての知識は、おそらくほぼない。
でも、日頃プレゼン資料を作成したり、イベント告知をする際など、相手に「伝える」ことは仕事の中で取り組まれているし、そこに面白みや手応え、難しさ…を感じていることは分かりました。

その相手に投げ返す言葉…何が良いか…
と思った時に。

クライアントさんが言語化していない、
内側にある本当のニーズやウォンツをいかに引き出すことができるか。
だと思います。

とお返しすると。


この時も「ほぉ〜」という反応があり、
「え?それ、どういうことですか?」と、結局、エレベーターに一緒に乗り込まれ、その話で盛り上がりました。

多分、その方の頭の中に「?」という余白が生まれたんだと思うんですね。
デザイナーというと、たいていの方は、表層的なものについての回答をイメージされると思うのです。
その「当たり前」「予想どおり」の切り口を、いかに崩して、共感や興味関心の火を灯せるか…

「僕のやっている仕事と結局同じだ!」と、日頃の話を色々と聞かせてくれました。
結局、エレベーターを降りた後も笑

・・・・・・・

トークで爪痕を残したい、とか、そういうエゴ的なものではなくて。
僅かなひと時でも、共有できる時間があるのならば、その時間を、少しでもお互いにとって良いものにしたいなぁ、と思うのです。
そのために、相手がイメージしやすかったり、そのトークにノリやすい”余白”を、いかにして作れるかを、これからも大切にしたいなと思います。


そう考えると、一瞬にして、きた球を切り返せるお笑い芸人さんなどは、
本当すごいなぁ、と思いますよね笑(なんだ、この結論)

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