昨日、前の恋人に会った。

昨日偶然、前の恋人に会った。
ちょっとだけこの世界に疲れたみたいな肩を寄せあって、あの頃を思い出していた。

なんと言うか、彼との思い出はドライフラワーみたいで、はなから褪せてるから枯れないみたいな、そんな感じ。

ずっと変な人だと思ってた。
私の手首にキスをして、血の着いた白い服もちゃんと綺麗に洗い流してくれたり。
太ったなんて言った日はいつもより大切に抱いてくれたり。
だけどそんな変な優しさに、ずっと救われていた。

放課後になれば東門で落ち合って、今日も辛かったなんて言えたから、あの頃私は頑張れていたんだと、いなくなってから気づいた。

昨日の会話を、彼の言葉をどうしても残しておきたい。
忘れないうちに。

「腐れ縁みたいになってるね」

「でもお互いに害は無いし、一人くらいそういう人がいてもいいんじゃないかな」


「生きてね」

「うん、君もちゃんと生きててね」

「また、いつかね」

「うん、またね」

また、彼の言葉に生かされてる。

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