新人戦

建築コンペで200万稼いだ方法_09【建築新人戦には絶対に参加しろ】

皆さんこんにちは。Kaede Architectのなかむラテです。久しぶりの投稿になってしまい申し訳ありません。

今回はタイトルにある通り、【建築新人戦】について、私の経験談から当時思っていた事などお伝えしようと思います。

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私は2011年大学3年生の時に【建築新人戦】に集合住宅の課題を応募しました。学内では選ばれておりませんでしたが、運もあり建築新人戦100選に選出して頂きました。

2次審査のため模型を修正して大阪にある梅田スカイビルの会場を訪れると、同年代の他大学の方の作品のクオリティの高さに衝撃を受けたのを覚えています。これが同じ期間、建築を学んだ学生なのか。と。

大学内だけでは気付かなかったことが、数多く転がっていました。考え方や計画案だけでなく、シートのまとめ方や模型表現の方法まで、兎に角勉強になることばかりでした。

3年生の時にこの経験が出来たことは、大学院まで進み、建築設計を仕事にしている私にとって、大きな分岐点でもあったと感じています。

そんな経験を皆さんにも感じて貰いたく、今回は【建築新人戦】という学生コンペ(コンテスト?)に焦点を当てて書いていこうと思います。是非最後までお読み頂ければと思います。

【建築新人戦ってなに?】

【建築新人戦】は建築を学んでいる学生の中でも比較的に若い世代?の人達のために開催されるコンペです。

通常の学生コンペで、3年生が大学院2年生に勝つのは正直厳しいですよね。

4年生大学で言えば、3年生というのは最も建築設計力が伸びる期間でもあります。その時期に同学年の他大学との競争を経て、建築ルーキーを発掘しようというのが【建築新人戦】の目的になっています。

応募資格があるのは、4年制大学・3年制専門学校では3年生までで、3年次の前期までの課題作品が対象です。また、短期大学や2年制専門学校は2年生までで、2年次の前期までの課題作品が応募の対象となっています。短期大学専攻科は1年生まで、1年次の前期までの課題作品、高等専門学校は、4年次から5年次の前期までの課題作品が応募可能となっています。

上記のように【建築新人戦】は、このコンペのために新しく提案するというものではなく、学校の「課題」を提出すると形をとっています。詳しくはHPのトップに記載されてあります。下記をご確認ください。

建築新人戦は、所属する教育機関(大学・短期大学・専門学校・高等専門学校)で取り組んだ設計課題作品を対象に実施するコンテストです。一次審査を突破した100作品は、展覧会場に展示され、二次審査・公開審査会において最優秀新人を決定します。大学の枠を超えて多様な建築の議論の場として、またこれが今後活躍の期待されるゴールデンルーキー発掘の場であることも「建築家教育」の可能性を開くものです。
他校の学生との設計課題作品を介した交流を通じて、自らの構想や技量そして自身の所属する教育環境を問い直す場でもあります。
昨年の10周年を終え、先輩建築家からの大きなバトンを繋ぐべく、さらに多くの学生が参加されることを願い、建築家への情熱が躍動することを心より期待いたします。

上記HPより引用

▼【建築新人戦】のHPリンク

【建築新人戦の意義】

正直【建築新人戦】は将来、意匠設計を目指す学生が集まる場です。ここで知り合った人達とは、大学内在学中のコンペなど至る所で顔を合わせることになります。

ただ、建築新人戦で100選に選ばれた人達がもともと有名になるくらい設計力があるわけではありません。もちろん0ではありませんが、どちらかと言うと、「100選に選ばれて自信を身に付けて、他大学の学生から多くを吸収して、負けまいと努力出来た人が成長して、コンペキラーになる」と言った方が良いと思います。

3年生という時期に「設計が楽しい」と思えることは、とても重要なことなのです。

HPのトップにもあるように、「他校の学生との設計課題作品を介した交流を通じて、自らの構想や技量そして自身の所属する教育環境を問い直す」ことこそ【建築新人戦】の意義ではないかと私は思います。

【建築新人戦での経験】

次からは2011年の【建築新人戦】で実際に私が感じたことについて書いていきたいと思います。冒頭でお伝えした通り、【建築新人戦】に行った時に同年代の作品のクオリティの高さに驚きました。

私が在学していた大学では、2年生までは基礎知識を学習する授業がほとんどで、製図の授業は模写がほとんどでした。設計の授業は、2年生の後期にある「住宅課題」のみです。そのため本格的な建築設計は3年生になってから始まりました。しかし、全国を見れば、2年生から設計課題がある大学もあれば、1年生から設計課題を履修する人もいます。

設計課題が早く始まれば良いというわけではありませんが、あの頃の私は「全国との差」を実感したのです。恥ずかしい話ですが、「提案というのは、ここまで作り込む必要があるんだ」と素直に思ったのです。

具体的に驚いたことは下記の2点です。

①【表現のクオリティが違う】

▼下記は私が3年生の時に設計した集合住宅の模型写真です。これで新人戦に望みました。今見るとクオリティの低さが目につきますね。

模型もそうですが、メインパースにおいても「差」は歴然でした。私が3年生の頃の提案シートのメインパースと言えば模型写真が大半でした。良くてPhotoshopで加工する程度です。

でも【建築新人戦】の上位入賞者のメインパースでは、模型写真はハッ付けただけの人なんていません。CGはあまりいなかった印象ですが、手書きパースによって、単純に「良いね」と思わせられる表現がなされていました。

当たり前かもしれませんが、当時の私には衝撃でした。

「計画をわかりやすくするために全体を見せる」のではなく、「その計画を支えるコンセプトや概念を表現するため」に考え抜かれた手法、純粋に誰が見ても良い感じと思える手書きパースにレベルの差を感じました。

②【白模型なんていない】

レベルの差は提案シートだけではありません。模型も同様でした。

上記の写真を見てもらえればわかるかと思いますが、屋上に芝生を貼っているものの壁はスチレンボードです。これは白模型と言われるもので、敢えて白模型にするという場合もありますが、この時の私は「建築の素材を考えていないだけ」です。しかし、【建築新人戦】の上位入賞者はそんなことはありません。

この壁はコンクリートだ。タイルだ。床はフローリングだ。タイル貼りだ。屋根は茅葺だ。柱はH鋼だ。そこまで当たり前に考えられていることに驚いたのです。

そこから私はスチレンボードだけの白模型は中止しました。

【建築新人戦には絶対に行くべき】

まとめると、まず【建築新人戦】は絶対に応募するべきだと思います。ただ100選というのは意外と険しい道のりなので、選ばれれば良いですが、落ちてしまう場合もあるかと思います。

それでも、例え100選に選ばれなかったとしても、建築意匠設計をしたいのであれば、大阪に行きましょう。【建築新人戦】を見に行きましょう。

絶対勉強になります。それだけは確実に言えます。

最後にサッカー日本代表の本田圭祐氏の言葉をお伝えします。

「成功したいから努力する。ただ、いくら努力しても必ず成功するとは限らない。でも間違いなく成長はできる。成功とは成長の先にある。僕が自慢できるのは失敗してきた数の多さである。」

いい言葉ですよね。建築を設計するものとして、成功したいのであれば、失敗してもめげずに努力して行きましょう。

そして3年生以下の皆さん、まずは【建築新人戦】に取り組むことから始めませんか。必ず成長できると思います。

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