マミトラ回避失敗しそうな経験談を書いておく

私はマミートラック回避を志して育休前と同じ職位(課長補佐、プロジェクトマネージャー)で現場復帰するも、3年目で体調を崩し休職中。復職はこれからだ。復職時にはマネージャーをやらずに済むように調整しようと思っているーつまり、いったん自分からマミートラックにハマりにいく予定。
(ちなみに子供は3歳半)

今回、どうして私のマミートラック回避が失敗しつつあるかを書いてみることにした。

育休から職位を維持して現職復帰するワーママは増えているようで、成功談を目にする機会は増えている。成功談は挑戦する勇気をくれる。そして私は、同時に失敗談も、一度しかない人生を大事にするためには同じくらい大事だと思う。ひとつには負け戦を避けるためだ。そしてもうひとつには、逆に、失敗の原因を知ればマミートラック回避を成功させられるかもしれないからだ。

ワーママがそれぞれのカタチでキャリアを大事にできたら、と願っている。

ざっくり自己紹介

私はIT企業でプロジェクトマネージャーと一部の業績管理をする職位にあった。
子どもができる前は残業はそれなりにあった。20時で帰れる日は「あ早く上がれたな」と思う感じだ。
子どもが10か月、私36歳の時に育休から同じ職位で時短勤務で職場復帰。
復帰後1年目の後半からプロジェクトマネージャー業務に復帰。
そして3年目の最初に業務多忙で体調不良になり休職した。

時短家電は食洗器を導入済みで、洗濯乾燥機は体調不良になる直前に調達。夕食は生協の半調理品を利用し、調理時間は15分だ。

子どもの保育園送迎は朝夜ともに私。ただし私が残業した場合は夫が夜の送迎を担当した。保育園までは片道15分。

私が体調をくずしマミートラック回避に失敗しつつある理由

理由が4つある。どれか1つのせいではなくて、4つが重なってしまったことがいけなかったのだと思う。

その①:業務量、プレッシャーが多すぎた

シンプルな理由。私のキャパシティより業務量とプレッシャーが多くなりすぎた。
こどもの世話もあるからワーママになる前よりキャパシティは減る。
時短勤務を選択はしたけれど事業的な理由で業務が増えて、20時まで残業しても仕事が終わらなくなってしまった。

ワーママになる前は、仕事を効率化して、そういった繁忙期をなんとかするつもりでいた。
けれど実際ワーママになって効率化をはかってみてわかった。
私一人が効率的に動いて短縮する時間は、せいぜい1、2割程度だった。
20時までかかっても終わらない仕事を、小手先のテクニックでどうにかすることはできなかった。
そして、同僚も同じくらい大変だったから、業務負荷を組織内で平準化することも難しかった。会社は配慮してくれたが、状況が改善する前に私が潰れてしまった。
18時まで仕事をするのはなんとかなったけれど、毎日20時はかなり辛く感じた。それでもリーダー職だから業務を放り出して帰れなかった。

その②:子育ての比重がわたしに偏った

夫は授乳以外の家事育児ができる。しかし職場の勤務時間は、休日が少なくかつ平日休みで、朝早く家を出る。夜は19時には帰ってくる。
そのため毎朝と土日は私のみで子育てをした。夜の保育園送迎も、19時まで保育園で待たせると子供が疲れた様子を見せるので、基本わたしが行った。

ただ夜夫が帰ってからは、夫が家事育児をしっかりやってくれて私は休める。そこはよかった。だから一定の業務負荷まではやってこれたと思う。けれど残業が増えて夜の休む時間もなくなった。

平日仕事でへとへとになって、土日にはこどもと二人きり。
独りでリフレッシュする時間が取れなかった。

その③:こどもの性格、体力

こどもが警戒心が強く、慎重な性格だった。
なかなか他人に慣れてくれず、保育園に連れて行くのも苦労した。行ってしまえば帰りには「楽しかった!」と言うけれど。
このため毎朝の登園はプロレスだったし、休日にベビーシッターを頼むのも、疲れている子どもにまた気疲れさせてしまうかもと躊躇した。祖母にも一時期なつかず大変だった。(最近仲良くなっま)
体力的にもそんなに強くない。保育園お迎えが19時になる日が続くと、土日ぐったりする感じがして心配だった。
そして夜泣きあり。添い寝あり。

その④:わたしの性格、体力

真面目で完璧主義なほうだと思う。心配性でもある。ただ、そう自覚はあるから、あまり真面目になりすぎないように気を付けるようにはしていた。
でも、もともとの性格はなかったことにはできなかったかもしれない。
たとえば仕事を頼まれたけれどキャパシティがなくて断らないといけないとき、断ることはできるけれどちょっと胸は痛む。そういうのが蓄積して疲れた感じはする。周囲のプレッシャーを受け流している人のことを、どこか「あんなふうになれたらよかった」とうらやましく思ったりもした。
あと文化部体質で体力は高くない。睡眠と食事がなにより大事。

結論

理由その①が増えて、理由②+③+④の背景を持った私が耐えられなくなった。というのが、端的な結論だと思う。

マミートラックに乗らなくていい時、乗ったほうがいい時を考える

最初に書いた通り、どれか1つのせいではなくて、4つが重なってしまったことがいけなかったのだと思う。実際、繫忙期に入るまでは大丈夫だった。

真面目な人でも業務量が負荷がかからなければ、大丈夫かもしれない。
真面目で業務量が半端なくても、子育てと家事を誰かと分担できれば、大丈夫かもしれない。
業務量が半端なくて子育てと家事を誰かと分担できなくても、性格や体力がタフであれば大丈夫かもしれない。
他が悪条件でも、こどもが屈託なく保育園を楽しめる性格と体力なら、あるいは夜泣きをしないなら、なんとかなるかもしれない。

結局は個別の条件次第。

ただ、なかでもやっぱり業務量の影響は大きかったなと思う。
どんな時短家電もハウツーも、数の暴力の前にはなすすべがなかったという印象だ。 

だから、これを読んでいる人は業務量と負荷について、上長とちゃんと話し合ってほしい。

数の暴力を受けないで済む業務量かどうかーペアやサポートしあえる体制はつくってもらえるかーノルマを勤務時間に合わせて調整してもらえるか。

話し合ってもらえない環境なら、どうか身の安全を最優先してほしい。子どもが幼くて手がかかるうちはマミートラックに退避する(夜泣きありつつ残業はヤバい)、業務量が適正な環境に転職する、ガードを張るなど。

なぜなら一度体調を崩した私が、回復にめちゃくちゃ苦労しているから。1か月そこらでは治らず、半年以上働けていない。しかも体調を崩してしまった事実で、キャリアはいったん停滞する。履歴書に休職の事実を書かないといけない。それが次の選択肢をどんだけ縮めるか。悔しい。

頑張り屋さんは、数の暴力を「当たり前にやらないといけない」と思ってしまう。自分の効率化が先だと、思ってしまう。でも、細かい効率化や時短家電を過信しないほうがいい。それで得られる効果は日々の時間+1時間くらい。数の暴力のほうがよっぽど強いと思う。

そして「私は体力がある」と過信しないこと。ベッドから起き上がれなくなって初めて、体力の底は知覚される。ちょっと余裕があるくらいがちょうどよい。

あともうひとつ。同僚が忙しすぎる環境は要注意。いくら当初に上司と業務量調整ができてても、途中から「やればできるやん」とどんどん追加される危険があるからだ。 


…ここまで書いておいてなんだけれど、
私は仕事が好きだったから、この文をもし過去の私に読んだとしても、挑戦したい気持ちをおさめることはできなかったかもしれないとも、思う。
複雑なところだ。
挑戦しなけりゃよかったとは思えない。でももうちょっと慎重にやればよかったとは、後悔している。


ちなみに朗報。

ただ残業しまくりの部署でワーキングペアレンツだけ負荷軽減しても、同僚が苦労するだけなので、居づらくなるか自主残業することになる。
全体の業務量適正化を望むところだ。


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