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Glastonbury Festivalミニ備忘録

3年ぶりの開催になったGlastonbury Festivalに行けてしまったので、その時に観た23アーティストの一口メモを書きました。本当に至る所にステージがあるので、フラりと観たアーティストは除いてます。フェスの雰囲気や特色はmusitさんで記事を書かせていただいております。そちらもよければ。凄まじく広いです。多分想像の8倍ぐらいは広いと思う。

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0日目

サブステージがちらほら開いてる感じ。前夜祭という雰囲気だろうか。

Eva Lazarus

イギリス西部、ブリストルの女性シンガー。まだメインステージは設営中で小さいステージしか空いてないとはいえ、フロアで盛り上がる人たちを見ていたらフェスが始まった気がする~!!! 被ってるハットの緑色と目が2つ付いてるデザインが愛・地球博のモリゾーにしか見えなくて「これ分かるの俺だけか~」としみじみ思ってました。

Hak Baker(Acoustic)

日本でどれだけ調べてもchelmicoのRachelが好きぐらいの情報しか無いHak Baker。5月にMetronomyの前座で観た以来だった。緩急鋭いというかリラックスした部分と、急な緊張感の対比が本当にカッケ〜となります。今回はアコースティックだったけどそれは変わらず。MC含めて気さくな兄ちゃんって感じ。2日目はフェス全体で2番目に大きいOther Stageにはバンドで出演が決まっていたけど幾何学模様と被っていたからここで観ることに。それもあってか今回の室内ステージは普通に満員で入れなかった。隣のお姉さんが「マイラブリーファッキングチューン!」って叫んでたのが良かったです。

Nova Twins

Nova Twinsは2人組のロック・デュオ、幼い時からの友人らしい。初めて知ったのは一昨年のBring Me The HorizonのアルバムでFeatしていたから。元からがっつりヘヴィーなサウンドなんだけど、それ以上にライブがパワフルで良かった。シャウトとかって音源で普通に聴けても、ライブで聴くとちょっとショボく聞こえる時があるじゃないですか…。そんなことがなかったというか思っていた以上の迫力があった。そのうちサマソニとかで来日していそうな印象。フジよりサマソニ感。

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1日目 

観たいアーティストが多くて一番歩き回りました。6万歩近く歩いてた。

The Libertines

そうです、この優しそうなおじさまがピートです。いやマジでふくよかになり過ぎてて「誰!?」ってなった。最後に観れたのが2019年のピートとカールのアコースティックライブ。その時よりも確実に丸くなられたような…。カールは相変わらずのイケイケおじさん。『Death on the Stairs』を演奏する前に2人でハグしていたのがとても印象的だった。相変わらずの2人の仲の良さを象徴しているかのよう。暇だったらWikipediaとかでリバティーンズを読んで欲しいんだけどマジで少年漫画のような友情。何であれバンド形態で観れたのは本当に嬉しかったな。ピートもお薬は完全に断ったみたいだし健康そうで何より。サマソニ出演予定だけどキャンセルも折り込み済みだとか怪しげな噂も立ってるリバティーンズ、果たして彼らは本当に来日できるのでしょうか…。

Wet Leg

1時間前に到着したけど人だらけ。言うなればこのグラストの中でも3本指に入るぐらいの集客力だったのでは。丘にあるステージで傾斜もあるからかマジで何も見えなかった。2、3曲聴いて離脱。自分が観ていた場所はWet Dreamの入りからめちゃくちゃ盛り上がってみんなで歌っていたけど、Aメロの「I was in your wet dream ~」から合唱が「ホニャホニャ~」ってなってみんなで笑っていた。ライブ動画見返したら、ちょっと人多過ぎて引いてる感じの2人が見れて面白い。あとグラストのAfter Movieに映っていたWet Legペイントしていたお姉さん、好きです。

Inhaler

「いやマジでカッコよすぎ〜〜〜!!!!!」、ナチュラルに今回のグラストで観たバンドの中だったら一番カッコ良かった気がする。普通にビジュアルが良いのもあるけど、演奏も良いし尚更カッケ〜!!!! 心の中の乙女心がキュンキュン言ってました。アイドルバンドかと思いきや、フロアはおじさま方も結構盛り上がってた。『Cheer Up Baby』で飛び跳ねてた隣の女の子も素敵でした。総じて最高。てか普通にU2なのでは?(違う)。Inhaler聴くたびにまだまだ皆ちゃんとロックバンドが好きなんだなって思う。てか白タンクトップ一枚でカッコいいのって何?

girl in red

トラブルなのか呼ばれても中々ステージに現れず、バックバンド含めて皆ワタワタ慌てて出てきて『You Stupid Bitch』から始まったのちょっと面白かった。本人の迫力もあるけどバックバンドのお兄さん達の迫力も凄まじすぎる。最後の最後で「ウォールオブデスしようぜ!」って言い出したのも唐突すぎてウケたし、フロア降りてきたのも、それで目の前にいたのもウケました。グラストでサングラスを計3回無くしたんですがここのウォールオブデスが2回目。沢山ウケてますが普通にカッコよかったです。

St.Vincent

裏被りしてたSam FenderかBONOBOに結構持っていかれていたのか、思ったよりもお客さんは少なめ。夜ご飯食べながら体揺らしてたらガッツリ喉に詰まらせました。ありえない高さの声で咳した。死ぬかと思った。合間合間という位置だったからフルセットで観られなかったのが惜しいくらい良かったな。地味に雲が多いという微妙な天気だったのに『New York』歌い始めた瞬間にパァーッと晴れて日が差したことが神々しかったです。教祖様…! ギターのネックとネックをすり合わせるパフォーマンスの何とも言えない妖艶さがありましたね…。

Khruangbin

Little Simzを観に行くルートでちょうどいい位置にステージがあったので立ち寄り。というかクルアンビンめちゃくちゃ観たかったので普通にフルで観られないことが残念。しかしWet Legと同様で何も見えず。今回は人と言うよりは完全に傾斜のせい。ローラ・リー拝めず。見えない事もあってすぐに離脱。立ち去ったら背中から『So We Won't Forget』が聞こえてきた。悔しいぜ。夕焼けと相まってロケーションが最高だった。

Little Simz

当日のトリの時間帯はBillie Eilish、Foals、Little Simz、Primal Scream、Four Tet、The Chemical Brothers(コロナでキャンセル)、The Damned(コロナでキャンセル)が被っているという訳分からないタイムテーブル。タイムテーブルが出た時から何を観るか永遠と悩んでいた。「コロナ明け初の開催で最年少ヘッドライナーだし」とビリーを観るつもりだったけど、直前でやっぱりLittle Simzに変更。何せ彼女は僕の去年のAOTYだったから。その期待通り、間違いなく一番良かった。この日どころかグラストで観たアーティストの中で一番。隣のお客さんは6、7歳の女の子。他のお客さんもスッとその子には場所を譲ってあげる優しい世界でした。彼女もめちゃくちゃLittle Simzが好きみたいでずっとスマホで動画撮っていた。本編は『Introvert』でスタート、イントロが鳴った瞬間にもう吹き飛ばされてしまったぜ。「不安で仕方なかった」とMCで言っていたけど、ヘッドライナーのビリーと唯一のスタートから終わりまで丸被りだったLittle Simz、相当な気合が入っていたのが伝わるライブだったと思う。一番好きな『How Did You Get Here』が聴けた事も嬉しかったな。ラストの『Venom』では後ろのお姉さんが壊れたかのような「ウガアアアアアア!」って声を出していて本当に笑いました。マジなんだって。最高のノリ方だった。

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2日目

朝起きて靴を履くと思った以上に疲れている事に気づく。

幾何学模様

朝一でサイケ。コーヒー片手にライブを観れるのは泊まり込みがあるフェスならではだなと思う。おじさまばかりかと思ったら案外若い人もちらほら。目の前にいた女の子たちは1人が死ぬほど盛り上がり、1人が死ぬほどつまらなそうという見事な対比。人生で初めてマリファナの匂いがする場所でサイケを聴くという経験。どのステージにも前フリをする司会役の人がいるのだけど、上手く言えないのか「キカークモヨー!」って紹介していて面白かった。

black midi

マジで風邪引いた時に見る夢のようなライブをしていた。どう考えても明るい日差しで溢れる青空の下で聴く音楽じゃない。音源で聴いてる分には「ウヘ~(オタクスマイル)」の自分ですが、ライブを観ている時は「自分とは…?人生とは…?」のような事を考えながら遠い目で離脱した。でもこれを機にグラストのライブ映像見たらまたオタクスマイルしているので普通に好きなんだと思う。多分ロケーションで認知のバグを起こしてた。

Metronomy

Metronomy、凄く良いバンドなんだけどこんなに大きなステージで集客できるのかって不思議に思ってしまう(失礼)。5月に観に行った単独以来でした。何となくその時から「野外より室内の方が絶対似合うだろ」とか思っていたけど、野外は野外でめちゃくちゃ似合っていたな。シンセゴリゴリレイヴパワーの『The End of You Too』とか野外でもちゃんと映えるから凄い。みんなシンセ好きね~という気持ち。というか『Love Letters』演奏してくれたからもう何でも良いです。イギリス来てからめっちゃ好きになってる。

見かけたこれちょっと羨ましかった

beabadoobee

Metronomyと地味に被ってたせいもあって遅れて到着。『Care』を聴いたらもう昼下がりには最高に気持ち良い。というか音源で聴く以上に、めちゃくちゃ好きなバンドサウンドだった。秋の単独は絶対観に行こ〜。どうしても最後まで観たかったけど次のBig Thiefとの移動も考えて移動。ステージ間移動が下手するとザラに1時間かかるフェスなんです…。でも『Coffee』聴けたし満足。一番好きな曲だけど弾き語りだから聴けると思っていなかった。急に好きな人に会いたくなる曲をやるな、心臓に悪い定期。

Big Thief

裏被りのHAIMに持ってかれているのか結構スイスイと前に行けた。3月にワンマンで観てからずっと野外でみたいな~と思っていたから、横には山、青空の下っていうParkステージのロケーションは最高。Wet Leg、クルアンビンとまともにこのステージで観れてなかったらやっと挽回した気持ち。相変わらずのヒリヒリとした空気感を醸し出す演奏は本当に魅力的だった。昨今話題のギターソロを飛ばす若者たちはBig Thiefの異様に長いギターソロを聴いて白目向いて欲しい。セットリストを見返していたら当日の夜に違うステージでシークレットアクトしていたっぽい。ステージが多すぎて訳が分からん。

Noel Gallagher's High Flying Birds

今思うとグラストンベリーというフェスを教えてくれたのは、大学のサークルが同じだったOasisが好きな同期だった。その時は特に洋楽を聴くわけでも無かったからフ~ンと流していたけど、まさか数年後に自分がグラストにいるとは…。遅れて中盤あたりで着いたけど、ひたすらOasisの曲をやっていてちょっと笑った。『Whatever』、『Wonderwall』、『Half the World Away』、そしてこれがイギリスで聴く『Don't Look Back In Anger』…。イギリスでギャラガー兄弟を観るという小さな夢はネブワースでリアム、グラストでノエルと叶ってしまった。後はOasis復活という幻のUMA発見のようなイベントを待ってます。

Paul Mccartney

『Can't Buy Me Love』から始まったわけだけど「マジでビートルズっていたのか…」ってしみじみ思っていました。本来78才でヘッドライナーを務める予定だったポール。それでも凄い事だったけど延期に延期で80才に。このお歳の2年間ってめちゃくちゃ大きいだろうに歌う姿はまさにレジェンド。長生きしてください。「ビートルズの曲で上がるスマホの灯りは銀河みたいだけど、僕のソロ名義の曲の時はブラックホールみたいだね!」ってジョークを飛ばしてた御大。でもこの日一番印象に残ってるのはWingsの『Live and Let Die』だったりする。ちょっと花火がバンバカ上がり過ぎてカオスだったから。サプライズゲストはデイヴ・グロールにブルース・スプリングスティーンという豪華さ。というかここで観なかったらブルース・スプリングスティーンとか一生生で観れなかっただろ自分。よくよく考えると80才が2時間以上演奏して日付またいでるフェスヤバいだろ。

Floating Points

夜中の1時を過ぎてるのに凄い人だった。IICONという人の顔を模したステージも相まってとても良かったんだけど、隣の集団が売人かってくらい永遠とマリファナを焚いていて、その匂いに気持ち悪くなってしまったので離脱。というか多分売人だった気がする。体感的にこのステージもあるクラブミュージックメインのエリアが一番治安悪かったイメージ。でも深夜とのギャップもあるけど一番賑わってた。グラストは本当にどこからでもマリファナの匂いがするし、2割くらいの人は白い粉を鼻からシュッと吸ってる。おめおめと抜け出してきたけど、近くにあった謎カリビアン音楽流してるステージが思いの外楽しかったので2時間ぐらい踊って帰宅。帰宅というか帰テント?

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3日目

朝から観るものはなかったのでのんびり起床。

Clairo

ナチュラルに「実在するのか…」ってなった枠。実質ポールと同じ。多分今回のグラストで観たアーティストの中では一番聴いてきたアーティストだから、いざ目の前にした時に「本当にいるの!?」の方が勝っちゃってた。一つ前の枠が当日発表でずっとシークレットだったGeorge Ezraだったけど、それにごった返してた人は後述するダイアナロスに流れていったぽくてかなり快適に観れました。欲しかったデザインのマーチは売ってなかった。残念。

Diana Ross

今年のTeatime Legend枠。観るつもりは無かったけど同テントの方からレジェンド枠は観た方が良いというアドバイスを頂いたので観に行った。ナチュラルに人がヤバい。僕自身がダイアナロス全く知らないって思っていたけど普通に大体聴いたことがある曲だった。さすがレジェンド枠。若者からお年寄りまでみんなが楽しめる枠って日本のフェスでもあったら面白そうだなと思った。でもあまりにも人が多くて訳が分からなかったので少し聴いて離脱。というかダイアナロスも78才なんですね。日本のフェスも北島三郎とか加山雄三を出してくれ。僕は憂歌団の木村さんとかが観たいです。

Snarky Puppy

裏被りがFontaines D.C.とAmyl and the SniffersとCaroline Polachekという、さながら異種格闘技戦のような時間帯。日本にいた時にバイト先の先輩だったり、高校の同級生にだったりと勧められる機会が多かったSnarky Puppyを観に行った。音数の多さとその緻密さが組み上がっていくパズルのようで気持ち良い。普通にちゃんと聴き込んでいなくてもヒャー!っと口が開いてしまうのは流石のグラミーバンドでした。移動中にFontaines D.C.もチラリと観れたけどポストパンクであそこまで集客出来る土壌は少し羨ましい。

Years & Years

いや人多すぎるだろうが。元からないような導線がさらになくなっていた。導線に屋台に並んでる列が紛れ込んで地獄。移動するつもりで通ったけど、導線が動かな過ぎて4曲くらい聴けてしまった。僕は全くの初見だったけど想像以上にカッコ良かったです。若い女の子向けかなと思っていたけど、老若男女が盛り上がってて良かった。

Charli XCX

チャリ子〜!!!!! 最終日のトリに選んだのはヘッドライナーのケンドリックラマーじゃなくてCharli XCX! 始まる前から自分の周りにいたお兄様、お姉様方も鼻から白い粉をシュッと吸っててさながら臨戦態勢。初めて見かけた時には驚いていたこの光景も最終日にはもう慣れました。ステージが暗転するとスポーツカーがどんどんスピードを上げるムービーと同時に現れるXCXの文字。もうブチ上げですわ。『I Love It』、『1999』、『Boys』を聴けば心の中のギャルマインドがずっと騒いでました。これがDIVA…。

その後はArcadiaというクモ型の火を引き続ける鉄塊ステージで暖を取りつつ、日の出を観てフェスを終わらせました!

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そんなこんなでグラストが終わって1週間以上経ったけど未だに実感がない。映像を見るたびに「本当にあそこにいたのか…?(困惑)」となっています。早く現実に帰ってきてくれ俺の魂〜!いつかまた行けますように。



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